ロフトのある家のメリット・デメリットと作る際の注意点3つ
ロフトのある家はおしゃれで開放感があります。秘密基地のようなワクワク感もあって魅力的ですよね。しかし、作り方や使い方によっては、使われなくなってしまう場合もあるようです。今回は、ロフトがどんなスペースで、メリット・デメリットにはどんなことがあるのかご紹介し、作る際の3つの注意点についても解説します。
ロフトってどんなスペース?
ロフトとはどんなスペースなのでしょうか。建築基準法上の扱いや制限なども詳しく解説します。
・ロフトとは
屋根裏や天井裏などを利用したスペースのことです。部屋の天井を高くし、一部分を二層にして収納などに使います。しっかり仕切る壁や扉がなく、下のフロアとひと続きの空間になっているのが特徴です。上がる際は、はしごや階段を利用します。
・建築基準法上の扱い
ロフトは、建築基準法において居室として認められていません。居室とは、継続的に使用する居住スペースのことです。居室に必要とされる採光や換気の基準を満たさないため、『小屋裏物置等』とされています。
・小屋裏物置との違いは?
建築基準法上で『小屋裏物置等』と扱われるものの、ロフトは小屋裏物置とは異なります。2つの違いは、扉があるかないかという点です。一般的に、小屋裏物置には扉があって区切られている一方で、ロフトには扉がなく開放感があります。
・条件を満たせば延床面積に含まなくてよい
ロフトは、居住スペースではないため、延床面積に含まなくてよいとされています。延床面積とは、家の各階の面積を合計したものです。家を建てる際は、土地ごとに家の建ぺい率や容積率の最大値が決められています。延床面積は容積率に関係し、算入しなくてもよい空間があると、その分広い家が建てられます。
・建築基準法上の制限
ロフトには、建築基準法上の制限があります。下記の条件を満たすことで、居室ではなく物置等として扱われ、延床面積に含まなくてよいことになります。しかし、自治体によって制限が異なる場合もあるため、注意が必要です。
●天井の高さが1.4m以下
●面積が、ロフトを設ける階の床面積の1/2以下
●窓などの開口部は床面積の1/20未満
●ロフト直下の天井高は2.1m以上
など
ロフトのある家のメリット・デメリット
次に、家にロフトを設置するメリット・デメリットを両方見ていきましょう。
・メリット
●広く使える
条件を満たせば延床面積に含まないため、空間を広く使えるようになります。縦のスペースを活かすことができ、間取りの自由度がアップします。また、建物にかかる固定資産税は、延床面積に応じて税額が決まります。ロフトを作っても税額が増えないこともメリットと言えるでしょう。
●デッドスペースを有効活用できる
屋根裏や天井裏などの余剰空間を利用するため、デッドスペースを有効活用できます。とくに都市部など、敷地面積を広くとれない場合でも、縦の空間を上手に使うことで、居住スペースに余裕が生まれます。
●間取りに開放感が生まれる
ロフトを設けると、間取りに開放感が生まれます。直下には2.1m以上の高さが必要になる上、ロフト自体の高さも加わることから、天井の高さは一般的な部屋より高くなります。天井が高く、二層になっている空間は、広々として開放感があります。
●ワクワク感がある
秘密基地のようなワクワク感もあります。お子さんは、天井が低くても立って遊べるため、プレイルームのような使い方もできます。急な来客があっても、ロフトは高い位置にあるので、おもちゃが片付いていなくても目立ちません。また、大人にとっても非日常や特別感を感じる、隠れ家のような空間になります。趣味のコーナーやひとり時間を楽しむ場所にしても良いでしょう。
・デメリット
●上り下りが大変
ロフトは、はしご等で上り下りします。両手を使うため、荷物を持って上がるときや、体調の悪いときなどは、とくに上り下りが大変だと感じてしまうかもしれません。また、可動式のはしごは、不要なときは付近の壁にかけておくことも多く、設置したり外したりの手間もかかります。
●夏は暑くなりやすい
夏は暑くなりやすいというデメリットもあります。空気は、暖まると密度が小さくなって上昇し、冷えると密度が大きくなって下に溜まるという性質を持つためです。また、窓などの開口部の大きさが制限されているため、空気の循環方法を考慮しておかないと、湿気が溜まってカビの原因にもなってしまいます。
●掃除がしにくい
掃除がしにくいと感じる人も多いようです。掃除機を持って上がったり、中腰の姿勢で作業したりするのは大変です。また、薄暗いと余計に掃除がしにくくなってしまうため、天窓や照明を設けて明るさを確保することが必要です。
●冷暖房効率が悪くなりやすい
冬に部屋がなかなか暖まらないなど、冷暖房効率が悪くなりやすいこともデメリットでしょう。空間が広くなるため、空気を循環させたり、エアコンの設置位置に気を付けたりすることが大切です。
家にロフトを作る際の注意点3つ
最後に、家にロフトを作る際の注意点を3つ解説します。
・自治体による制限にも注意
ロフトを作る際は、建築基準法上の制限だけでなく、家を建てる地域の自治体による制限にも注意が必要です。自治体による制限には、例えば『はしごは可動式でなければならない』、『階段も設置可能だが、ロフトの床面積に算入する』、『電話やテレビ、インターネット等のジャックは設けない』、などがあります。イメージしている使い方ができないと、せっかく作っても無駄なスペースになってしまう場合があります。また、制限を守らないと、2階建てを建てるつもりが3階建てとして扱われ、規制や費用が増えてしまいます。事前に、自治体による制限をしっかり確認しておきましょう。
・空気を循環させる
ロフトは暑くなりやすかったり、部屋全体が暖まりにくかったりするため、空気を循環させることが大切です。冷暖房効率アップのためには、シーリングファンやサーキュレーターの導入がおすすめです。シーリングファンは天井に取り付ける大きなファンで、プロペラのような形状をしています。照明と一体になったタイプもあり、空気をゆっくり循環してくれます。ロフトにサーキュレーターを置くことでも、空気の循環が作れます。また、家自体の断熱性や気密性を上げておくことも重要です。エアコンの取付け位置についても、ロフトより低くならないように気を付けましょう。
・上り下りしやすいことが重要
ロフトを将来に渡って活用するためには、上り下りしやすいことが重要です。とくに垂直のはしごの場合、物を持っているときや体調の悪いとき、お子さんが上り下りするときなどに、踏み外してしまう危険があります。階段を設置した方が、長く活用できるケースが多いようです。まずは、家を建てる地域の自治体が、固定階段の設置を許可しているか確認しましょう。また、階段を設置する場合は、階段下のスペースが無駄にならないように、使い方を決めておくようにして下さい。
まとめ
今回は、ロフトがどんなスペースで、メリット・デメリットにはどんなことかご紹介し、作る際の注意点についても解説しました。ロフトは、屋根裏や天井裏などを利用したスペースです。物置や収納として使うことを前提としているため、天井の高さや広さなどに制限があります。ロフトを作るメリットは、延床面積に含まずにスペースを広く使えることや、開放感のある間取りになることなどです。一方デメリットは、上り下りが大変なことや、暑くなりやすく、冷暖房効率が下がりやすいことなどです。ロフトを作る際は、建築基準法や自治体による制限に注意し、空気の循環や上り下りのしやすさを考慮しておくことが大切です。