3階建て住宅で後悔しない!メリット・デメリットと間取り4選

3階建て住宅なら、敷地が狭くても、駐車場付きの一戸建てや、3LDKの夢を叶えられます。縦の空間を有効活用して、居住スペースを広く取れるなど、たくさんのメリットがあります。しかし、デメリットもあるため、住んでから後悔しないために、対策しておくことが大切です。今回は、魅力やメリットと合わせ、デメリットと対策についても解説します。おすすめの間取り4選もご紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。

3階建て住宅の魅力やメリット

まず、どんな魅力やメリットがあるのかを詳しく解説します。

・小さな土地でも2LDKや3LDKが実現できる

3階建て住宅なら、土地が狭くても、2LDKや3LDKが実現できます。空間を縦に有効利用し、間取りの工夫次第でスペースを広くとれることが大きな魅力です。とくに、人気エリアや、交通の利便性の高い駅近などに一戸建てを建てたい、狭い土地でも3LDKの間取りが欲しい、という人に向いています。ただし、どこにでも建てられるわけではありません。地域によっては、都市計画法で建物の高さに規制があり、2階までしか建てられない場所もあるため、事前によく確認しましょう。

・眺望が良く、景色を楽しめる

建物の高さがある分、立地によっては3階や屋上からの眺望が良く、景色を楽しめます。地域によっては、花火が見える場合もあるでしょう。また、2階リビングの間取りにすると、道路など外からの人目を気にせず、寛げるというメリットもあります。屋上やテラスでは、お天気の良い日に外で食事をしたり、夏にはプールを出してお子さんが水遊びをしたり、開放感のあるプライベート空間で、安心して楽しむことができます。

・駐車スペースを確保できる

1階をビルトインガレージにすれば、土地が狭くても、駐車スペースを確保できます。車を風雨から守れるだけでなく、ビルトインガレージ内に出入口を設ければ、雨や雪の日でも濡れずに乗り降りできるというメリットもあります。またビルトインガレージは、建築物の床面積の1/5を上限に、容積率の緩和を受けられます。延床面積に余裕が生まれ、居住スペースを拡充できます。

・土地にかかる費用が抑えられる

土地が小さい場合、同じ地域の広い土地と比較すると、取得費用や固定資産税などが抑えられます。税金のなかで敷地面積に基づいて算出されるものに、固定資産税と都市計画税があります。面積を掛け算するので、広い土地を購入した方が、どうしても土地にかかる税金は高くなります。3階建ては、縦の空間を有効利用するため、同じ延べ床面積の2階建てより、小さい土地に建てられます。

・間取りの自由度が高い

間取りの自由度が高いというメリットもあります。例えば、1階の天井高を低くし、その分2階の天井を高くして、リビングに開放感を演出することができます。天井は、一部分だけを低くすることも可能で、2階の床にあえて段差を設け、ダイニングとリビングを緩やかにゾーニングする間取りもおしゃれです。また、スキップフロアを設けたり、吹き抜けを作ったり、縦の空間を活用できる面白さがあります。

・水害に強い

水害に強いことでも注目されています。台風や大雨などで万が一住宅が浸水してしまっても、主要な生活スペースが上階にあることで、暮らしを継続できます。昨今、日本では水害による被害が増加しています。水害は、川や海が近い場所だけでなく、水はけが悪かったり、周りの土地より低くなっていたり、下水処理が追いつかなかったりする場合にも起こります。水害は、身近なリスクと言えるでしょう。しかし、3階建てならどんな建物でも安心、というわけではありません。水害に強いと言えるのは、地盤や住宅の躯体が強固で、しっかりした構造と性能を兼ね備えていることが大前提になります。

3階建て住宅のデメリットと対策とは?

3階建て住宅は、狭い土地でも広いスペースが確保できることや、水害に強いことなど、メリットが多くありました。次は、デメリットを解説します。事前にできる対策や工夫についても見ていきましょう。

・階段の上り下りが多い

階段の上り下りが多いという大変さがあります。生活をイメージして動線を考えておかないと、重い洗濯物を持って上り下りしたり、出かける間際に3階まで上着を取りに行ったり、お風呂あがりに他のフロアまで服を取りに行ったりなど、無駄な移動も増えてしまいます。また、二世帯住宅を検討している場合や、自分達の老後を考えた際にも、上り下りを不安に感じるかもしれません。二世帯住宅では、若い世帯が上を、親世帯が1階を使うなど、間取りの工夫が必要です。自分達の老後の対策としては、1階に主寝室を配置し、3階は子供部屋や書斎、収納スペースなどにすることで、足腰が弱くなってきても安心です。ホームエレベーターを導入すれば、老後の不安をさらに軽減できます。買って来た食材や飲料を運ぶ際にも便利なので、設計時に検討してみても良いでしょう。

