ニッチのおしゃれで便利な使い方!おすすめデザイン4選も解説

新築の家づくりやリフォームのとき、初めて聞く言葉ってたくさんありますよね。『ニッチ』もその1つではないでしょうか。住宅にまつわる言葉としてだけでなく、ビジネスの分野でも使われています。今回は、住宅におけるニッチとは、どのようなものかご紹介します。また、お部屋別の、おしゃれで便利な使い方事例や、形やデザインのおすすめ4選も解説します。

住宅における『ニッチ』とは

・ニッチってなに?

壁面の一部にくぼみをつくり、飾り棚や収納として使うスペースのことです。壁から出っ張ることなく、ディスプレイなどを楽しめ、スマートでおしゃれです。壁の厚みを利用して、柱と柱の間の空間に作られます。しかし、好きな場所に、どの位置にでも設けられるわけではありません。たとえば、断熱材が入っている外部に面する壁や、ちょうど柱のある位置などには、設けることができません。家づくりの設計段階で、よく検討しておくことが重要です。

・ニッチの大きさは?

ニッチという言葉は、『狭い』という意味で使われることも多くあります。そのため、細く、小さなスペースを想像する人も多いでしょう。しかし、場所によっては、横幅1m以上も可能で、高さも天井まで使うことができます。ただし、奥行きについては、5cm~10cm程度が一般的です。深さのある収納として使いたい場合は、設計時に、あらかじめ壁を厚めにするなどの工夫が必要です。

・ニッチを設ける場所

住宅でニッチを設けられる場所は、いくつもあります。人気の場所は下記です。

●玄関
●リビング
●キッチン
●トイレ
●洗面脱衣所
●廊下・階段

たくさんありますね。ディスプレイや飾りつけに使うケースと、収納として活用するケースがあります。日本の住宅では、希望どおりの広い面積をとれない場合も多く、デッドスペースの活用という意味でも、ニッチの果たす役割は大きくなります。

お部屋別、ニッチのおしゃれで便利な使い方事例

次に、お部屋ごとに、便利でおしゃれな使い方事例を見ていきましょう。

・玄関での事例

玄関は、お客さんが来た際にも、家族の帰宅時にも、最初に出迎えてくれる場所です。家の第一印象を決める場所なので、おしゃれにしたいと考える人も多いでしょう。玄関では、主にディスプレイや飾り棚として使われることが多く、上部ダウンライトを入れれば、インテリアのアクセントになります。また、スリッパニッチと呼ばれる、スリッパ収納として使うのもおすすめです。注意点は、余裕をもった幅にし過ぎると、スリッパがばらけやすくなることです。ディスプレイコーナーをつくる場合も、明確なイメージがない場合は、小さめに作ると良いでしょう。大きく作ってしまうと、何を飾って良いのか迷い、間延びしやすくなります。

・リビングでの事例

リビングは、遊びにくる友人や、家族が集まる場所です。ニッチは、お気に入りの雑貨や、季節感のあるものをディスプレイするために使われます。また、雑誌などのマガジンラックとしてや、奥行きを深めに取って、ワーキングスペースとして使うケースもあります。さらに、リモコンニッチと呼ばれる使い方もあります。照明のスイッチや、床暖房用のリモコン、インターホンなどを一箇所にまとめるスペースです。リモコン類が出っ張ってじゃまにならず、さりげないポイントにもなります。

キッチンでの事例

キッチンでは、主に収納として活用します。ニッチを横長にして、スパイスラックとして利用するのもおすすめです。また、サイズを大きく取り、パントリーとして使う方法もあります。可動式の棚を取付けると便利です。奥の面には、好きな柄のクロスを貼って、キッチンでの時間を楽しむのも良いでしょう。キッチンカウンターのダイニング側や、袖壁にニッチをつくることもできます。ティッシュペーパーやカトラリーなど、ダイニングで使う物を置く場所としても、使い勝手が良く、便利に活用できます。

