おしゃれな平屋に住みたい!間取り事例とコストも解説
今、おしゃれな平屋に住みたい人が増えています。平屋でゆったり暮らすには、大きめの敷地が必要になります。都市部では難しくても、少し郊外なら見つけることができます。コロナ禍でリモートワークを強化した企業も多く、都市部に住む必要性が薄れてきたことも平屋人気の背景にあるのではないでしょうか。今回は、平屋とはどんな家で、メリット・デメリットは何かご紹介し、間取り事例とコストについても解説します。
平屋とは?魅力やメリット・デメリット
・平屋とは
平屋とは、1階建ての家のことです。1層の床、壁、天井、屋根で構成され、垂直方向の移動設備は不要です。平屋というと、サザエさんの家のような、昔ながらの家屋をイメージする人も多いと思います。しかし、最近はリゾートのヴィラのような、おしゃれな家が人気です。
・平屋の魅力やメリット
なぜ今、平屋が注目されているのか。魅力やメリットについてご紹介したいと思います。
● 家族や自然を近くに感じられる
平屋では、家族で顔を合わせる機会が多く、コミュニケーションがとりやすいというメリットがあります。また、屋外に出やすく、四季折々の自然をすぐ近くに感じられます。テラスやアウトドアリビングを設けてお茶や食事を楽しんだり、庭やウッドデッキでお子さんやペットが遊んだりと、屋外とのつながりを楽しみながら暮らすことができます。
● 家事動線に無駄がない
平屋の家は、ワンフロアで生活が完結し、家事動線に無駄がありません。たとえば、洗濯機が1階で2階のベランダに干す場合、濡れて重い洗濯物を持って階段を上らなければなりません。また、子供部屋やクローゼットが2階にある場合、忙しい朝に何度も起こしに行ったり、着替えを取りに行ったりと時間のロスが生まれます。ワンフロアの平屋なら、マンション生活のような効率の良い暮らしが叶います。
● バリアフリーで安全
階段が不要な平屋は、バリアフリー設計にすれば老後も安心です。幅広い年代の人が安全に暮らせることが大きなメリットで、階段や段差による転倒や怪我のリスクを減らすことができます。地震や火災などの緊急時は、掃き出し窓からも外へ出られ、車いすで生活する人にとっても安心感があります。
● 地震や台風に強い
地震や台風による被害が多い日本では、家づくりにおいても自然災害への備えは欠かせません。平屋は2階、3階建ての家に比べ、高さが低く、風が当たる壁面も小さいことから、地震や強風による揺れを受けにくくなります。また、平屋は正方形や長方形といったシンプルな形状が多く、構造の観点からも耐震構造が作りやすいと言われています。
● メンテナンスがしやすい
どんな家でもメンテナンスが必要になります。たとえば、一戸建てでは、屋根や壁面の防水、塗装工事は築後10年程度で検討すべきとされています。メンテナンスをする際、2階、3階建てでは足場を組む必要があり、それだけでも数十万円の費用がかかります。平屋では足場費用が抑えられ、各所のメンテナンスがしやすい点もメリットです。
・平屋のデメリット
家事がラクになったり、地震や台風に強かったりとメリットも多いですが、一方でデメリットもあります。どのような点がデメリットで、解決方法はあるのかみていきましょう。
● 広い敷地が必要
平屋で、2階、3階建ての家と同じような広さ(延床面積)を確保しようとすると、広い敷地が必要になります。土地の広さに対し、どれくらいの割合で家を建てられるのか定めているのが建ぺい率です。
建ぺい率が60%なら、残り40%は庭や駐車スペースなどになります。建ぺい率が低い土地の場合、必要な広さを確保するためには、さらに大きな土地を見つけなければなりません。
● 採光や通風が不足しやすい
周辺の環境によっては、採光や通風が不足しやすいというデメリットがあります。住宅地では、隣地の日当たりを確保するために、高さ制限や隣地斜線制限などが建築基準法で定められている場合があります。
この定めによって主に2階の日当たりは確保されますが、1階建ての平屋は、採光が不足してしまうことがあります。特に家の中心部や、北側の部屋は暗くなりやすので工夫が必要です。
また、防犯面から窓が少なくなりがちで、天窓を設けるなど、設計時に通風を意識することが大切です。
● プライバシー確保が難しい
平屋は道路や周辺からの目線が届きやすく、プライバシー確保が難しい面があります。間取りを決める際は、敷地周辺の人や車の往来を確認しておくことが重要です。
