一戸建てにおすすめの防犯対策4選とセキュリティを高めるコツ

一戸建てへの引越しやマイホーム購入を期に、防犯対策を見直したいと考える人は多いと思います。セキュリティが考慮されたマンションとは違い、一戸建ては自分達で対策をしなければなりません。そこで今回は、一戸建てにおすすめの防犯対策とセキュリティを高めるコツを解説します。

一戸建ては狙われやすい?防犯対策すべき理由とは

そもそも、一戸建てはマンションと比べて狙われやすいのでしょうか。防犯対策すべき理由も解説します。

・一戸建ては狙われやすいのか?

警視庁の『すまいる防犯110番』というwebサイトによると、住宅などへの侵入窃盗は年々減少傾向にあるようです。しかし、令和4年の全国での発生件数は1万5692件もあり、まだ多くの住宅が被害に合っています。ターゲットになった住宅は、一戸建てが33%ともっとも多く、次がマンションの3階以下で7.8%、マンションの4階以上が4.3%と続きます。また、住宅への侵入窃盗の手口は、留守を狙う『空き巣』だけでなく、夜間の就寝中などの『忍び込み』、家族が食事や団らんしているすきを狙った『居空き』などがあります。

引用元: 住まいる防犯110番 (npa.go.jp)

・一戸建てが防犯対策すべき理由とは

一戸建ての家で対策すべき理由には、次のようなことがあります。

●出入りできるドアや窓が複数ある

一戸建てに家には、出入りできるドアや窓が複数あるため、施錠が必要な箇所が多くなります。出入り口は、玄関ドアだけでなく勝手口を設けたり、庭やウッドデッキに出るための大きな窓などを設けたりします。家の出入りがしやすいと、動線が短くなって便利だと言えます。また、窓も換気や採光のために、複数設けるのが一般的です。明るく風通しが良いと、快適な空間になります。しかし一方で、ドアや窓の施錠を忘れてしまうと、泥棒や強盗に侵入されるリスクが高まります。一戸建てにはドアや窓が複数あるため、防犯対策が欠かせません。

●周囲から見えにくい

一戸建ての家は、室内が丸見えにならないように配慮していることが多く、泥棒などの侵入が周囲から見えにくくなります。とくに、庭の植木がうっそうとしていたり、近隣の家と距離があったりすると、人目につきづらく、空き巣やピッキングの好条件が揃ってしまいます。一戸建ての家は、マンションほど掃除機や洗濯の騒音を気にしたり、お子さんの遊ぶ声に神経質になったりせずに済むため、子育て世帯やペットのいる家庭にもぴったりです。しかし、プライベートな空間でゆったり暮らせる一方で、周囲から見えないことや、隣家と離れていることが防犯上はデメリットにもなります。

●備え付けのセキュリティシステムがない

一戸建ては、備え付けのセキュリティシステムがないため、自分で防犯対策をする必要があります。一方マンションは、オートロックや防犯カメラなど、外からでも分かりやすいセキュリティシステムを備える物件が多くあります。また、ドアや窓の数が少なく、侵入経路も限られています。一戸建ての場合でも、わざわざ防犯意識の高い家を狙う泥棒はいないため、防犯カメラやセキュリティシールなど、外から目立つ対策をすることで、抑止効果が期待できます。

一戸建てにおすすめの防犯対策4選

防犯の四原則は『音、光、時間、人の目』だと言われています。次は、四原則に基づいて、一戸建てにおすすめの防犯対策4選を解説します。

・【音】防犯砂利を敷く

家の外構には、防犯砂利を敷くと良いでしょう。防犯砂利は、踏むだけでキュッキュッと大きな音が出る特殊な砂利です。一般的な砂利と比べ、粒が大きくて軽量な素材を使っています。砂利は防犯に役立つだけでなく、外構に敷くことで、泥はねや水たまり防止の役割も果たします。また、窓用の防犯アラームを取り付けることでも対策になります。