・トイレでの事例

トイレでは、予備のトイレットペーパーなどの収納として設置するケースが多くあります。トイレは、広いスペースをとることが難しく、棚を置くとじゃまになります。また、掃除する際にも、なるべく物は置かない方がラクなため、ニッチを作ることで、すっきりと収納できます。トイレットペーパーはカゴに入れたり、一緒におしゃれな消臭剤やディスプレイを置いたりなど、ちょっとした飾り棚として使うのも良いですね。奥行きや高さは、置きたいものの寸法を測ってから、決めるようにしてください。

洗面脱衣所

洗面脱衣所では、奥行きを深めにとり、洗面用品やタオル、洗濯機用洗剤などの収納として、活用されています。洗面所には、ほかにも歯ブラシやドライヤー、基礎化粧品など、毎日使うものがたくさんあります。シャンプーなどのストックもあり、収納は少しでも多い方が助かりますよね。しかし、狭くて棚を置くことが難しい場合も多く、ニッチが大活躍します。また、電動歯ブラシなどを置く場合には、内側にコンセントを設けてもらいましょう。

階段、廊下

階段や廊下はスペースも狭く、物を置いたり、取付けたりすると、歩くときにじゃまになります。ニッチを目線の高さに設置して、家族の写真や絵画を飾り、ギャラリーのように使うとおしゃれです。また、文庫や漫画用の本棚として設けるのもおすすめです。スペースがあれば、踊り場にベンチを設置したり、廊下にチェアを置いたりして、ちょっとした図書スペースにしても良いですね。好きな本を家族で共有でき、お子さまも、自然と本にふれる時間が増えることでしょう。

ニッチのおすすめデザイン4選

最後に、ニッチの形やデザインのおすすめ4選をご紹介します。

・シンプルな四角形

四角形と一口に言っても、正方形や長方形があり、横長や縦長といった違いもあります。ニッチは、柱の間につくることから、縦長の方が作りやすいと言えます。縦長の場合は、棚をつけるなど、高さで間延びしないような工夫が必要です。その際、棚で下段が暗くなってしまいそうな場合は、ガラス棚にすると良いです。一方、本やスパイスの収納など、横長の方が使いやすい場合もあります。横長は、飾るスペースとしてもインパクトがあります。また、シンプルな正方形をいくつか並べ、ニッチ自体を、インテリアのアクセントにするのも素敵です。

・アーチ型やおうち型

注文住宅を建てるなら、アーチ型(アール)を取り入れたい、と憧れる人も多いと思います。アーチ型のニッチは、ナチュラルテイストや、南欧テイストのインテリアにぴったりです。宮殿のアーチを連想させ、どこか、海外の雰囲気を感じさせてくれます。ダウンライトを入れて、ドラマティックな雰囲気づくりをすると良いでしょう。ドアの形と合わせると、さらに洗練された空間になります。また、おうち型のニッチは、とてもかわいらしく、ほっこりした雰囲気にしてくれます。おうち型は、リモコン用や、玄関のかぎ掛け用、子供部屋などにおすすめです。

・タイルやアクセントクロスを貼る

奥の面に、タイルやアクセントクロスを貼ると、とてもおしゃれになります。ディスプレイ用のニッチは、何を飾れば良いのか、迷ってしまう人もいるでしょう。タイルやアクセントクロスが貼られていれば、それだけでインテリアのポイントになります。ダウンライトがあれば、さらに魅力的にしてくれます。雑貨などを置く場合は、タイルやクロスの柄と、テイストを合わせるようにしましょう。

・マグネットボードを貼る

奥の面に、マグネットボードを貼るのもおすすめです。お子さんの学校のプリントやカレンダーなどは、そのまま壁面に貼ると、生活感が出たり、雑然と見えたりします。マグネットボードが貼られたニッチなら、家族の掲示板として、情報をひとまとめにできます。リビングから丸見えにならない位置に、設けると良いでしょう。

まとめ

住宅におけるニッチとは、壁面の一部をくぼませて作るスペースのことです。玄関をはじめ、リビングや洗面脱衣所など、家中の様々な場所で、飾り棚や収納として使われます。おしゃれで便利な使い方ができ、形やデザインの種類も豊富です。ディスプレイや物が、壁面の内側に収まり、すっきりおしゃれに演出できます。しかし、壁面のどこにでも設けられるわけではありません。また費用もかかるため、住宅メーカーや設計士とよく相談し、上手に活用するようにしましょう。