自宅のシアタールームに必要な4つの設備と作る際のポイント

自宅にシアタールームがあったら素敵ですよね。家にいながら、映画や音楽を本格的に楽しめる生活は、憧れる人も多いと思います。しかし、どんな設備が必要か分からない、難しそう、というイメージがあるかもしれません。今回は、自宅にシアタールームを作る際に必要な設備と、作る際のポイントを解説します。

シアタールームとは?どんなメリットがあるのか

そもそも、シアタールームとはどんな部屋で、自宅に設けると、どんなメリットがあるのでしょうか。また、ホームシアターとの違いについても解説します。

・シアタールームとは

自宅で映像や音楽を楽しむために作られた、専用の部屋のことです。大画面や本格的な音響設備を備えて、映画館のような環境を作ります。また、防音や遮光の設備を整えれば、没入感を楽しみながらも、他の部屋や近隣への配慮もできます。

・ホームシアターとの違いってあるの?

シアタールームと似た言葉に、ホームシアターがあります。どちらも自宅で本格的な映像や音楽を楽しむためのシステムです。シアタールームが専用の部屋であることに対し、ホームシアターは、リビングや寝室などにスクリーンやスピーカーなどを設置し、迫力ある映像や音楽を楽しむことを言います。リビングに設置するとリビングシアター、寝室に設置すると寝室シアターと呼ばれます。また、ホームシアターは、本格的なものから手軽なものまで様々なタイプがあります。手軽に取り入れる場合は、スクリーンの代わりに白壁を使っても良いでしょう。

・シアタールームのメリット

シアタールームを設けるメリットを3つご紹介します。

●迫力ある映像やサラウンドが楽しめる

シアタールームでは、映画館のような迫力ある映像やサラウンドが楽しめます。映画はもちろんのこと、スポーツ観戦やライブ鑑賞でも臨場感が味わえます。わざわざ出掛けなくても、自宅でリラックスしながら、映画館さながらの環境で楽しめることは大きな魅力です。途中でトイレ休憩をとったり、用事を済ませたり、好きなタイミングで停止や再生できるのも気楽です。

●好きな時間に使える

シアタールームには、防音対策をしていることが多いため、深夜などでも映像や音楽を楽しめます。時間を選ばずに利用しても、近隣の家や家族にも迷惑をかけません。例えば夜勤が終わって帰宅した後や、早朝に目が覚めたときなどでも、時間を選ばずに気兼ねなく、趣味の時間を過ごせます。

●カラオケやゲーム、推し活にも利用できる

シアタールームはプライベートな空間なので、家族や仲間とワイワイ騒ぐことができます。カラオケやゲーム、推し活などにも活用できます。例えばカラオケをする場合、音源はオンラインで入手できるため、マイクさえ購入すれば手軽に楽しめます。ハイクオリティな映像や音源で気持ちよく歌ったり、アプリをダウンロードして採点で競ったり、大勢でも1人でも楽しむことができます。また、大画面で対戦型のゲームをしたり、推し活仲間と集まって、DVD鑑賞会やライブ配信を見たりして盛り上がれます。

シアタールームに必要な4つの設備

次に、シアタールームを作る際に必要な主な設備4つを解説します。

・スクリーン

シアタールームでまず必要になるのが、映像を映すための大きな画面です。100インチ前後のスクリーンを選ぶ人が多いでしょう。ほかには、白い壁に直接映像を写したり、大型テレビを使ったりなどの方法があります。スクリーンの種類は、吊り下げ式、壁掛け式、自立式の3つのタイプがあります。吊り下げ式は、天井に固定し、吊り下げて使います。使わない時に巻き上げて収納することができ、手動と電動が選べます。壁掛け式はタペストリー式とも呼ばれ、壁に掛けて使います。軽量なものが多いので、持ち運びしやすいという特徴もあります。壁に穴を開けたくない場合は、自立式が良いでしょう。スタンドなどを使い、床に置いて使います。また、スクリーンの大きさは、部屋の広さによって適切なサイズが変わります。『視聴距離(cm)÷3』が推奨サイズと言われています。スクリーンからソファまでが3mなら100インチ程度がおすすめです。

・プロジェクター

プロジェクターは、スクリーンに映像を写すための設備です。設置方法では、テーブルや台に置いて使う卓上型と、天井から吊り下げる天吊り型の2種類に分類されます。卓上型には、高性能な製品が多数あり、工事も不要です。一方、天吊り型は場所をとらないことが魅力です。しかし、配線工事と設置工事が必要になります。天吊り型の製品には、シーリングライトやスピーカーと一体化したものもあり、シアタールームの天井が低い場合でも、すっきりとして空間が広く感じられます。

