花のある暮らしを叶える家づくりのコツとインテリア事例3選

花のある暮らしは、おうち時間に潤いを与えてくれます。花やグリーンに囲まれた家に住めたら、素敵ですよね。注文住宅の家づくりで、花をおしゃれに取り入れるには、どうしたらいいのでしょうか。今回は、花のある暮らしを叶える家づくりのコツと、インテリアの事例を解説します。

花のある暮らしのメリット5つ

まずは、花のある暮らしがもたらす効果やメリット5つを解説します。

●癒される

美しいものや可愛らしいものを見ると、私たちは幸せな気持ちになったり、癒されたりします。幸せな気持ちの原因は、幸せホルモンと呼ばれる、セロトニンやドーパミン、オキシトシンなどの働きによるものです。美しさや色彩の豊かさ、良い香りなどによって脳が刺激され、幸せホルモンが分泌されることで、幸福感や癒しをもたらしてくれます。

●リラックス効果

花には、リラックス効果もあると言われています。幸せホルモンの1つであるオキシトシンは、心や体が心地よいと感じた時に分泌され、安らぎを得られます。花を見たり香りをかいだりすることでオキシトシンが分泌され、副交感神経が優位になってリラックス感を得られることが、研究で分かっています。

●ストレス軽減

ストレス軽減の効果も期待できます。ストレスの軽減には、花の美しさや心地よい香りによって分泌される、セロトニンの働きが大きく関わります。幸せホルモンの1つであるセロトニンは、イライラや混乱といったネガティブな感情を静め、不安を和らげると言われています。また、実際にフラワーセラピーという心理療法も、ストレス軽減や心身の健康のために活用されています。

●やる気や集中力アップ

やる気や集中力のアップも期待できます。人は、心地よい、気分が良い、嬉しい時など、ときめきを感じると、ドーパミンが分泌されます。花を見ることでもドーパミンが分泌され、やる気をもたらしてくれます。また、集中力アップにも役立ちます。オフィスに観葉植物や花が飾られているのはそのためです。創造力を刺激し、良いアイデアが浮かぶ手助けをしてくれるでしょう。とくに、黄色い花は、左脳を刺激し、記憶力や判断力を高めると言われています。

●免疫力アップ

花は免疫力にも影響を与えます。体には、生命活動や体をコントロールするために、自立神経があります。自立神経には交感神経と副交感神経があり、2つの神経のバランスが安定していると、免疫機能が正常に働いてくれます。ストレスが多くなると、交感神経が優位になってしまい、バランスが崩れて心身の不調に繋がります。花を見ると、リラックスして副交感神経が働き、自律神経が安定することで免疫力をアップさせます。

花のある暮らしを叶える家づくりのコツ

次に、花のある暮らしを叶えるための家づくりのコツを解説します。

庭や中庭を作る

庭や中庭を作ると、花のある暮らしが実現できます。ガーデニングは、庭の楽しみ方の定番です。庭で植物を育てるには、日当たりと水はけ、風通しが重要です。スペースは狭くても問題ありません。庭が狭い場合には、フェンスにハンギングしたり、スタンドやアーチを用いたり、縦の空間を上手に利用しましょう。花壇を設ける位置は、日当たりを考慮して決めて下さい。例えばバラは、日当たりが良く、乾き気味の場所を好みます。3時間から半日程度日が当たる場所が適しています。日陰では生育が遅くなったり、花数が減ってしまったりします。また、庭にガーデンファニチャーやオブジェ、ソーラーライトなどで立体感を加えると、ワンランク上の雰囲気になります。

バルコニーやベランダを広めにとる

バルコニーやベランダを広めにとり、プランターで花を育てるのもおすすめです。リビングからお花が眺められ、すぐに出てお世話もしやすいことがメリットです。ベランダガーデニングは、ゾーンを分けることが重要です。洗濯物を干すスペースと通路を確保し、生活動線のじゃまにならない場所に、プランターや鉢植えを置くようにしましょう。その際、排水溝を塞がないように注意して下さい。また、2階以上や、雨風が直接当たる場所では、背の高い鉢やプランターは避けた方が良いでしょう。台風の時などに、室内に移動できるサイズを選ぶようにして下さい。

