土間のある家のおすすめ間取り4選!後悔しないための注意点も解説

最近、家づくりで『土間』が注目されています。土間といえば、昔ながらの家屋にあり、主に台所や作業場として利用されてきました。土間では、家の中にいながら土足で過ごせます。現代では、多目的に使える活動的な空間として、外と内をつなぐ役割を担ってくれます。今回は土間とはなにか、メリット・デメリットをご紹介し、おすすめ間取り4選と、つくってから後悔しないための注意点も解説します。

土間とは?メリット・デメリットについて

まずは、土間とはなにかご説明し、また土間をつくるメリット・デメリットもご紹介します。

・土間(どま)とは?

家の中にあり、床を張っていない土足のまま歩けるスペースのことです。もともとは、床が土になっている空間を『土間』と呼んでいました。現代では、コンクリートやタイル張り、石材などで仕上げられています。地面とほぼ同じ高さで、一段上がっている居室とは区別されています。戸外と屋内の中間的な空間と言えます。

昔から日本の家屋では、外と内をゆるやかにつなぐ場所が設けられていて、縁側や土間が代表的です。現代では、縁側はテラスやウッドデッキに変化し、土間も多目的に使えることから、改めて注目されています。

・メリット

● 水に強く、メンテナンスがしやすい

土間の最大の魅力は、水に強く、メンテナンスしやすい点です。本来、汚れたり、水が飛んでしまったりする作業は外で行うべきものです。しかし、土間では土足で作業ができ、汚れなども洗い流すことができます。DIYをしたり、自転車やバイクのお手入れをしたりなど、屋内でも気軽に楽しむことができます。在宅ワークの息抜きにも最適です。

● 天候に左右されずに過ごせる

土間は屋内にありながら、活動的に使える空間です。汚れても良いという点は、お子さんやペットにもぴったりで、天候に左右されない遊び場にもなります。粘土や砂遊び、絵具遊び、広さによっては、なわとびなどの運動も可能です。

近年、梅雨や雪の季節だけでなく、花粉やPM2.5、熱中症などの心配もあり、なかなか外で遊ぶことができない地域もあります。そんな時、家の中に「汚してもいいよ」と言える空間があるのは、安心なのではないでしょうか。

● 夏でもヒンヤリ涼しい

土間は、コンクリートや石、タイルといった素材で仕上げられています。それらの素材は、熱伝導率が高く、触るとヒンヤリしています。夏の暑い時期も、室内の熱を外に逃がしてくれるので、部屋全体が涼しくなります。自然な涼しさはとても快適で、光熱費の削減にもつながるでしょう。

● 来客にも気軽に対応できる

コロナ禍を経て、お友達を家に招くことや、気軽にリビングにあがってもらうことが減ってしまったと思います。リビングは、家族がお風呂上りにも過ごす場所です。来客時は別の空間を使いたい、という方もいらっしゃるでしょう。そんな時、玄関に土間があれば、ベンチなどを置き、憩いの空間にできます。家に上がってもらうよりずっとハードルが低く、お客様も気軽に立ち寄ることができます。

・デメリット

● 冬に冷え込む

夏でもヒンヤリ涼しいというメリットがある反面、冬には冷え込む点がデメリットと言えます。コンクリートや石は熱を外に逃がす性質があるため、冬の寒さ対策をとる必要があります。コンクリートなどの下に断熱材を使用することで、冬の寒さを軽減してくれるだけでなく、夏にも暑さをより溜めにくくしてくれます。床暖房を敷設しておくことも有効です。

● 足が疲れる

コンクリートや石、タイルといった仕上げ材はとても固く、土間で過ごす時間が長い場合、足が疲れてきます。普段、板張りや絨毯での生活に慣れている人が多いため、クッション性のない床での生活は意外と足に負担となるようです。クッション性のある靴やサンダルを使用するなどの工夫も必要です。

● 滑りやすい

コンクリートやモルタルの仕上げは、インダストリアルでかっこいい雰囲気になります。しかし、意外と滑るのも事実です。滑って転んでしまった場合、表面がとても固いので、怪我をしてしまうこともあります。特にお子さんやご高齢の方がいらっしゃる場合、『洗い出し仕上げ』といった滑りにくい仕上げ方法を選ぶことや、防滑機能のあるタイルを採用することをおすすめします。

● 家の中に段差ができてしまう

土間は、生活する居室よりも一段下がっており、家の中に段差ができてしまいます。段差は、居室との境や、防水処理のためにあります。将来、バリアフリー対応できるように、手すりやスロープを付けられるようにしたり、段差の高さを工夫したり、先々のことも検討しておくことが大切です。

