家の外観の決め方と種類、おしゃれにするポイント3つも解説

注文住宅の外観は、おしゃれでセンスよく見せたいと思いますよね。家の外観は、そこに住む人のイメージにもつながります。シンプルでも、こだわりや自分達らしさを表現したいと考える人は多いと思います。今回は家の外観の決め方と種類をご紹介し、おしゃれにするポイントも解説します。

家の外観の決め方

まずは、おしゃれな外観づくりでは、どんなことから決めていけば良いのかという手順を解説します。

・外観のイメージやテイストを絞っておく

最初に必要なことは、好みの外観のイメージやテイストを家族で話合って絞り込んでおくことです。テイストによっては、得意とするハウスメーカーや設計事務所、工務店等が変わる場合もあります。どんなデザインの家にしたいか、ざっくりとしたイメージを家族で共有しておくことが大切です。

・希望する家の形があれば、事前に伝える

家の形状には、正方形や長方形、コの字、L字、平屋などの種類があります。さらに、長方形にも横長や縦長があったり、一階が大きくて2階が小さい形状だったり、2階リビングでルーフバルコニーを設けたりなど、様々です。しかし、家の形状は間取りによって左右されます。また、間取りも土地の形状に左右されます。そのため、希望する家の形がある場合は、土地選びの段階から、ハウスメーカーや設計士さんに相談しておくと良いでしょう。また、費用については、形がシンプルなほど安く、複雑になるほど高くなる傾向にあります。

・外壁に使いたい色を選んでおく

家の外壁の色は大きな面積を占めるため、外観のイメージを左右します。外観にこだわるあまり、色をたくさん使うと、個性的過ぎて近隣から浮いてしまいます。外壁に色を複数使う場合は、2色のツートンカラーや、ベースはシンプルな色にして、アクセントカラーを窓枠やドアなど、小さい面積に使うとおしゃれに見えます。ベースカラーは、白やベージュは明るくさわやかな印象になります。しかし、素材によっては、汚れやコケが目立ちやすいのがデメリットです。黒やダークグレーは、おしゃれで落ち着いた雰囲気になり、近年人気のカラーです。しかし、太陽の熱を吸収しやすい色なので、断熱性や気密性の高い家づくりを心がけましょう。

・外壁の素材を検討しておく

色だけでなく、外壁は素材によってもイメージが変わります。また、おしゃれな見た目だけでなく、機能性やメンテナンスのしやすさも重要です。一般的な家の外壁材には下記のような種類があります。

●サイディング

薄いパネル状になっている、日本でもっともポピュラーな外壁材です。デザインが豊富で価格が安く、初期費用を抑えられることがメリットです。また、施工時間も比較的短く済みます。デメリットは、外部からの衝撃に弱い点で、定期的なメンテナンスも必要になります。

●タイル

外壁タイルは、土や石を高温で焼き固めたものです。高級感のある見た目や、耐久性の高さが魅力です。また、経年劣化しにくく、メンテナンスの手間や頻度が少なく済む点もメリットと言えます。デメリットは価格が高いことと、大きな地震などの際、剥がれ落ちてしまう場合があることです。

●モルタル

モルタルは、セメントと砂、水を混ぜたものです。左官職人がコテを使って手作業で塗り、塗装で仕上げます。昔の日本の家は、モルタル壁が一般的でした。目地のない美しい仕上がりや、耐火性に優れていることがメリットです。一方、ひび割れが起こりやすいことや、職人の技量によって仕上がりが変わってしまうことなどがデメリットです。

・玄関ドアの色を選ぶ

玄関ドアは、外観デザインのポイントになります。玄関は来客を出迎える家の顔であるだけでなく、帰宅時に家族をあたたかく迎えてくれる場所でもあります。全体のテイストに合った素敵な玄関ドアなら、毎日気分良く帰宅できるでしょう。おしゃれな玄関ドアの色の選び方には下記のような方法があります。

●外壁の色に合わせる

外壁の色と同系色にして馴染ませます。外壁より少し濃い色やくすんだ色など、ワントーン落ち着いた色を使うとセンス良く見えます。

●外観のアクセントカラーをドアにも使う

外観のアクセントカラーをドアにも使ってポイントにします。屋根やバルコニーの柵、サッシの色などと色を合わせるとおしゃれにまとまります。

●木目など、ナチュラルカラーを選ぶ

木目などのナチュラルカラーを選ぶと、自然と調和した、優しい雰囲気になります。ドア窓やハンドル、アイアンの飾りなどをアクセントにすれば、シンプルでおしゃれな印象のドアになります。

家の外観デザインの種類

次に、家の外観デザインにはどのような種類があるのか、人気のテイスト5つをご紹介します。

・シンプルモダン

余計なものを省いた、シンプルでかっこいい雰囲気の家です。家の形状は直線的なラインが特徴的で、外壁の色は白やグレー、黒などの無彩色をベースにしています。冷たい印象になりすぎないように、木をアクセントに用いることが多いでしょう。おしゃれでスタイリッシュなデザインで、近年人気のテイストです。

