家に虫を寄せ付けない方法6つ!虫が侵入しやすい箇所5選も解説

家に虫がいると、落ち着いて過ごせないという人も多いでしょう。一戸建ての家は、土や草木に囲まれていたり、ゴミを自分で管理したりするため、害虫の悩みも多くなります。お子さんやペットのためにも、できるだけ安全な対策をしたいですよね。今回は、家によく出る種類と実害をご紹介し、侵入しやすい箇所や、家に虫を寄せ付けない方法を解説します。

家によく出る害虫の種類と実害とは?

害虫は、人にとって害になる虫のことです。まずは、家によく出る種類と実害について解説します。

・人体への害

直接人体へ害を与える虫は、衛生害虫と呼ばれます。針や毛で人を刺して吸血したり、有毒な液体を分泌したりすることで、痛みや痒みを発生させたり、ときには病気を伝染させたりという場合もあります。

〈害虫の種類〉

蚊、ブヨ、ノミ、ハチ、アリ、ムカデ、カミキリモドキ

・衛生への害

病原菌を運び、食中毒やアレルギー症状、喘息などを引き起こす原因となる害虫もいます。直接的な危険性は低いものの、間接的に健康被害を及ぼす可能性があります。また、ゴキブリは見るだけで嫌な気持ちになる不快害虫でもあります。家に入れない対策と、繁殖させない対策の両方が必要です。

〈害虫の種類〉

ゴキブリ、ハエ、コバエ、カメムシ

・家や家具への害

木造住宅の構造部分である、木材や断熱材を食べてしまう害虫もいます。暗く湿った場所を好み、木材の内部を食い荒らしていくため、被害が分かりにくいという特徴があります。床下の木材や柱を食われてしまうと、家の耐震性や寿命を大きく左右します。無垢材の家具やフローリングに小さな穴が空いていたり、床がきしんだり、木くずや白い粉が落ちていたりという症状がある場合は気を付けましょう。

〈害虫の種類〉

シロアリ、キクイムシ

・衣類への害

衣類を食べてしまう虫は、タンパク質を好みます。ウールやシルクなどの繊維や、服に付いた汗や食べこぼしなどのタンパク質汚れが狙われて虫食いが起こります。衣類害虫が衣類を食べるのは幼虫の時期です。外を飛ぶ成虫が室内に侵入したり、干している服に卵を産んだりして発生します。また、繊維質が多いホコリも栄養になるため、家具の裏などに溜まったホコリが発生源になることもあります。

〈害虫の種類〉

イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ

一戸建ての家で虫が侵入しやすい箇所5選

一戸建ての家では、どこから侵入してくるのでしょうか。多くの虫は隙間から侵入し、湿気があって暖かく、暗く狭い場所を好みます。とくに気を付けるべき場所はどこか、家で虫が侵入しやすい箇所5選を解説します。

・玄関

玄関扉は1日に何度も開け閉めします。出入りのタイミングで虫が入ったり、人の服に付いてきたりという場合もあります。また、わずかな隙間からでも室内に侵入するため、扉の上下に隙間があると、そこからも入ってきます。玄関の扉は開けっ放しにしない、隙間がある場合はテープで塞ぐ、などの基本的な対策を怠らないようにしましょう。また、ニオイを嫌うというハーブを置くのも効果があります。レモングラスやペパーミントなどは、玄関周りをフレッシュな香りで包みながら、虫を遠ざけてくれます。

・窓や網戸

窓や網戸も侵入経路になりやすい箇所です。隙間なく閉めているつもりでも、とくに引違い窓は、隙間ができやすい構造をしています。網戸をしていても、正しい使い方をしないと隙間ができます。とくに、窓を半開きにする際は、網戸は室内から見て右に設置し、右のガラスを半分開けるようにして下さい。網戸の正しい使い方ができれば、窓フレームとの間もしっかり締まって隙間ができません。また、網戸が破れていたり、レールから外れていたりすると、虫が入ってしまいます。破れた場合には、早急に補修しましょう。

・通気口や換気扇

通気口(換気口)や換気扇も、侵入経路になりやすい箇所です。通気口は外気を室内に取り込むための設備で、常時換気が可能な設備として、設置が義務付けられています。換気扇はキッチンやお風呂、トイレに設置され、室内の空気を外に排出する役割を果たします。通気口も換気扇も外とつながっているため、虫が侵入することがあります。とくに、換気扇はニオイや湿気を含んだ温かい空気を排出するため、好んで寄ってくる条件が揃っています。侵入防止対策としては、24時間換気扇をつけっ放しにしたり、フィルターを付けたりなどが有効です。また、換気扇の油汚れはゴキブリのエサになってしまいます。小まめな清掃は欠かさないようにしましょう。