・最上階が暑くなりやすい

最上階が暑くなりやすいこともデメリットです。3つのフロアを縦に繋げているため、フロアによる温度差が生まれやすくなります。温かい空気は上に行き、冷たい空気は下に溜まる性質があります。また、最上階はたくさん光を取り込み、屋根の熱が伝わりやすいことでも暑くなりがちです。冷暖房効率も悪くなりやすいため、家づくりでの対策が欠かせません。3階建てを建てる際には、高断熱・高気密住宅にすることで、外気に影響されにくくなり、どのフロアでも快適に過ごせるようになります。フロアによる温度差も軽減でき、冷暖房効率をアップできます。

・1階が暗くなりがち

とくに狭小地では、近隣との距離が近くなり、どうしても1階が暗くなりがちです。採光や換気のための窓が十分に確保できないと、居室と認められず、納戸やサービスルームとしての扱いになります。また、湿気が溜まりやすいこともデメリットでしょう。全てのフロアに光を取り込み、風通しの良い家にするためには、吹き抜けや天窓を取り入れるのがおすすめです。空間が縦に繋がることで開放感も生まれ、実際よりお部屋が広々と見えます。

・建築費用が高くなる

建築費用が高くなることもデメリットでしょう。高くなる理由は主に2つあります。1つは、壁や床、柱、階段周り、配管など、材料や施工費が3フロア分かかるためです。2つめは、3階建て以上の住宅では、構造計算が必要になり、耐震面を考慮した、頑丈な構造を求められるためです。一般的な木造2階建てでは、合理性のために審査が免除されています。3階建て住宅の建築費用が高いことはデメリットである一方、しっかりと構造計算された住宅に住める安心感があります。

3階建て住宅におすすめの間取り4選

最後に、3階建て住宅に取り入れたい、おすすめの間取り4選を解説します。

・2階リビングと繋がるバルコニー

3階建て住宅では、2階リビングの間取りを採用する人が多いと思います。住宅密集地でも、リビングを2階に配置すれば、日光を取り込みやすく、明るく開放感のある空間でくつろげます。また、2階リビングはバルコニーとの相性が良く、天気の良い日には外で食事をしたり、友人とホームパーティーをしたり、楽しみ方が広がります。狭小地で庭を確保できない場合でも、バルコニーでガーデニングをしたり、夏にはビニールプールを出してお子さんが水遊びをしたりできます。家事をしながらでも見守りがしやすく、周囲や通行人からプライバシーが守れることもメリットです。

・ビルトインガレージ

ビルトインガレージも人気があります。ビルトインガレージは、住宅の1階部分に駐車場を組み込んだ間取りです。一戸建て住宅の魅力の1つに、自宅に駐車場が作れることがあります。しかし、駅近や都市部では、広い土地が確保しづらかったり、土地の値段が高かったりして、敷地内に作ることが難しい場合もあります。住宅の1階部分をガレージにすれば、雨の日でも乗り降りがラクだったり、車を家の中に格納できる安心感があったりというメリットがあります。残りのスペースには、お風呂や洗面脱衣室などの水回りを配置したり、居室を設けてワークスペースやゲストルームとして使ったりもできます。

・スキップフロアやロフト

3階建て住宅にスキップフロアやロフトを取り入れることで、4層構造になり、延床面積を最大限まで大きくできます。スキップフロアとは、各階の中間に設けるスペースのことです。スキップフロアの下は収納としても利用でき、収納スペース確保にも役立ちます。スキップフロアを設けることで、空間が縦につながり、家族の気配を感じられる家になります。

また、ロフトの使い方は、収納スペースとして使う方法以外に、寝る場所、ワークスペース、お子さんの秘密基地など、幅広い用途があります。しかし、ロフトは天井高さが1.4m以下であることなど、設置には一定の条件が必要になるので注意しましょう。

・店舗や事務所兼用住宅

立地が良い場所なら、1階を店舗にして、2,3階を住宅として使うことも可能です。例えば自分でカフェやお花屋さん、パン屋さん、趣味のお教室などを開いて、夢の実現に繋げるのも素敵ですね。ホームオフィスとして使っても良いでしょう。オンオフの切り替えができ、取引先とのミーティングも家族に気兼ねなく行えます。また、1フロアだけ賃貸で貸し出せば、家賃収入が得られ、住宅ローン返済に充てることができます。

まとめ

今回は、3階建て住宅の魅力やメリット、デメリットと対策について詳しく解説しました。3階建て住宅の魅力は、狭い土地でも居住スペースが広く取れることや、眺望が良いこと、水害に強いこと、間取りの自由度が高いことなどです。一方、3階ならではのデメリットは、階段の上り下りが多いこと、最上階が暑くなって1階は暗くなりやすいこと、建築費用が高くなりがちなことなどです。デメリットは、事前に対策を講じることで、建ててから後悔しないで済むでしょう。また、おすすめの間取り4選についてもご紹介しました。ぜひ3階建て住宅を建てる際の参考にして下さい。