・洋風

童話などに出てくるような、可愛らしくて上品な印象の家です。海外の家のように、外壁はタイル貼りやレンガ造りで、バルコニーや玄関に凝った装飾をしています。また、洋風のなかにも北欧風、南欧風、アメリカンなどの種類があります。たとえば、北欧風の外観はツートンカラーが特徴的です。また、南欧風では白い壁と暖色系の屋根、アメリカンは三角形の切妻屋根など、それぞれに特徴があります。

・和モダン

和モダンテイストの家は、日本らしい和風スタイルに、現代的な要素を取り入れた、落ち着いた雰囲気のデザインです。シャープで直線的な形状が多く使われ、外壁には、ベージュやブラウン、グレーなど、自然とも調和する落ち着いた色を選びます。木や瓦、石材、土壁など、自然由来の素材を用いると和モダンテイストらしさが出ます。細格子やすりガラスを取り入れるのもおしゃれです。幅広い年代に人気のデザインで、二世帯住宅やバリアフリー住宅にもぴったりです。

・ナチュラル

ベージュやホワイトなどの淡い色をベースにした、柔らかな雰囲気の外観デザインです。玄関ドアや屋根にアクセントカラーを用いる場合は、グレイッシュブルーなどのくすみカラーや、淡いオレンジやグリーンなどがおすすめです。素朴で温かみのある家には、庭の植栽やお花も良く似合います。アンティーク調のドアや門扉を取り入れるのもおしゃれです。景観に溶け込むような外観は、周囲にも親しみやすい印象を与えてくれます。

・リゾート

いつでもリゾートを感じられる、遊び心のある家にしたいという人におすすめの外観デザインです。開放感のある大きな窓やウッドデッキ、2階のルーフバルコニーなどが特徴的です。たとえば、地中海リゾート風なら、太陽が良く似合う白い塗装の外壁にすると良いでしょう。また、アメリカの西海岸リゾート風では、カバードポーチと呼ばれる屋根付きのウッドデッキや、白いサッシを用いると雰囲気が出ます。

家の外観をおしゃれにするポイント3つ

最後に、家のおしゃれな外観づくりで、とくに気を付けるべきポイント3つを解説します。

・窓は外観イメージを左右する

注文住宅を建てるとき、『リビングには大きな窓を付けたい』、『窓がたくさんある明るい家にしたい』などと考える人は多いでしょう。しかし、窓は大きければ良い、たくさん付ければ良い、というものではありません。実は、耐震性においても、気密性においても、窓は弱点になる部分です。また、無計画にバラバラの位置に付けてしまうと、外観がおしゃれに見えなくなってしまいます。おしゃれな外観にするためには、窓の配置は、高さやラインを揃えることが大切です。また、センス良く見せたい場合は、引き違い窓を多用しないこともポイントです。引き違い窓は、横にスライドして開閉する一般的な窓です。よく見るタイプなので、平凡な印象になりやすいでしょう。窓は家のテイストに合うデザインや形を選び、配置にも気をつけるようにして下さい。

・外構も合わせたトータルデザインが大切

建物だけでなく、庭や外構を含めたトータルデザインが、家の外観になります。同じ建物でも、外構にウッドデッキや植栽などがある場合と、コンクリートで固めた駐車場の場合では、外観のイメージが大きく変わります。また、外構にはオープン、クローズ、セミクローズの3種類があります。フェンスなどで囲わないオープン外構は開放感があります。庭が広くでき、駐車もしやすいことが魅力です。家の周りをフェンスや塀、植栽で囲うクローズ外構は、庭のテラスでバーベキューをしたり、お子さんが遊んだりする際に安心です。しかし、フェンスを高くし過ぎると閉塞感や圧迫感が出るので注意が必要です。また、門扉や植栽で部分的に囲うセミクローズ外構は、開放感と安心感を両立できます。どのタイプでも、家のデザインと合わせた外構にすることで、外観をよりおしゃれに、トータルデザインできます。

・屋根や庇は機能性も重要

近年、シンプルな箱型(キューブ型)の家もスタイリッシュで人気があります。四角い形が特徴的で、屋根は平らで軒は設けず、おしゃれに見せるために庇も小さくしたり、付けなかったりというケースが多いでしょう。シンプルな形状のため、建築コストが比較的安く抑えられることも魅力です。しかし、本来屋根や庇は、太陽の熱や光、風雨などから家を守る役割があります。平らな屋根は水捌けが悪くなりやすく、防水対策やメンテナンスを怠ると雨漏りの原因になってしまいます。また、庇がない窓には、風雨が直接当たって大きな音がしたり、夏の日差しで床や家具が色褪せしてしまったりというデメリットもあります。庇を付けない場合は、窓を大きくし過ぎないことがポイントです。おしゃれと機能性は、バランスが大切です。デメリットにはあらかじめ対策をして、長く快適に住むための工夫をしましょう。

まとめ

今回は家の外観の決め方と種類をご紹介し、おしゃれにするポイントを解説しました。家の外観は、イメージやテイストをあらかじめ家族で話し合って絞っておくことが大切です。その上で、外壁の色や素材、玄関ドアなどを選んでいきましょう。外観をおしゃれにするポイントは、窓の配置を揃えることや、庭や外構を含めてトータルでデザインすることです。また、おしゃれと機能性はバランスが大切で、シンプルでも、こだわりや自分達らしさを表現できる外観づくりをして下さい。