アクセントクロスでおしゃれな部屋に!失敗しない選び方とおすすめカラー

注文住宅やリフォームでクロス(壁紙)を選ぶ際、つい無難な色を選び、単調になってしまうことも多いと思います。そんな時は、アクセントクロスがおすすめです。アクセントクロスは、追加の費用をかけなくても、お部屋の印象をおしゃれに変えられる、壁紙の貼り方です。今回は、アクセントクロスの基礎知識をご紹介し、失敗しない選び方や、リビングやキッチン、寝室など、部屋別のおすすめカラーについても解説します。

アクセントクロスの基礎知識

まずは、そもそもアクセントクロスとは何か、どのように貼り分けるのかなど、基礎知識を解説します。

・アクセントクロスとは

お部屋の壁の一部に、ほかの部分とは異なる色や柄の壁紙(クロス)を使い、インテリアのアクセントにすることです。アクセントクロスにかかる費用は、一般的な、白やベージュの壁紙を4面貼ることと、大きな差はありません。費用は変わらずに、見た目の印象をおしゃれにできることが魅力です。

・アクセントクロスの貼り分け方

アクセントクロスは、どこで切り替えれば、きれいに貼れるのでしょうか。部屋の壁面には、入隅(いりずみ)と出隅(でずみ)があります。引っ込んだ角が入隅、出っ張っている角が出隅と呼ばれます。基本的には、壁紙は、入隅で貼り分けます。出隅で切り替えない理由は、継ぎ目が角にくると、剥がれやすくなるためです。アクセントクロスは、部屋の壁の一部の、入隅から入隅までに貼ることになります。

・アクセントクロスの色の効果

次に、アクセントクロスの色の効果について解説します。無地にしても、柄ものでも、どんな色にするか、迷う人は多いと思います。たとえば、一口にグリーンが好き、と言っても、黄緑とモスグリーンでは、まったく別の印象になりますよね。ここでは、色の持つ効果や、イメージについて詳しくご紹介します。

●寒色系、暖色系ってどんな色?

色は、『色相』、『明度』、『彩度』という3つの要素から出来ています。『色相』は、いわゆる色のことで、それぞれが寒暖のイメージをもっています。赤、オレンジ、イエローは、暖かく感じる、暖色系と呼ばれます。ブルーや青紫はクールな印象で、寒色系と呼ばれます。緑や紫、白、黒、グレーは、暖かさと寒さのどちらも感じない、中性色系になります。また、色には進出、後退効果もあります。暖色系は進出色、寒色系は後退色とされています。たとえば、狭いお部屋に、進出色のクロスをたくさん使うと、より狭く感じることがあるので、注意が必要です。

●パステルカラーか、ダークカラーか

『明度』は、色の明るさのことです。明度が高いと白に近く、低いと黒に近づいていきます。たとえば、同じ赤系でも、桜の花のような、うすいピンクは明度が高く、ワインや小豆のような濃い赤は、明度が低いと言えます。パステルカラーなどは明度が高く、爽やか、やわらかい、軽快、といったイメージになります。また、明度が低い色は、ダークカラーなどと呼ばれ、落ち着きがある、渋い、重厚、といったイメージになります。

●ビビットカラーか、くすみカラーか

『彩度』は、色の鮮やかさのことです。ビビットカラーか、くすみカラーか、という違いです。彩度が高いと、鮮やかなビビッドカラーになります。快活、派手、元気、ポップ、などという印象になります。また、彩度が低いと、グレージュのような、くすみカラーになります。穏やか、上品、大人っぽいなどといった、こなれた印象になります。アクセントクロスは、色相や明度、彩度を意識し、どんな印象にしたいかを考えて選んでいきましょう。

アクセントクロス、失敗しない選び方

次に、アクセントクロスの失敗事例をご紹介します。また、失敗しないために、どんなことに注意して選べば良いか、失敗しない選び方を解説します。

・アクセントクロスの失敗事例

●目立たない

無難な色にしすぎて目立たなかった、という失敗事例があります。アクセントクロスは使ってみたいけれど、飽きるのが心配、という声も多くあります。しかし、他の面と似た、無難な色を選んだら、アクセントにならない場合もあります。心配がある場合は、使う面積を小さめにしましょう。せっかくアクセントクロスを取り入れるなら、他の面とはメリハリがつくものを選んでください。