土間のある家の間取り4選

①土間玄関+収納

家づくりで、もっとも土間を取り入れやすいのは玄関です。玄関スペースをそのまま広くするイメージです。そして、土間玄関に必須なのは『収納』です。土間収納には、次のような物をしまうことができます。

● アウトドア用品・・・キャンプやバーベキュー用品、釣り道具など

● 子供・ベビー用品・・・ベビーカーや三輪車、ビニールプール、水鉄砲や砂場セットなど

● スポーツ用品・・・ゴルフバック、ボール、サーフボード、スキー、スノーボード、ラケットなど

● 乗り物・・・自転車、バイク、その用品など

● 工具・掃除用具・・・工具セット、高圧洗浄機、脚立など

● ガーデニング用品・・・シャベル、軍手、虫除け、殺虫剤など

たとえば、キャンプの道具には布製品もあり、外の倉庫にしまっておくとカビが生えてしまう心配があります。また、ベビーカーやスポーツ用品なども、屋外に置いておくと汚れや傷みが気になります。室内でありながら、外の物を持ち込める土間空間は、家族の色々な趣味の道具の置き場として大活躍するでしょう。

②土間セカンドリビング

土間をセカンドリビングとして活用する間取りもおすすめです。玄関の土間を広くとり、テーブルとチェアを置いてカフェスペースにすれば、お友達に気軽に立ち寄ってもらうことができます。また、薪ストーブを置くのも素敵ですね。薪ストーブは灰や薪で周辺が汚れるので、土間は最適です。また、薪を運ぶにも、外に近い空間にあると便利だと言えます。

③土間インナーテラス

外にあるバルコニーやテラスとつなげ、インナーテラスとして利用する間取りもあります。窓は、開放感のある大きなサイズを選ぶと、外とのつながりをより感じることができます。

窓を大きく開け、室内とつながった広いテラスで、お茶や食事をするのも良いですね。また、土間インナーテラスでは、ガーデニングをしたり、水槽でペットを飼ったりなどの楽しみ方もあります。雨天時や花粉が不安な時期は、部屋干しスペースとしても活躍します。

④土間ガレージ(作業場)

自転車やバイクのガレージ、作業場として利用する間取りもあります。『自分だけの基地』といったイメージです。玄関や車のガレージとつなげて、出入りしやすくするのがポイントです。その他にも、DIYを楽しんだり、絵を描いたり、鏡を貼ってダンスの練習をしたり、家族がそれぞれの趣味を尊重しながら、多目的に使うことができる空間です。

土間のある家で後悔しないための注意点

最後に、土間のある家をつくってから後悔しないための注意点を解説します。

・職人さんの腕でクオリティが変わる

コンクリートやモルタル仕上げを選ぶ場合、左官職人さんの腕によって、仕上がりや耐久性のクオリティが変わることがあります。もちろん素材によっても性質に違いがあります。たとえば、モルタルはコンクリートよりリーズナブルですが、割れたり、剝がれやすかったりという面があります。素材を活かし、良い仕上げ状態をなるべく長く保たせるために、土間仕上げに慣れているハウスメーカーや工務店を選ぶことが重要です。

・土間下には断熱材や床暖房を

土間空間は、夏涼しいというメリットがある反面、冬には冷えるというデメリットがあります。そのデメリット解消のためには、床下に断熱材や床暖房を敷設する方法があり、ぜひ一緒に検討して頂きたいと思います。もちろん地域によって冬の寒さには違いがあるので、住む地域にあった方法をご相談頂くと良いでしょう。

・使い方を具体的に決めておこう

土間玄関には収納が必須だとご紹介しました。しかし、イメージだけで作ってしまい、後で後悔したケースもあるようです。何をしまうか決めておらず、無駄なスペースになってしまったそうです。他の部屋を大きくすれば良かったと、後悔してしまいますね。土間をつくる際は、収納でも、インナーリビングでも、ガレージでも、使い方や、そこで使う物のサイズなど、できる限り具体的に決めておくようにしてください。

まとめ

今回は土間とはなにか、メリット・デメリットをご紹介し、おすすめ間取り4選と、つくってから後悔しないための注意点を解説しました。土間のある家を建てる際は、どんな使い方をしたいか具体的にイメージし、デメリットの解消法をしっかりとるようにしてください。おしゃれで多目的に使える、土間のある暮らしをぜひご検討ください。

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