【中庭のある家】おしゃれな使い方事例3選と失敗しないポイント

中庭のある家は、おしゃれで憧れますよね。人目を気にせず外空間を楽しめ、家全体が明るくて、リモートワーク時の癒しにもなるでしょう。今回は、中庭とは何か、メリット・デメリットをご紹介し、おしゃれな使い方事例3選や、中庭のある家を建てる際に失敗しないためのポイントも解説します。

中庭とは?メリット・デメリット

・中庭とは

建物や塀に囲まれた屋外空間のことです。採光性に優れていて、一戸建てだけでなく、マンションやビルでも採用されています。また、四方を囲まれていなくても、家のくぼみ部分や一角につくられた庭も、中庭と呼ばれています。

もともとスペインの住宅にある、パティオが発祥と言われています。スペインでは夏場に高温になり、家の風通しを良くして涼をとるため、パティオを設置するようになったそうです。

日本でも昔から坪庭という文化があります。坪庭は字の通り、1坪(2畳)程度の庭のことで、どちらかと言うと鑑賞や装飾を目的としています。坪庭文化による馴染みやすさや、日本でも高温多湿で暑い日が多いことから、中庭が注目されています。

・メリット

中庭のある家は、海外の住宅のようなおしゃれなイメージがあります。どんな特徴やメリットがあるのかみていきましょう。

● 採光性

家の中心部分や、暗くなりがちな北側の部屋にも採光がとれ、家中で日の光を感じられます。一般的な間取りでは、北側には寝室やワードローブ、水回りなど、明るさをあまり必要としない部屋を配置します。

しかし、中庭がある家では、北側の部屋にも南側に窓を設けられるので、明るさを気にせず、部屋の配置をすることが可能です。

●通気性

風の通り道が確保できることもメリットです。中庭側にも窓を設けることで、家全体の窓の数が増え、風を取り込みやすくなります。

● プライベート空間

お子さんやペットが遊ぶ場所としても最適です。中庭はどの部屋からもアクセスしやすく、目も届き、敷地外に出てしまう心配がありません。夏場にはプール遊びができ、ハンモックを吊ってお昼寝することも。

外からは見られないので、お風呂上りにラフな格好のまま涼をとるにも気兼ねしません。セキュリティ性もあり、安心できる家族だけのプライベート空間となります。

● 趣味の場所に利用できる

外部の目線を気にせず過ごせるため、家族それぞれが趣味の場所として利用できます。たとえば、バーベキューやガーデニング、ゴルフや野球のスイング練習など、屋外でしかできないことも、気軽に生活に取り込めます。

● 二世帯住宅にもぴったり

二世帯住宅に中庭をつくると、程よい距離感を保ちながら、緩やかにつながる間取りが可能になります。たとえば、コの字型の家では、両サイドに入口を設け、居住空間を2つに分けられます。中庭を共有することで、つながりも区切りもでき、お互いの快適な暮らしが叶います。

・デメリット

次に、デメリットについてもみておきましょう。良い面だけでなく、悪い面も知っておくことで、設計時にデメリットの解消方法を取れることもあります。

● エネルギー効率が悪くなる

中庭側にも窓を設けることで、採光性や通気性は良くなります。その反面、開口部が増えることで寒暖差の影響を受けやすく、家の断熱性が弱くなるというデメリットがあります。全館空調を採用したり、断熱性の高い材料やサッシを使ったりなどの工夫が必要になります。

● 壁が多くなりコストアップ

中庭をつくると、壁やコーナーの部材、窓の数、施工面積などが増えるためにコストアップしてしまいます。建築費は、家の形状がL字、コの字、ロの字の順で高くなる傾向にあります。

● 居住スペースが狭くなる場合がある

中庭をつくると、外観の見た目より、居住スペースは狭くなります。居住スペースが圧迫されたり、動線が不便になったりしないよう注意してください。 一方で、中庭は建ぺい率にカウントされないため、狭小地や変形地でも採用されることがあります。設計次第では、採光を確保し、開放感のある生活を楽しめるので、間取りが重要になります。