●部屋が暗くなってしまった

ダークカラーを使ったら、部屋に圧迫感が出たり、暗くなってしまったりという失敗事例もあります。落ち着いた雰囲気や、かっこいい系の部屋にしたい場合、明度や彩度が低い、ダークカラーを選ぶことがあります。問題は、色自体ではなく、使う面積や、他のインテリアとのバランスです。ダークカラーは、使う面積を大きくし過ぎないように注意し、内装やファブリックの色は明るめにするなど、バランスをとりましょう。

●サンプルで見た印象と違った

色には面積効果というものがあります。同じ色でも、狭いスペースでは濃く、広いスペースでは薄まって見えます。また、テーブルの上に置いて見るのと、立てかけて見るのでは、光の反射があり、印象が異なります。色や柄を決める際、インターネット上やカタログの小さな見本だけで決めてしまうと、後悔する原因になります。メーカーに依頼すれば、10㎝角以上の、大きなサイズのサンプルをもらうことができます。気に入ったものは、大きめのサンプルを確認してから決めましょう。その際は、壁に立てかけて見ることをおすすめします。

・アクセントクロスの失敗しない選び方

●用途に合った色を選ぶ

寝室やトイレは、リラックスできる、落ち着いた空間にしたいという人が多いと思います。リラックス感のある雰囲気にしたい場合は、明度や彩度の低い、落ち着きのある色を選ぶようにして下さい。暗くなりがちだからと、赤や黄色など、派手で明るい色を使うと、気が休まらない空間になってしまいます。派手な色や柄を使いたい場合は、常に目に入る位置には貼らないようにし、面積も小さめにすると良いでしょう。

●空間全体のバランスを考える

アクセントクロスは、床や天井、カーテンや家具など、他のインテリアとの調和が重要です。たとえば、柄ものを選んだら、カーテンは無地を選ぶようにして下さい。また、暗い色の場合、カーテンや床材にも暗い色を選ぶと、お部屋全体が暗く、重い印象になってしまいます。空間全体で色のバランスを取りましょう。アクセントクロスを貼る分量は、壁面のうち20~25%程度に抑えると、まとまりがよくなります。柄ものやダークカラーを貼る場合は、さらに分量を抑えましょう。

アクセントクロス、部屋別のおすすめカラー

最後に、リビングやキッチン、寝室など、お部屋別に、アクセントクロスを貼る場所や、おすすめカラーをご紹介します。どこに、どんな色を貼ればおしゃれに仕上がるのか、見ていきましょう。

●リビング

リビングでは、テレビの後ろの壁面に用いることが多くあります。テレビは黒系が多いため、黒やダークカラーの壁紙にすると、暗さや圧迫感が出てしまうことがあります。黒系を使う場合は、間接照明を取り入れたり、貼る面積を小さくしたりなど、工夫が必要です。

リビングで人気のカラーは、ブルーグレーやくすみグリーンです。青は気持ちを落ち着け、緑はリラックス効果の期待できる色です。また、クロスは壁だけではなく、天井にも貼ります。天井にアクセントクロスを使っても、おしゃれで素敵です。たとえば、天井に木目調のクロスを貼れば、落ち着きのある、ワンランク上のおしゃれな空間が演出できます。クロスの色に迷う場合は、グレー系がおすすめ。どんなインテリアにも合い、木製の家具にも、モノトーンにもなじみます。

●キッチン

キッチンの壁紙は、『不燃』または、『準不燃』と書かれた壁紙の中から選んでください。アクセントクロスは、ダイニングからも見えやすい、奥の面に用いられることが多くあります。冷蔵庫や食器棚を置くと、見える範囲が小さくなるため、濃い色やタイル調、木目調のクロスなど、柄ものを使うのもおすすめです。料理や食事の時間が楽しくなるような、お気に入りの壁紙を選んでください。

