【新築】外構工事とは?種類や役割、失敗しないためのポイント4つ
新築の家づくりでは、内装やインテリアにこだわる人は多いですが、外構工事やエクステリアは後回しにされがちです。しかし、外構は家の印象を決める大切な要素です。内装と合わせてトータルでデザインし、おしゃれに仕上げたいですよね。今回は、完成してから後悔しないために、外構工事の種類や役割、失敗しないためのポイント4つを解説します。
外構工事とは
まず、外構とは何か、また、同じような言葉として使われている『エクステリア』との違いは何かを解説します。
・外構とは?
敷地内において、家の外にある構造物を指す言葉です。エクステリアと同じ意味で使われることもあります。外構やエクステリアに求められる役割は、装飾性(見た目)、防犯性(安心)、娯楽性(楽しさ)などがあります。
・外構とエクステリアの違い
エクステリアは、インテリアの対義語です。家の外側の空間全体や環境を表す言葉です。一方、外構とは、家の外を構成する構造物を指します。外構は、エクステリアを構成する要素ということになり、意味は少し異なります。しかし、実際にはエクステリアと同じような意味で使われる事も多いでしょう。
・外構工事の種類
外構工事は、敷地内にある、家の外の構造物を作っていく工事のことです。外構工事には、大きく分けると次の3種類があります。
●オープン外構
フェンスや塀や柵などで家を囲わない、開放的な外構やエクステリアのことです。日当たりが良く、設置物が少ないために費用も抑えられます。デメリットは、敷地内に侵入されるリスクがあるなど、防犯面で不安があることや、プライバシー確保が難しいことです。
●クローズド外構
門扉やフェンスや塀などで家の周りを囲み、外部からの視線を遮断している外構のことです。プライバシー確保ができ、お庭やテラスでBBQをしたり、お子さんがプール遊びをしたりする際も安心です。また、フェンスや壁は、ペットやお子さんの道路への飛び出しを防ぐことにも役立ちます。一方で、家と壁との間にスペースがないと、家が暗くなってしまったり、閉鎖的な雰囲気になったりするので、十分な広さがあるエクステリアに適しています。
●セミクローズド外構
家と道路の境界線の一部分にフェンスや塀を建て、その部分以外をオープンにしている外構のことです。プライバシーを確保しつつ、開放感もあります。しかし、中途半端な印象のエクステリアになったり、塀を建てる位置によっては、家の中が丸見えになってしまったりするので、十分な検討が必要になります。
外構の種類と役割
次に、外構やエクステリアにはどのような種類があるのか、それぞれの特徴と役割をご紹介していきます。
●門扉、門柱
門扉とは、敷地の出入口に設ける扉のことです。素材は、サビや腐食に強いアルミ製が一般的で、ほかにも木製やアルミ+樹脂製などもあります。種類は、片開き、両開き、親子開き、引き戸などがあります。
開く仕様では、内開きタイプと外開きタイプがあります。内開きが一般的で、道路側から家側に向かって開きます。一方、外開きは、家側から道路側に向かって開きます。扉が通行人や車にぶつからないように、後退して設置する必要があります。
引き戸は横にスライドして開けるため、奥行きがない場合に適しています。開口も大きく、ベビーカーや自転車の出し入れがしやすいというメリットがあります。
また、門柱とは、門扉を支える柱や壁のことです。最近では、エクステリアに門扉を設置しない住宅も増えています。そのため、表札やインターホン、郵便受けや宅配ボックス、照明などの機能がまとまっている『機能門柱』の人気が高まっています。
●フェンス、柵、塀、生垣
フェンスや、塀は、家を囲って、外部から家の中が見えないように目隠しの役割を果たします。敷地の境界を示し、プライバシーを守りながら、防犯対策にも活用されます。
フェンスや柵にはアルミ製や木製があり、ゆるやかに視線を遮ります。塀は、コンクリートやモルタル製、レンガ積みなどがあります。プライバシー性を重視したい人に向いています。
また、生け垣は視線を遮りながらも、優しい印象にできることが特徴です。しかし、手入れや剪定が必要で、手間や維持費についても検討しておく必要があります。
●アプローチ
アプローチとは、敷地の出入り口から玄関までの通路のことです。訪れた人を出迎える役割があります。都市部や住宅密集地では、アプローチを長くとることは難しいですが、短くても通路の舗装材にこだわると、印象が良くなります。
素材は、タイルや敷石、コンクリートやインターロッキング、枕木や砂利などから選ぶことができます。毎日通る場所なので、歩きやすさや滑りにくさも大切です。通路の脇に花壇やベンチを取り入れるのもおすすめです。
●駐車スペース
駐車スペースの外構アイテムには、カーポートやカーゲート、シャッターや充電コンセントなどがあります。カーポートは、屋根と柱だけの簡易的な車庫のことです。天候の悪い日でも乗り降りや荷物の出し入れに便利です。
カーゲートやシャッター付きの駐車スペースは、防犯面からも安心感があり、手動と自動のタイプがあります。駐車スペースの舗装材は、コンクリートや砂利などです。コンクリートは耐久性があり、維持管理がラクです。砂利は、設置費用がコンクリートより安いのが魅力です。しかし、土ホコリによって汚れることや、長く使うと砂利が沈み、定期的な継ぎ足しが必要になるという面もあります。