・スピーカーなどの音響設備

スピーカーは、プロジェクターから出力された音を綺麗に伝え、臨場感あるサラウンドを楽しむための音響設備です。多くの場合、プロジェクター自体にもスピーカーが内蔵されています。しかし、音量が小さく、映像や音楽にこだわりたい人は、物足りなさを感じてしまう場合があります。外付けスピーカーの形状には、サウンドバー、セパレート、マルチスピーカーなどのタイプがあります。サウンドバーは細長い形状で、スクリーンやテレビの前に置いて、スッキリと設置できます。迫力あるサラウンドを楽しみたい人には、セパレートがおすすめです。スピーカーと低音域用のウーファが分離していて、初心者でも本格的な音響を味わえます。さらに臨場感を求める人には、マルチスピーカーが適しています。複数のスピーカーを設置するため、広いシアタールームにも向いています。また、音質を重視する場合は、チャネル数にもこだわって選ぶようにして下さい。数字が大きい方がスピーカーの数が多いことを示し、5.1ch程度あれば、十分臨場感を楽しめると言われています。

・プレーヤーなどの映像出力設備

映像や音楽を再生するために、DVDやブルーレイのプレーヤー、パソコン、スマホ、タブレットなどが必要になります。昨今人気の映像配信サービスを利用すれば、定額で無数の映画や動画が見放題になります。映画やドラマ、オリジナルコンテンツも豊富で、1人でも、大勢でも楽しめます。パソコンやスマホ、タブレットとプロジェクターを繋げば、大画面で視聴でき、映像の世界への没入感を得られるでしょう。また、プレーヤーのなかには、映像配信サービスのアプリがプリインストールされている製品もあります。契約すれば、パソコンなどを接続しなくても、サービスが利用できます。プレーヤーとプロジェクターを繋ぐケーブルは、純正以外では映らないというケースもあるため、確認して購入するようにして下さい。

シアタールームを作る際のポイント3つ

最後に、シアタールームを作る際のポイント3つを解説します。

・壁や天井、開口部への防音対策

時間を選ばず、思い切りシアタールームを満喫できるように、建築時に防音対策をしておきましょう。壁や天井の防音対策には、吸音材と遮音材の併用が効果的です。吸音材で音を減らし、遮音材で透過を防ぐイメージです。壁や天井の内部には遮音パネルやシート、マットなど専用の下地を入れます。しかし、遮音材だけでは、室内に音が反響しすぎる場合があるため、吸音材や外付けの吸音パネルと組み合わせて下さい。防音対策で使われるロックウールやグラスウールは、断熱性や機密性を高める効果もあります。また、開口部は気密性が低いため、特に音漏れしやすい箇所と言えます。窓に防音サッシを使ったり、ドアに防音仕様を選んだりといった配慮が必要です。

・遮光対策でいつでも真っ暗な部屋に

せっかくこだわってシアタールームを作るなら、綺麗な映像を見たいですよね。最近のプロジェクターは、多少部屋が明るくても映像を楽しめます。しかし、暗い方がより鮮明で、画像が綺麗に映ります。シアタールームの窓や廊下から光が入らないように、遮光対策をしておくのがおすすめです。窓やドアには、遮光カーテン、遮光ロールスクリーン、シャッターなどを付けておきましょう。遮光カーテンは、窓より大きいサイズを選ぶようにして下さい。また、カーテンレールのなかには、窓と隙間ができないように、端にRが付いて曲げられる製品もあります。昼間でも真っ暗な部屋にできれば、時間を選ばず、いつでも綺麗な映像が楽しめます。

・壁紙の色と家具にもこだわろう

シアタールームの壁紙の色は、黒やグレーを選びましょう。黒っぽい色は光を吸収し、映像がより鮮明に、美しく見えます。白い壁紙を選んでしまうと、スクリーンから発せられた光が壁で反射し、再びスクリーンに映り込んでしまいます。これを迷光と言います。迷光があると、スクリーン上に映る黒色がグレーのように見え、黒浮きと呼ばれる状態になります。また、家具については、ソファやローテーブルを置くのが一般的です。長時間座っても疲れないように、ソファを選ぶ際は、座り心地を重視して選んで下さい。リクライニング機能が付いたものや、背もたれの高いハイバック、ヘッドレストやフットレストが付いているタイプなどがおすすめです。テーブルは、サイドテーブルなどでも良いでしょう。最近では、『ステルス家電』と呼ばれる、家具と家電が一体化した製品も人気があります。テーブルと冷蔵庫が一体化していたり、ソファとスピーカーが一体化していたり、一台で何役もこなす製品が販売されています。とくに、シアタールームの広さに余裕がない場合は、省スペース化のために検討しても良いでしょう。

まとめ

今回は、自宅にシアタールームを作る際に必要な設備と、作る際のポイントを解説しました。シアタールームは、大画面で迫力ある映像や音楽を楽しむための、専用の部屋のことです。いつでも好きな時間に、美しい映像や臨場感のあるサラウンドを味わえ、没入感を得られることが魅力です。カラオケや推し活、ゲームなどにも活用できます。シアタールームに必要な主な設備は、スクリーン、プロジェクター、音響設備、映像出力設備の4つです。また、作る際には、防音対策、遮音対策に気を付け、壁紙の色や家具にもこだわると、より充実したシアタールームにできます。