・配管や排水口

シンク下にある配管周りや、キッチンやお風呂の排水口などからも、侵入する恐れがあります。新築では配管周りはきれいに仕上がっているものの、少しの隙間からでも侵入できてしまうため、気になる場合は市販のパテやテープで隙間を埋めておきましょう。虫が寄ってくる原因は、湿気を好み、汚れやカビがエサになるからです。換気を十分に行い、ゴミや汚れを放置しないことが何より大切です。

・エアコン

実は、エアコンも侵入経路の1つです。エアコンの室外機に付いているホースや貫通穴から侵入し、エアコンから異音がして気付く場合があります。冷房や除湿をするとエアコン内に湿気が溜まり、虫が好む環境が作られます。エアコンを使用した後は、送風モードで運転し、結露を発生させないようにしましょう。ホースの先端に市販の防虫キャップを付ける方法もあります。ストッキングなど、目が細かすぎるものを取付けると、詰まって水漏れの原因になることもあるので注意して下さい。

家に虫を寄せ付けない方法6つ

最後に、家に虫を寄せ付けない方法6つをご紹介します。家づくりでできる工夫や、気を付けるべき点を解説します。

・虫が少ない立地を選ぶ

虫は自然が豊かな場所に多く住みます。基本的には都市部より校外の方が多いでしょう。しかし、都市部でも虫が好んで住む場所があります。例えば、湿気を好むため、川沿いや用水路、ため池の近くなどでは遭遇しやすくなります。また、周辺の環境によってもリスクが変わります。隣地の雑草が伸び放題になっていたり、近隣に飲食店があって強いニオイがしたりすると、寄ってくる可能性が高まります。虫を寄せ付けないためには、周辺環境をしっかり見て立地を選ぶことが大切です。

・高気密住宅にする

高気密住宅は、隙間が少ない家です。昔の家屋は今よりも隙間が多く、室内に風や虫が入り込むことが多くありました。昨今人気の高気密・高断熱住宅は隙間が少ないため、侵入経路も少ないと言えます。また、外気の影響を受けにくいため、エアコンなどを使って室温を調節し、部屋を快適に保ちます。24時間換気によっても湿度が調節され、ジメジメした虫の好む環境は作りません。

・気密性の高い窓を選ぶ

窓は、虫の侵入しやすい場所の1つです。気密性の高い窓を選ぶことで、リスクを最小限に抑えることができます。住宅で多く採用されている引違い窓は、半分開けたときなどに隙間ができやすい構造をしています。一方、押し出し窓や滑り出し窓の場合、バタンとしっかり隙間なく閉めることができ、気密性に優れています。また、高い位置に付ける窓は、採光目的ならFIX窓(はめ殺し窓)にするという方法もあります。

・照明をLEDにする

一般的に虫は光に集まり、太陽や蛍光灯を目指して飛んできます。しかし、照明のランプをLEDにすれば、集まって来ません。蛍光灯には集まり、LEDには集まらないのはなぜでしょうか。それは、紫外線の有無です。虫は紫外線を認識して飛んで来るため、紫外線を含まないLEDには寄って来ません。家の照明にLEDを使う事で、虫が寄ってくるのを防ぐことができます。

・ニオイのあるものを放置しない

虫はニオイを好みます。ニオイのあるものやゴミを外に放置しないようにしましょう。一戸建ての場合、ゴミの種類によって収集日が決まっている場合が多いと思います。家に一時保管する際は、空き缶やペットボトルは洗ってから乾燥させる、ゴミ袋は二重にする、などを徹底して下さい。手間がかかりますが、虫を寄せ付けないためには大切なことです。

・段ボールや水たまりも放置しない

家の外に不要な段ボールを置きっ放しにしたり、水たまりを放置したりすることもやめましょう。ため込んだ段ボールには湿気や暗さがあり、卵を産みつけたり、エサにしたり、虫の温床になってしまいます。また、水たまりを放置すると、蚊が卵を産み付けてボウフラが発生する恐れがあります。蚊は1回の産卵で100~300もの卵を産むため、大量発生につながります。缶やペットボトルに溜まった水分、バケツや鉢植えの水受けに溜まった水などは、小まめに捨てるようにして下さい。

まとめ

今回は、家によく出る虫の種類と実害をご紹介し、侵入しやすい箇所や、家に虫を寄せ付けない方法を解説しました。苦手な人にとっては、害虫も益虫もなるべく遭遇したくないですよね。ゴミを溜めずに清潔にするという基本はもちろん、家づくりの段階でできる、虫を寄せ付けない方法をぜひ参考にしてみて下さい。