中庭のおしゃれな使い方事例3選

続いて、家の間取りの種類と、おしゃれな使い方の事例3選をご紹介します。

・家の間取りの種類

中庭を取り入れる際、間取りは主に3種類あります。家の形を上から見ると、ロの字、コの字、L字になり、ロの字では中心部分に、コの字、L字ではくぼみ部分に中庭を設置します。暗くなりがちな家の中央部分や、北側でも光を取り入れることができます。

・おしゃれな使い方事例3選

①アウトドアリビング

中庭にウッドデッキを敷き、アウトドアリビングとして使うことができます。リビングやキッチンからアクセスしやすい配置にすれば、友人を誘ってバーベキューをしたり、外で食事をしたりする際にも便利です。リビングが狭くても、ウッドデッキがフラットにつながることで、広がりが生まれます。

また、外部からの視線がないため、夜でもカーテンを閉めずに過ごせます。中庭の塀をスクリーンにすれば、夜風の気持ち良い季節には、アウトドアシアターを楽しむことも可能です。

②プライベートガーデン

中庭をプライベートガーデンとして使うのもおすすめです。スペインの住宅にあるパティオに近いイメージで、芝生やタイル敷きにすると良いでしょう。テーブルやチェアを置いてガーデンカフェのように楽しむことや、花壇や家庭菜園をつくることもできます。

毎朝の水やりも、ルームウェアのまま出ても誰にも気兼ねがありません。ハーブを育て、料理で使いたい時にちょっと摘んでくるのも良いですね。中庭にシンボルツリーを植え、家族と一緒に年を重ねていくのも素敵です。

③中庭+吹き抜け

リビングに面して中庭をつくることで、家族が集う場所に、明るさや開放感が確保されます。吹き抜けと高窓をつくれば、さらに多くの光や風を家に取り込めるでしょう。リビングが広くなくても、中庭への広がりや吹き抜けの開放感で、ゆったりとした広々空間が実現します。

中庭のある家で失敗しないためのポイント

最後に、中庭のある家を建てる際、失敗しないためのポイントを解説します。

・家事動線はなるべく短く

家の形状をロの字やコの字にすると、動線が長くなることがあります。反対側の部屋に行く際、お天気が良ければ中庭を通れますが、雨の日はぐるっと回らなければなりません。料理や洗濯などの家事動線は、できるだけ短くなるように、一か所に集めることがおすすめです。

・窓の大きさ(断熱性)に配慮

中庭に面する窓を大きくしすぎると、家の断熱性が下がってしまうため、サイズや数には気をつけて配置してください。夏場の日差しや冬場の寒さを考慮し、Low-Eガラスを採用したり、ロールスクリーンやカーテンをつけたりしておくことが大切です。

・メンテナンスはラクに

中庭は生活に潤いを与えてくれます。しかし、手入れができずに雑草がボーボーと生えてしまっていたり、ウッドデッキにカビが生えて滑ったりすると、楽しむことができません。芝生や草花を植えてプライベートガーデンとして楽しむには、お手入れも必要になります。

お手入れをする自信がない場合、タイル敷きをおすすめします。たとえば、シンボルツリーを1本だけ植えたり、プランターでいくつか植物を育てたりすることで、グリーンを取り入れることもでき、メンテナンスはラクになります。

・排水計画をしっかりと

中庭は、できる限り水はけを良くすることが重要です。水はけが悪いと、大雨で水が溜まり、プールのようになってしまう可能性があります。その場合、専門の業者に依頼して水抜きをしてもらうなど手間や費用がかかります。

また、ジメジメしたままだとコケが生えたり、木製の家具が腐ったり、虫が発生するなど、中庭を楽しめなくなってしまいます。排水はしっかり計画するようにしましょう。

まとめ

中庭のある家は、外を閉じて内に開き、明るくセキュリティ性に優れ、プライベート感も味わうことができます。家の間取りは主に3種類で、費用は正方形や長方形の家より高くなります。メリット・デメリットを理解した上で、動線に無理のない、おしゃれで豊かな暮らしを叶えてください。

バカンスの家は、規格住宅すべてのシリーズにメンテナンス性の良い外空間(アウトドアリビング)が標準でついています。リビングからつながる外空間は解放感があり、部屋が広く見えるとともに、ずっと使い続けていただけるように様々なアイテムをセットしています。

ぜひ、家の中にいながら外空間が楽しめるバカンスを一度ご覧ください。