また、プライバシー確保ばかりを優先し、高い塀などで囲ってしまうと開放感を楽しめなくなります。植栽でゆるやかに視線を遮ったり、中庭をつくって内側に向けて開放感を出したりという工夫が必要になります。
おしゃれな平屋の間取り事例3選
次に、おしゃれな間取り事例をご紹介します。平屋にはたくさんの魅力やメリットがありましたね。メリットを活かしながら、デメリットを解消できるような間取事例3選を解説します。
① ステップフロアで床面積と収納を増やす
ステップフロアとは、中2階や小上がりのことです。ステップフロアは床の高さで空間を仕切り、ワークスペースや勉強スペース、キッズスペースなどに活用できます。また、中2階や小上がりの下は収納として活用でき、平屋では少なくなりがちな収納を増やすことができます。
② 勾配天井やロフトで空間に広がりをつくる
平屋は2階がないため、天井に勾配をつけやすく、立体的な空間演出が可能です。天井を高くしてロフトや小屋裏収納(グルニエ)を設け、収納や遊び場などに活用することもおすすめです。
また、天窓やシーリングファンをつければ、リゾートのヴィラのようなおしゃれな空間に。天窓からは採光ができ、シーリングファンは空気を循環させる役割を果たします。天井が高いと、冷たい空気が下に溜まって冬場は寒くなりやすいため、床下暖房や全館空調を取り入れると良いでしょう。
③ 中庭をつくってプライベートも採光も確保
中庭とは、建物に囲われた屋根のない外空間や庭のことで、外部からの視線を気にせずくつろげる、プライベートな空間です。平屋では中央部分が暗くなりやすいので、中庭をつくることで採光や通風の確保にも役立ちます。 中庭をつくる際の家の形状は、ロの字、コの字、L字型などがあります。中庭では、お子さんがプール遊びをしたり、シンボルツリーを植えたりなど、楽しみ方の幅が広がります。ウッドデッキにすれば、アウトドアリビングとしてBBQも楽しめます。
平屋のコストについて
最後に、平屋の家を建てる際のコストについて解説します。同じ延床面積の場合、平屋と2階建ての家では、どちらが高くなるのでしょうか。費用相場やコストを抑える3つの工夫についてもご紹介します。
・費用相場
2LDKや3LDKの平屋を建てる場合、一般的な費用相場は1,500万円〜3,000万円程度で、2階建ての家も同程度です。平屋は、基礎部分や屋根の面積が大きくなる分費用がかかり、階段周りの部材が不要な分は安くなります。
2階建ては、階段やホール、2階用のトイレなどの設備を追加するとその分が高くなります。一方で、2階建ては建築軒数が多く、部材の流通が多いため単価が安い傾向があります。
このように、どちらが高いか一概には言えません。しかし、坪単価で言えば、平屋の方が若干高くなり、総工事費用は2階建ての方が高くなるといったケースが多いようです。
・平屋のコストを抑える3つの工夫
● 構造や形状はシンプルに
家の構造をシンプルにすれば、コストは抑えやすくなります。形状も正方形や長方形にし、できる限りデコボコを減らすと余計な部材を使わずに済みます。建具や窓の開口部も、標準的なサイズや仕様を選ぶと良いでしょう。
● 設備や素材はスタンダードモデルを選ぶ
キッチンやお風呂、トイレや洗面台などの設備、また外装や内装の素材は、スタンダードなモデルを選ぶとコストが抑えられます。スタンダードなものは、デザイン性や機能性のバランスが良いものが多く、メンテナンスや部品の交換もしやすいというメリットがあります。
おしゃれで凝ったデザインや海外メーカーのものなど、どうしてもこだわりたい部分がある場合は、範囲を絞って取り入れるようにしましょう。
● 規格住宅のプランを利用する
注文住宅で、ゼロからフルオーダーにすると、どうしても費用は高くなります。規格住宅なら、良質な設備や素材を割安に取り入れることができ、コストパフォーマンスに優れた家を建てられます。 規格住宅は、外装や内装の色が選べたり、間取りを変更できたりと、オリジナリティを出せる魅力があります。規格住宅で平屋のプランをもつハウスメーカーを選べば、施工にも慣れており、安心でお得感のある家を建てることができます。
まとめ
平屋では、幅広い年代の人が安全で、家事もラクな暮らしが叶います。一口に平屋と言っても、西海岸風やリゾートのヴィラ風、和風など、様々なイメージに建てることができ、屋根の高さや形状にもバリエーションがあります。魅力やメリット・デメリット、またコストについて参考にして頂き、おしゃれで遊びゴコロのある平屋づくりをしてはいかがでしょうか。
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