間取りにインナーテラスを取り入れる

室内に花を飾りたい、天候に左右されずにガーデニングを楽しみたいという場合は、間取りにインナーテラスを取り入れるのはいかがでしょうか。インナーテラスとは、家の中、または半屋外空間にある、天井や壁、窓があるテラスのことです。隣室と扉などで仕切らなくても、床材を変えるだけでもアクセントになります。インナーテラスには、水や土汚れに強い、タイルやコンクリートなどが適しています。日当たりの良い窓際に設けるのが一般的ですが、部屋の角に扇型のコーナーを作ったり、お部屋の真ん中に中庭のようなテラスを造作したりと、自由な発想で間取りを決めても良いでしょう。

飾り棚やニッチを設ける

家づくりの際、飾り棚やニッチを設けておくことでも、花のある暮らしを叶えられます。ニッチとは、壁の一部を窪ませて作る飾り棚のことです。植物は生きていて、水が必要です。まとめて棚やニッチに飾ることで、お世話もしやすくなります。また、古くからある日本の和風住宅では、和室の奥に床の間が設けられ、四季を感じられる花や掛け軸を飾って客人をもてなしていました。現代の家でも、リビングや玄関に飾り棚やニッチを作り、綺麗にディスプレイしておもてなしに活用しましょう。

花のある暮らしを楽しむためのインテリア事例3選

最後に、花のある暮らしを楽しむために、おしゃれに見えるインテリア事例3選を解説します。

鉢植えをディスプレイ

鉢植えの花は、根から水や栄養を吸収できるため、丈夫で長持ちです。しかし、土があるため、置く場所を選ぶ必要があります。食事をするダイニングテーブルや、キッチンには向いていません。リビングの飾り棚や窓際、テレビ台などに飾ると良いでしょう。ラダーシェルフやオープンシェルフにディスプレイするのもおすすめです。空間に立体感が出て、華やかな印象になります。また、インテリアのテイストに合わせて、鉢を陶器のポットやカゴ、ブリキ缶などのケースに入れると、おしゃれで統一感が出ます。

切り花を花瓶に生ける

切り花とは、茎や葉と一緒に切り取った花のことです。花束や、フラワーアレンジメントなどに使われます。切り花を飾るために用いるのが花瓶です。花瓶は、花のある暮らしに欠かせないアイテムです。素材は、ガラスや磁器、陶器などがあります。マルチに使えるのが、シンプルなガラスの花瓶です。1つは持っておくと、どんなインテリアでも便利に使えるでしょう。磁器製は、色や形のバリエーションが豊富で、デザイン性の高いオブジェのようです。陶器製は、土が原料のため、味わい深くてナチュラルな雰囲気を持ちます。また、飾り方によって印象は大きく変わります。花束をまとめて飾ると、ボリューム感があってダイナミックな印象になります。一輪挿しは、いくつか並べて飾るとおしゃれです。小さな花には、ジャムの瓶やグラス、試験管などを使うと、遊び心のあるインテリアになります。

花の絵やハーバリウムを飾る

生花を飾ったり、維持が難しかったりという場所では、花の絵や写真、ハーバリウムなどを飾るのがおすすめです。季節ごとにディスプレイを変えると、お部屋の印象を変えられます。ハーバリウムとは、ブリザーブドフラワーやドライフラワーなどを瓶に入れ、専用のオイルに浸したインテリアフラワーです。花を美しいまま長く楽しめ、水やりなどの手間がかからないため、プレゼントとしても人気です。寝室や階段、トイレ、洗面所など、花の香りや花粉が気になったり、日が当たらなかったり、湿気が多かったりという場所は、生花には向いていません。向いていない場所では、絵やハーバリウムを上手に使って、インテリアに花を取り入れると良いでしょう。

まとめ

今回は、花のある暮らしを叶える家づくりのコツと、インテリア事例3選を解説しました。花のある暮らしがもたらすメリットは、癒しやリラックス感、ストレス軽減や集中力アップ、免疫力アップなどです。家づくりでは、庭やバルコニー、インナーテラスなどを間取りに取り入れるほか、飾り棚やニッチを造作するのもおすすめです。花をインテリアに取り入れる際は、鉢植えや切り花、ハーバリウムなど、場所に合った方法を選ぶようにして下さい。