猛烈な暑さを香りで乗り切る涼感ケア クールダウンに最適なアロマとは?
毎日猛烈な暑さが続いています。日本各地で35℃を超える猛暑日のため、熱中症ももう人ごとではありません。命を守る行動を促す呼びかけを耳にする日々。「部屋ではエアコンをつけて過ごせばいい。」と思っていても電気代の事を考えると一日中つけておくのも気が引けますね。炎天下の移動や熱中症を予防するための様々なアイテムを使いこなしながらこの夏を過ごしている方も多いと思います。いろいろ試してはみるものの何をやっても暑い!と思っている方、香りを暮らしにプラスしてみませんか? 部屋での活用法、身体へのケア、清涼感を感じるアロマブレンドなど、暑すぎる夏を香りで乗り切る方法をご紹介します。
目次
香りがもたらす涼感の効果
香りは私たちの嗅覚を通じて感じ取られ、心理的な影響や身体的な変化を引き起こすことがわかっています。香りが私たちの感情と身体に与える影響をうまく使ってみましょう。特に清涼感のある香りは、猛烈な暑さを感じている時に心地よく、リフレッシュやリラックスを促すことで、暑さを感じにくくさせる効果があります。爽やかな香りをチョイスしてその香りに触れることで「暑い」という言葉を葬りましょう。
また、香りは過去の経験や思い出とも結びついています。清涼感のある香りが、夏や涼しい場所の思い出と結びついている場合、それを香ることで心地よい涼しさを感じることもできます。ふさわしい香りをチョイスして過去の涼しい体験を思い出し、その感覚を再現する方法もいいかもしれません。
清涼感をもたらすアロマ精油の選び方
清涼感をもたらすアロマ精油はいくつかあります。代表的な精油と香りの特徴・効果をご紹介します。
●ペパーミント、スペアミント、薄荷
これらはメントールの成分を豊富に含んでいるため冷却作用に優れています。ペパーミントはキリッと爽快感がありスースーするのが特徴。スペアミントはソフトな清涼感があり香りも穏やかでスースー感も控えめです。和製薄荷は透き通るような清涼感がありどこか懐かしいノスタルジックさがあります。
ミント系の香りには頭をスッキリさせたり、疲労感を和らげたりする効果も期待できますので身体のだるさを感じるときにはおすすめです。またミント系は香るだけでも体感温度が4℃下がると言われているので酷暑には必需品です。
●ユーカリ
清涼感が強く、鼻に抜けるようなスッと感が涼しさとクリアな感覚をもたらします。暑さを感じる時に気分をリフレッシュするのに役立つでしょう。また鼻の奥に届くような爽快感があるので鼻詰まりやアレルギー対策におすすめの香りです。
●レモングラス
レモングラスはレモンに似た芳香を持っていますが、レモンより力強い香りでシトラス系の爽やかな香りにグリーンの印象と少しの甘さが加わります。気持ちを鼓舞したり、元気にさせる心理的効果がありますので身体の怠さを感じる時におすすめです。また、東南アジアなど熱帯地域ではトムヤムクンをはじめ、暑いときに食べたくなるエスニック料理に幅広く使われています。フレッシュなレモングラスが手に入ればスープや炒め物に使ってもいいかもしれませんね。
●レモン、ベルガモット、ライム
フレッシュでみずみずしい柑橘の香りは誰からも好かれる安心感があります。これらはリモネンという成分を多く含んでいます。リモネンには覚醒効果があり、頭がすっきりして気持ちが引き締まるので、前向きな気持ちにさせる香りです。また、柑橘系の香りには抗うつ作用があるため、緊張や不安をほぐしリラックスできるでしょう。心と身体が疲れて落ち込んでいる時に使ってみてはいかがでしょうか。柑橘系の香りの中でも特にこの3つは、「元気」「クリア」「リフレッシュ」「活性」というワードが当てはまりますので夏バテで体力が落ちているときにおすすめです。
●ラベンダー
アロマの代表格でもあるラベンダーは甘すぎない華やかなフローラルの香りがします。 心を落ち着けて、ストレスを和らげ、感情のバランスをとってくれます。また副交感神経を優位にして気持ちを安定させるのに役立ちます。暑さによるイライラや緊張感を和らげ、心地よい眠りに導いてくれるのもこの香りのおすすめポイントです。
涼しげな香りを部屋中に広げる方法
真夏に締め切った部屋に帰るとムワッとした空気感が気持ちを萎えさせます。部屋の香りはとても重要!そんな時こそ清涼感のある香りを取り入れてみて部屋を快適な空間にしてみてはいかがでしょうか?