また、キッチンカウンターの腰壁も、アクセントクロスに適しています。リビングに近い位置にあるため、リビングのインテリアと同系色にすると良いでしょう。見える範囲の色を、3色以内にすると、空間にまとまりが出ます。

●寝室

寝室は、リラックス感のある、安眠できるインテリアが理想的です。ブルー、グリーン、紫、淡いピンク、茶色といった、リラックス効果や沈静効果、安心感のある色がおすすめです。アクセントクロスは、ドアを開けて正面の壁や、ベッドの頭側など、窓やドアのない面に用いると良いでしょう。

寝室はプライベート空間です。他の部屋のインテリアと合わせる必要はありません。たとえば、花柄やボタニカル柄、ダマスク柄など、お気に入りのクロスで、自分だけの空間を楽しむのも良いですね。

●子供部屋

お子さんが小さいうちは、好きな柄や、ポップな壁紙にしてあげたいと思いますよね。しかし、中学生や高校生にもなると、好みが変り、飽きたり、恥ずかしいと感じたりする場合も。壁紙の貼り替えには、施工費がかかります。壁紙自体は1,000円~2,000円/㎡程度と高くはありませんが、1部屋で5万円程度はかかってしまいます。子供部屋のアクセントクロスを選ぶ際は、子どもの意見も聞きつつ、一緒に選ぶようにしましょう。

お子さんが、どうしても使いたい柄がある場合は、クローゼットの中に貼るのがおすすめです。また、カーテンやファブリックで、好きな柄を取り入れてあげても良いですね。子供部屋におすすめのアクセントクロスは、アイスブルー、ミントブルーなど、男女や年齢を問わない色です。黒板になるクロスも、遊びゴコロがあります。柄ものでは、ストライプや木目調、幾何学模様なら、飽きにくく、年齢も問いません。

●玄関

玄関は家の顔とも言われる場所です。ドアを開けて、パッと目につく場所に取り入れるのがおすすめ。玄関横の収納面や、正面の壁面などが適しています。また、シューズクローゼット内に貼る場合もあります。ちらりと見えても、おしゃれで素敵ですね。暗くなりがちな玄関には、明るめカラーが適しています。柄ものでは、石目調や、白いレンガ調、グレイッシュな木目調などか馴染みやすいでしょう。玄関が狭い場合は、奥の壁に、後退色であるブルー系のクロスを使うと、広く見せる効果が期待できます。

●洗面所

洗面所では、鏡のある壁面に、アクセントクロスを貼るケースが多いでしょう。洗面所は、湿気やカビが発生しやすく、汚れやすい場所です。防カビ機能や防水機能があるものを選んでください。また、汚れが目立ちにくい柄ものや、汚れ防止機能付きの壁紙を選ぶのも良いでしょう。洗面所は、清潔感や爽やかさが求められます。明るく軽やかな印象にしたい場合は、ブルー系のモザイクタイルや、パステルカラーなどがおすすめです。ホテルライクな印象にしたい時は、ネイビーやブルーグレー、シックな木目調などを選ぶと良いでしょう。

●トイレ

トイレは、限られたスペースなので、大きな柄や、黒系を使うと、圧迫感が出てしまうことがあるので注意しましょう。また、汚れやすい場所のため、水拭きなどがしやすい、凹凸の少ないクロスが適しています。カラーでは、リラックス効果や沈静効果のある、グリーンやブルー、うすい紫やベージュなどがおすすめです。オレンジやイエローなど、暖色系を使う場合は、明度や彩度が低いものを選ぶと良いでしょう。 また、好きな柄を選んで、遊びゴコロある空間にするのも良いですね。鮮やかな色や派手な柄を使う場合は、便器の奥の壁面に使うと、使用時には目に入らず、居心地の悪さにはつながりません。

まとめ

アクセントクロスは、壁紙の一部の色や柄を変えて貼ることです。単調になりがちな壁面を、おしゃれに変えてくれます。費用も、白やベージュを貼るのと、ほとんど変わりません。他のインテリアとのバランスを考え、用途に合った色を選ぶようにして下さい。だれにでも気軽に取り入れやすいので、ぜひ、チャレンジしてみてください。