・【光】センサーライトや防犯カメラを取り付ける

庭や玄関ポーチには、センサーライトや防犯カメラを付けるのがおすすめです。センサーライトは、センサーに反応して照明が点灯し、不審者が侵入するのを防ぎます。センサーは、照度センサーと人感センサーの2種類あります。照度センサーは、周囲が暗くなってくると自動で点灯します。一方人感センサーは、人や動く物体に反応して点灯します。探知範囲に人の気配を感知すると光るため、侵入防止に役立ちます。電源を取る方法は、コンセント、ソーラー、電池の3タイプです。ソーラーや電池タイプなら、初期費用を安く抑えられます。また、センサーライトと防犯カメラが一体になった、録画機能付きのライトもあります。

・【時間】ディンプルキーや二重鍵を採用

玄関のカギをディンプルキーにしたり、ドアや窓を二重鍵にしたりすることも防犯対策になります。ディンプルキーとは、ピッキングに強く、複製が簡単にはできない防犯性に優れたカギのことです。表面に、丸いくぼみがいくつもあるのが特徴です。このくぼみによって、ピッキングしようとしても、簡単には開錠できないようになっています。カギ穴のない電子錠の人気も高まっています。また、ドアや窓に二重で鍵を付けることでも、開錠に時間を要するため、侵入の抑止効果が期待できます。主錠に加えて補助錠を取り付ける方法は、ワンドアツーロックとも呼ばれています。さらに、防犯ガラス(合わせガラス)を採用したり、ガラスに防犯フィルムを貼ったりすることでも、割られにくくなって防犯性が高まります。

・【人の目】門扉やフェンスを設置

敷地内への侵入防止には、門扉やフェンスの設置が有効です。泥棒や空き巣にとって不都合なのは、侵入を見られたり、侵入・脱出に手間取ったりすることではないでしょうか。見通しが良く、侵入・脱出がしにくい門扉やフェンスを設置すれば、それだけで抑止効果が期待できます。例えば、電気錠やカメラ付インターホン機能が付いた門扉は、防犯効果が高いと言えます。門扉の外から玄関が見えることも大切です。また、敷地を囲うフェンスは、格子やスリット状など、完全に覆い隠さないものを選ぶようにして下さい。表側だけでなく、勝手口や人目につきにくい場所にも設置しましょう。

一戸建てのセキュリティを高めるコツ

最後に、一戸建てのセキュリティを高めるコツを解説します。

・窓の近くに足場になる物を置かない

一戸建ての場合、窓からの侵入が半数以上を占めているそうです。2階や高い位置にある窓も、足場になる物を近くに置いてしまうと、侵入されやすくなります。例えば、物置や室外機、屋外給湯器などは、よじ登る足場になりやすいため、設置場所に気を付けましょう。また、車庫の屋根や庭木を足場にして、2階から侵入されてしまう場合もあります。車庫付近にセンサーライトを付けたり、庭木は定期的に剪定したりして、暗く、ひと目に付かない場所を作らないようにしましょう。

・車や植栽などで死角を作らない

家の見通しが良いと、侵入者は外から見られるリスクを感じて嫌がるでしょう。家の防犯対策には、死角を作らないことが大切です。しかし、庭やベランダに段ボールなどが置いてあったり、車や植栽で窓を隠してしまっていたり、思わぬところが死角になっている場合があります。家の周りはすっきりときれいに保ち、侵入者の隠れ場所を作らないように心がけて下さい。植栽や花壇も、木や葉が伸び放題にならないよう、手入れを忘れないようにしましょう。

・日ごろからご近所付き合いをしておく

防犯の四原則にもあるように、『人の目』、『地域の目』があることは、侵入犯罪の大きな抑止力になります。泥棒や空き巣は、近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られたりすると、犯行を諦めることが多いようです。とくに、共働きや外出が多いご家庭は、留守の時間が長くなりがちです。日ごろからご近所付き合いをしておくことで、不審者や侵入者に気付いてもらいやすくなるでしょう。

まとめ

今回は、一戸建てにおすすめの防犯対策とセキュリティを高めるコツを解説しました。一戸建ては、マンションと比べて侵入犯罪の被害に合いやすい上に、自分達で対策をする必要があります。防犯四原則は『音、光、時間、人の目』だと言われていて、防犯対策には、防犯砂利やセンサーライト、門扉やフェンスなどの採用がおすすめです。また、一戸建てのセキュリティを高めるには、窓の近くに足場になる物を置かないことや、死角を作らないこと、日ごろからご近所付き合いをしておくことなどが大切です。