注文住宅のコンセント数と位置、配置のポイントや種類も解説

家の間取りやインテリアにはこだわったのに、コンセントの数や位置までよく考えていなかった!という失敗はよく聞きます。暮らし始めてみないと気付かない場合や、子供が成長してから後悔する場合もあります。今回は注文住宅を建てる際に、必要なコンセントの種類や数の目安、配置のチェックポイントについて解説します。

コンセントの種類と数の目安

昨今、暮らしをラクにしてくれる、便利な電化製品やスマート家電が増えています。コンセントの必要数も増えており、安全に使用するためにも、コンセントの配置計画は重要です。まずは注文住宅に必要なコンセントの種類と数の目安について解説します。

・コンセントの種類

住宅で使用するコンセントには、様々な種類があります。主な4種類をご紹介します。用途や取付け位置に合わせて選ぶようにして下さい。

●埋め込みコンセント

掃除機やスマートフォンの充電など、一般的な用途に使われるのが埋め込み式です。もっともポビュラーなのは、2口のダブルコンセントです。3口のものはトリプルコンセントと呼ばれます。2口も3口も、費用はほとんど変わらない場合が多いでしょう。

大は小を兼ねると考え、3口なら安心、と考える人も多いと思います。しかし、使用する電化製品のアダプターが大きいと、3口全てを使えない場合もあります。2口を2か所付ける方が良いケースもありますので、電化製品のプラグの形状や数を確認しておくと良いでしょう。また、埋め込み式には、左に回して引っ張らないと抜けない、抜け止め式のタイプもあり、パソコンやAV機器におすすめです。

●アースターミナルコンセント

高ワットの電化製品には、アース付コンセントが必要です。洗濯機や電子レンジ、食器洗浄機など水を使う場所にもアース付きを設置します。

●マルチメディアコンセント

情報コンセントとも呼ばれ、電源、通信、情報を1つにまとめ、すっきりした配線を実現します。インターネット回線やテレビのジャック、電話線や電源がひとつのコンセントにまとめられます。スマートフォンやタブレット、パソコンやテレビなどを使うお部屋におすすめです。コードやケーブルが目立つことなく、すっきりと安全に使用することができます。

スマートフォンの充電用には、埋め込み式のUSB充電用コンセントもあります。ホテルや空港、新幹線などで見かけたことがあるかと思います。しかし、USBの規格が将来的に変更するかもしれないという不安があり、注文住宅への採用は多くありません。もし導入する場合は、メンテナンスのことも視野に入れて採用すると良いでしょう。

●防水コンセント

防水コンセントは、屋外用のコンセントです。濡れないようにカバーが付いていて、穴の部分が下向きなのが特徴です。雨やホコリの侵入を防ぎ、屋外で電化製品を使用する時に便利です。例えば、高圧洗浄機や草刈り機、イルミネーションにも活用できます。屋外のコンセントは、バーベキューの際や、お庭でビニールプールを膨らませたい時などにも役立ちます。

・コンセント数の目安

暮らしの中でコンセントが足りなくなると、いわゆるタコ足配線をすることになります。タコ足配線とは、延長コードなどを使用し、挿し込み口を増やすことです。しかし、コンセントには定格容量があり、同時に安全に使用できる電力量が決まっています。タコ足配線をして容量を超えてしまうと、ケーブルやプラグが発熱し、発火の危険性が高くなります。

コンセントの計画時に、その部屋、その場所に必要になるコンセント数はよく検討し、タコ足配線はなるべく控えて下さい。部屋ごとのコンセント数の目安と、使用する電化製品の例は下記です。一般的な目安なので、自分達の暮らしに当てはめ、スマート家電などを多く使う人はプラスして下さい。(*エアコン用は数から除いています)