●駐輪スペース
駐輪スペースの外構アイテムは、サイクルポートや照明などです。サイクルポートとは、自転車置き場のことです。アルミ製や木製の屋根付きのものや、簡易定期なテント素材のドーム型のものなどがあります。駐輪スペースは乗り降りのしやすさが大切です。
●植栽
門の周りやアプローチ沿い、庭などに植える草木を植栽(しょくさい)と言います。植栽や花壇があると華やかで、和やかな雰囲気になります。また、木々が道路からの目線を遮る役割も果たし、防犯面やプライバシーの面でも役立ちます。
植栽に選ぶ草木は、丈夫で比較的手入れがラクなものが人気です。例えば、シマトネリコ、ヤマボウシ、もみじなどがあります。手入れがラクだとはいえ、剪定や管理は必要になります。伸びた枝や枯れ葉が隣家に入ってしまうとトラブルになったり、手入れを怠ると見た目も悪くなったりします。お手入れが自分で出来ない場合は、専門の業者に依頼するなどの方法もあります。植栽は、先々のことまで考えて計画しましょう。
●庭
庭の外構アイテムは、ウッドデッキ、テラス、花壇、家庭菜園、ベンチ、サンシェードなどがあります。また、庭全体が土のままだと、土ホコリや、雨でぬかるんだ泥で住宅や車が汚れてしまいます。花壇や家庭菜園以外の部分は、舗装することをおすすめします。舗装の方法は、天然芝や人工芝、タイルやレンガ、砂利やコンクリートなどです。
なかでも、天然芝はお子さんやペットの遊び場になり、お庭でBBQやプール遊びができるなど、楽しさが広がります。しかし、芝は伸びたり、虫がついたりするので、手入れが必要です。また、冬場は枯れてしまいます。メンテナンスをラクにしたい場合は、人工芝にして雰囲気を楽しんだり、ウッドデッキにしたりもおすすめです。
●照明 外構の照明は、門扉や玄関を明るくするだけでなく、アプローチの足元やシンボルツリーを照らしても、おしゃれで素敵なエクステリアになります。夜の家の雰囲気をワンランクアップさせてくれます。また、外構を明るくすることは、防犯面でも役立ちます。
外構工事で失敗しないためのポイント4つ
最後は、家づくりの先輩たちは、外構工事やエクステリアで、どんなことを後悔しているのか見ていきましょう。後悔したことを参考に、失敗しないためのポイントを解説します。
・外構工事でよくある後悔
●カーポートが狭すぎてぶつけてしまった
●自転車を停める場所を考えていなかった
●舗装を砂利にしたら、夏は雑草だらけになった
●植栽が大きく育ちすぎて、家が暗い
・外構工事で失敗しないためのポイント4つ
●カーポートは余裕のある広さにしよう
カーポートは、設置する際にコンクリートで固めるため、移動することが難しく、後悔しやすい外構アイテムの1つです。横に柱があるタイプは、柱が邪魔になって乗り降りしづらかったり、ドアをぶつけてしまったりします。余裕のある広さにしたり、スペースがとれない場合は、後方に柱があるものを選んだり、設置前にしっかり計画することが大切です。
●駐輪スペースもしっかり検討しよう
自転車は、毎日使う人も多いのに、家づくりの際に、置き場所について軽視されがちです。空いているところに置こうと安易に考えていると、台数が増えて置けなくなることもあります。また、車の近くに置いていたら、強風で倒れて車に傷がついてしまうこともあります。転倒防止対策としてスタンドを設置しても良いでしょう。駐輪スペースは、自転車の台数の増加や、お子さんの成長でサイズが大きくなることも考慮して確保しましょう。毎日使う場合は、出し入れしやすいことも大切です。
●舗装はメンテナンスを考慮して選ぼう
外構の舗装には、予算の都合で砂利を選ぶ人も多いと思います。砂利を敷くと、土ホコリがたちにくくなり、水はけも良くなります。また、踏んだ時に音がするので防犯面でも役立ちます。しかし、夏になると雑草に悩まされる人も多いようです。対策としては、地面と砂利の間に防草シートを敷くと、雑草は生えにくくなります。しかし、雑草の生命力は強く、隙間から生えてきてしまう場合もあります。天然芝でも同じことが言えます。メンテナンスを手間や苦痛に感じる人や、ズボラさんには、コンクリートの仕上げの方が適しているでしょう。
●植栽は手入れできる範囲で導入しよう 外構の植栽は、丈夫で手入れがラクなものが人気です。しかし、そのような草木の中には、成長が早い種類もあり、2階の高さくらいに育ち、家が暗くなってしまったというケースもあります。植栽は生き物なので、剪定や管理は必ず必要です。大きく育ててシンボルツリーにしたい場合は良いのですが、目隠しに使いたい場合などは、定期的な手入れが大切です。伸びた枝や枯れ葉のことで、近隣トラブルになることもあります。植栽は、手入れや管理ができる範囲で導入しましょう。
まとめ
外構やエクステリアは、家の印象を決める『顔』となる部分です。しかし、あまり考えずに進めてしまい、後悔することも多いようです。外構の種類や役割などの基礎知識があれば、家づくりの際に役立ちます。外構工事で失敗しないためのポイントを参考にして頂き、内装と外構がトータルでデザインされた、かっこいい新築を建てて下さいね。