サウナでのアロマの楽しみ方と、「ととのう」へ誘う香りをご紹介

いまやサウナは、おじさんたちの憩いの場ではない!!私の周りでも、定期的にスパに通いサウナを楽しんでいる女友達が多く、彼女たちは口々に「リラックスできる」「体調がとても良くなった」「肌の調子がすこぶるいい」「日々のストレスが発散できる」「よく眠れるようになった」と必ずと言っていいほどヘルシーな言葉を聞かせてくれます。

「サ活」「サ飯」「サ旅」という言葉もあり、どこまでも人々を魅了するサウナ。この過熱するサウナブームに乗って、個室サウナや新規サウナ施設が続々とオープンし、サウナがより身近になってきました。自宅にサウナを設置する人も徐々に増えているそう。ストレスや脳の疲労を解消し、メンタルも安定させ、心身に多くの好影響を与えるサウナ。今回は、サウナでの香りの取り入れ方と楽しみ方などをお伝えします

サウナで「ととのう」ための香りの使い方

サウナで「ととのう」ことが定番になっている今、改めて「ととのう」を説明すると、「サウナ→水風呂→外気浴」の順番で何セットか繰り返すことにより、副交感神経が活性化され、深いリラクゼーションを得る事ができます。サウナに入っている時はその暑さでアドレナリンが分泌され、その後副交感神経が優位になり心身ともに緩む事で体が軽くなるのを感じ、頭がすっきりします。多幸感や恍惚感を感じるこの状態を「ととのう」というそうです。活発に活動する時に優位になる交感神経とリラックスしている時に優位になる副交感神経はアクセルとブレーキに例えられますが、このバランスが様々な原因で崩れてしまうと、心身の不調が出て来てしまいます。サウナに入ることでこの乱れも整えられるとのこと。サウナに入ると心身の調子が良くなるのには理由があるのですね。

そこに、天然の植物の香りをプラスすることで、香りによるリラクゼーション効果や幸福感を得ることができるので、より効果的にサウナを楽しめるのではないでしょうか?サウナで香りを使用する時、熱くなったサウナストーンにアロマ 水をかけ水蒸気を発生させるロウリュウが主流です。水にお好みの香りを数滴垂らしてアロマ 水を作ってください。香りが強ければアロマ精油の量を調節すればO K。また、素焼きのアロマディフューザーなどに直接アロマ 精油を数滴垂らし室内に置くのもおすすめです。

その他、アロマスプレーを作り空間にシュッシュとするのもいいですし、持ち込んだタオルやサウナハットにスプレーして香りを楽しむ方法もあります。

※アロマスプレーの作り方

50mlのスプレー容器に精製水50ml +精油10滴。使用する時によく振ってください。ただし、公共のサウナでは他のお客様がいらっしゃるためむやみに強い香りを発生させるのは迷惑になるので気をつけてください。

サイコアロマセラピー

サウナは自律神経を整えたり、メンタルを安定させたり、心と身体を整える事ができると言われています。そこで、サウナで香りを有効的に使うために、気持ち(心)にどのように働きかけるのかご紹介します。

「このようにして、私は他人に影響を与えるように香水を使う。頭をすっきりさせるために香水の力を使う。機知に富んだ、鋭い発想力をもち、記憶力を強化し、鮮やかな空想を抱けるように。こういう性質があるからこそ、昔から人間はあれほどまでに香に傾倒してきた。香の役割は人間の魂を神聖なものにふさわしくすること・・・」

Aプルーエ『言語つまり舌の格闘と五感』より

皆さんも、香りによって心理的な効果を得られるということを経験したことがあるのではないでしょうか? アロマテラピーで使用する精油が人間の心に与える影響の可能性に焦点を当てたサイコアロマテラピーは、6つの心理的作用に分けることができます。それがこちらの表です。

これを参考に今の自分の心の状態や問題点を見て、アロマ精油を選ぶのもいいでしょう。

アロマ精油の種類とその効果

この章では、別の視点から香りの効果を紐解いてみましょう。以前ご紹介した香りの分類7つの系統を見ながら系統別にどのような効果が期待できるのか簡単にご紹介します。

シトラス系

柑橘系の香りは好き嫌いがあまりなく、万人に受け入れられる香りです。気分をリフレッシュしたい時に適しており、前向きな気持ちにさせてくれるでしょう。

フローラル系

可憐で美しいお花の香りは、エレガントさ華やかさがありとても人気です。自信を与えてくれて、多幸感を感じさせてくれるでしょう。

オリエンタル系

異国情緒あふれるエキゾチックな香りはどこか別の国にいるかのような魅力があります。深いリラクゼーションをもたらすので疲労が溜まっている時に適しています。

樹脂(バルサム)系

ウッディーな香りの中にスパイシーさがあるミステリアスな香りです。独特な香りに魅かれクセになる方も多く、心を落ち着かせたい時に適しています。

ハーブ系

薬草のようなグリーンな香りはすっきりとした爽快感を感じる香りです。ハーブ系の香りは様々なので自分の体調や気分によって使い分けするのがおすすめです。

樹木系

森林浴をしているような心地よさがあり深呼吸をしたくなる香りです。ストレスを感じている時、また自律神経のバランスが乱れている時に適しています。

パイス系

料理の香辛料に使われるものが多く、ピリッとした刺激のある香りです。落ち込んで心に元気が欲しい時、鼓舞したい時に適しています。

香りには嗜好があるので、自分の好きな香りの系統を選ぶことが大切です。 ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

サ活にハマる人が増えてきている中、今や、ファミリーで楽しむレジャーにもなっています。また、“日々ととのう”を叶えるサウナ付き住宅も全国的に建てる人が増えているとのこと。あらゆる世代が「ととのう」感覚を楽しめるのもサウナの魅力なのかもしれません。

アロマ水を使ってロウリュウする施設も多くある中、香りが心身にどのような影響を与えるのか知っていただけると役立つことがあるかもしれません。私たちの生活の中で満ち溢れている香りに少し意識を向けてみてください。香りは生活を彩り、何倍も楽しいものにしてくれるものだと私は信じています。

プロフィール

【荒石由紀恵】

中央大学を卒業後、山口放送に入社し、局アナウンサーとして勤務する。

T V番組内でアロマテラピーを取材したのをきっかけに学び始める。退社後、アロマが盛んなオーストラリアへ留学。生活の中で身近に使われるアロマに触れその魅力にはまり、帰国後に認定資格を取得する。1999年よりアロマ講師として活動を開始し2004年には、「心と身体の真の癒し」をコンセプトにした専門店「AROMADROPS」をオープン。介護施設でのアロマケア、クリニックでの産後ケアにも携わりセラピストとしても活動している。アロマテラピーの可能性を広げるため多方面で香りと他業種のコラボレーションを仕掛けている。

◇アロマドロップス http://aromadrops.net/