●リビング:6~8個

テレビ、パソコン、携帯充電器、ゲーム機器、電話、扇風機、空気清浄機、こたつ、ロボット掃除機など

●キッチン:6~8個

電子レンジ、冷蔵庫、オーブントースター、炊飯器、フードプロセッサー、ポット、コーヒーメーカー、ホームベーカリーなど

●ダイニング 2~4個

ホットプレート、卓上調理器など

●洗面脱衣所:2~4個

洗濯機、ドライヤー、サーキュレーター、電動歯ブラシ、充電式ひげ剃りなど

●トイレ:2個程度

ウォシュレット、暖房器具など

●玄関:2~4個

電動自転車用充電器、掃除機など

●廊下:2~3個

掃除機、常夜灯など

●屋外:1~2程度

高圧洗浄機、日曜大工、イルミネーションなど

コンセントがあると便利な場所4選

次に、家づくりの先輩たちが、コンセントがここにあって便利だった、という場所をご紹介します。キッチンやリビングと比べて忘れがちな場所なので、ぜひ参考にして下さい。

・洗面所の収納内部

洗面所の収納の中や、洗面台の中にコンセントがあると、電動歯ブラシや、ひげ剃りの充電に役立った、という声が多くあります。扉の内側に収納できることで、見た目も、衛生面でも、きれいに保てますね。

・階段の踊り場

階段の踊り場にコンセントがあると、掃除機のコードが届かない範囲がなくなります。また、コンセントにさすタイプの常夜灯用としても活用できます。

・玄関やシューズクローク内

玄関やシューズクロークにコンセントがあれば、電動自転車や、外で使う工具の充電にも役立ちます。また、掃除機や水槽用、アロマディフューザーやランプなど装飾用としても利用でき、ロボット掃除機の充電スポットとしても活用できます。

・車庫や駐車場付近

家族で車を利用すると、車内は食べかすや落ち葉などで汚れ、掃除機を使いたい時もあると思います。充電器式掃除機ではパワーが足りない場合など、車庫や駐車場付近にコンセントがあれば、掃除機を使うことができます。日曜大工をする際にも活用できます。

また、電気自動車を所有していたり、検討していたりという場合は、専用のEVコンセントが必要になります。後から施工すると、配線や配管が外に露出してしまう事があります。将来的に購入を考えている場合は、新築時に準備しておくと良いでしょう。

コンセントの配置チェックポイント

最後に、コンセントの配置について、チェックすべきポイントを解説します。

・インターネット環境が考慮されているか

今や、パソコンやスマートフォンは暮らしに欠かせない存在です。家づくりにおいて、インターネット環境を整えることは重要になっています。ルーターを置く位置や情報コンセントの位置は、暮らしの便利さを左右すると言っても過言ではありません。

自宅でWi-Fiを利用するには、ADSLや光回線などのインターネット回線が必要です。回線の終端装置や、ルーターをどこに置くかは、コンセントの計画時に併せて検討しておきましょう。熱がこもりにくく、湿気やホコリの影響を受けにくい場所が向いています。また、無線LANのルーターは、窓際や家の端に置くと、家の中にWi-Fiが届かない場所ができてしまう場合があります。鏡などの反射物や、電子レンジなどの近くも避けましょう。

・季節家電に対応できるか

コンセントは、日常的に使う電化製品のほか、季節家電にも対応できる数があるかチェックが必要です。例えば、春先の花粉の季節には、空気清浄機を使う人もいます。夏には扇風機や除湿器、秋や冬にはストーブやこたつなど、暮らしの中では、季節に応じた電化製品が追加されます。お住まいのエリアによっても異なるため、それぞれの季節に、どの部屋でどんな電化製品を使うのか、イメージして計画してください。

また、暑がりの人は、脱衣所に扇風機やサーキュレーターを置きたい、寒がりの人はトイレに暖房器具を置きたいなど、感覚によっても要望が異なります。家族の意見をあらかじめ聞いておくと良いでしょう。

・高さは考慮されているか

コンセントは、数と位置のほかに、高さも重要です。一般的なコンセントは床から25cm程度の高さに設置されます。洗濯機用は1m20cm程度、エアコン用や冷蔵庫用は1m80cm~2m程度の高さに設置されることが多いと思います。

また、ペットを飼っていたり、高齢で腰が悪かったりなどの理由で、全てのコンセント位置を高く設置するケースもあります。コンセントが低い位置にあると、ペットが引っかいたり、コードを嚙んだりして、火災や感電の心配があります。また、腰が悪い人にとっても、屈んでコードを抜くことは一苦労です。位置を高くすることで、心配や苦労が解消します。電化製品の使い勝手や、家族の事情をよく考え、最適な高さを選んでください。

まとめ

今回は、注文住宅を建てる際に、必要なコンセントの種類や数の目安、配置のチェックポイントについて解説しました。昨今、便利な電化製品やスマート家電が増え、以前より必要数が増えています。住んでから後悔しないよう、数や位置を参考にして頂き、自分たちの暮らしをイメージしながら計画をして下さいね。