1.アロマディフューザーを使用する
様々なタイプのディフューザーがあるので以前ご紹介したものを参考にしてみてください(https://vacances2020.biz/column/1263/)
涼しげな香りのアロマ精油を選んでディフューザーに入れ、部屋中に香りを広げてアロマの心理的効果や身体的変化を体感してみてください。
2.素焼きのアロマストーンを使用する
アロマストーンにアロマ精油を染み込ませて香りを楽しみます。部屋で香りを感じたい時にアロマ精油を数滴垂らすと一瞬でその場の空気が変わると思います。とても手軽に楽しめるアイテムですし、瞬間で涼しさを感じたい方におすすめです。
3.ミンティリボンを使用する
ミンティリボンを作りましょう。リボンの先端にペパーミントやスペアミントなどメンソール系のアロマ精油を染み込ませます。これをエアコンの送風口や扇風機の前面ガードにつけると風と共に爽やかな香りが部屋中に届くでしょう。エアコンや扇風機のある部屋であれば香りが広がるので一石二鳥です。ハンディファンでも出来ますのでお試しください。
4.ルームスプーを使う
涼しげな香りのルームスプレーをシュッシュッとしてひんやり感を楽しみましょう。アロマ精油と無水エタノールと精製水で簡単にルームスプレーを作ることができます。50mlのプラスチック容器に5mlの無水エタノールと清涼感のあるアロマ精油を10滴垂らしよく混ぜます。そこに精製水を45ml加えると出来上がります。使用前にはよく振って部屋の中でスプレーしてください。また持ち歩いて清涼感を感じたい時にも使えるのでおすすめです。
身体をリフレッシュする涼感ケアとアロマバス
少し外出するだけでも汗が半端なく出るのに、外出時間が長いと汗の量も増えます。帰宅後すぐにシャワーが浴びてさっぱりしたいもの。加えてできる涼感ケアご紹介します。
- ボディミストを上手に活用する
ミント系の香りは体感温度を4℃程下げると言われています。メントールの入った涼感効果のあるボディミストを使用することでお風呂上がり身体全体の温度を下げて快適に過ごせるでしょう
- ミントの上がり湯
洗面器にぬるま湯を入れ、そこにペパーミントを1滴垂らしよく混ぜます。最後に上がり湯として身体にかけてみてください。水分をタオルで拭き取った後、足の先からスースーしてきてクールダウンできます。お風呂上がりの止まらない汗もこれで抑えることができますよ。
- 涼感フットバス
一日の終わりや外出先から帰宅して疲れている足を涼しいフットバスで癒しましょう。冷たすぎない水にフレッシュなミントやレモングラスを浮かべたり、アロマ精油を2滴ほど垂らして足を浸けてみてください。涼しげな香りをゆっくりと感じながら身体全体をリフレッシュしましょう
- クールダウンのアロマバス
涼しさを感じるためのアロマバスにおすすめなのはミント系、ユーカリ、レモングラスです。湯船に直接3滴から5滴垂らしてかき混ぜて入浴しましょう。深呼吸をしながら涼しげな香りを吸い込んで意識してリラックスできる時間にしてください。これらの香りを使ったアロマバスに浸かることで涼しさや爽快感を感じることができ、心も身体もクールダウンできるでしょう。また、市販の入浴剤を選ぶ時も、参考にしてください。
(注意点)
アロマ精油は適切に使用してください。濃度や使用方法は表記されている安全な方法に従いましょう。皮膚への刺激やアレルギー反応が起こる可能性があるため初めて使用する場合パッチテストを行ってください。
涼しさを感じるアロマブレンドレシピ
部屋で使うディフューザーやアロマストーンの芳香浴用、ルームスプレー用におすすめです。
- クールミントブレンド
ペパーミント2滴+スペアミント2滴+ユーカリ1滴
- レモンブリーズブレンド
レモングラス3滴+ペパーミント1滴+ユーカリ1滴
- クールリフレッシュブレンド
ペパーミント3滴+ユーカリ2滴+ラベンダー2滴
- シトラスフレッシュブレンド
レモン2滴+ライム2滴+スペアミント2滴
- バイタリティブレンド
レモングラス2滴+ペパーミント1滴+ベルガモット3滴
- チルアウトナイトブレンド
ラベンダー3滴+ベルガモット2滴
それぞれの好みでブレンディングしてあなたにぴったりの香りを作って清涼感のある部屋や空間を演出してみてください。
まとめ
まだまだ本格的な暑さが続く夏。猛暑の日々、香りを活用しながら涼しさを感じる方法をご紹介しました。アロマテラピーを暮らしに取り入れたり、身体をクールダウンさせる方法を試したりして少しでも家やお部屋で心地よく過ごせる時間を作ってみましょう。
猛暑の中での過ごし方、エアコンの涼しさももちろん必要ですが、アイデアひとつで身近にあるものを上手に組み合わせながらリラックスできる環境を作り、暑さからくる不快感を和らげ、心身ともに解放できたらいいですね。皆さん、くれぐれも熱中症や体調不良にならないよう健やかにお過ごしくださいませ。
プロフィール
【荒石由紀恵】
中央大学を卒業後、山口放送に入社し、局アナウンサーとして勤務する。 T V番組内でアロマテラピーを取材したのをきっかけに学び始める。退社後、アロマが盛んなオーストラリアへ留学。生活の中で身近に使われるアロマに触れその魅力にはまり、帰国後に認定資格を取得する。1999年よりアロマ講師として活動を開始し2004年には、「心と身体の真の癒し」をコンセプトにした専門店「AROMADROPS」をオープン。介護施設でのアロマケア、クリニックでの産後ケアにも携わりセラピストとしても活動している。アロマテラピーの可能性を広げるため多方面で香りと他業種のコラボレーションを仕掛けている。
◇アロマドロップス http://aromadrops.net/