ランドリールームとは?広さや間取り、実用的につくる方法を解説

せっかく注文住宅を建てるなら、家事がラクになる間取りにしたいもの。なかでも、洗濯の手間や時間を短縮したい、という人は多いでしょう。今回は、洗濯家事がラクになる、『ランドリールーム』についてご紹介します。ランドリールームとは何か、使いやすい広さや間取り事例、実用的につくる方法についても解説します。

ランドリールームとは

まずは、ランドリールームとはどんな場所か、特徴やメリット・デメリットをご紹介します。また、似たような言葉で、『サンルーム』も聞いたことがあるかと思います。ランドリールームとは何が違うのか解説します。

・ランドリールームとは

洗濯にまつわる家事のためのスペースです。ランドリールームでは、洗濯の工程である『洗う』、『干す』、『たたむ』、『アイロンをかける』、などの作業が、一箇所で完結できます。家事動線がコンパクトになり、効率的です。次に、どんなメリット・デメリットがあるのかご紹介します。

・メリット

●好きな時間に洗濯ができる
●作業が一箇所で行えて、効率的
●お天気やひと目を気にせず干せる
●花粉やPM2.5などの心配が無用
●来客時にも生活感を隠せる
●ベランダ・テラスがほかの用途に活用できる
●紫外線による衣類の傷みを防げる

洗濯と一口に言っても、工程はたくさんあります。洗濯機で洗った後、外干しの場合は、ベランダなどに移動して干します。乾いたら、またベランダに行ってとり込み、リビングなどに運んで畳み、最後は各部屋にしまいに行き、家中を歩き回ることになります。

ランドリールームでは、作業が一箇所で完結でき、お天気や時間を気にすることなく、自分の好きな時に洗濯ができます。とくに、共働きのご家庭では、夜に洗濯をすることが多いと思います。夜間やお風呂上りに、どんな格好でも、自由に洗濯ができることは、大きなメリットでしょう。 

また、洗濯家事がランドリールームで完結すれば、ベランダやテラスがもっと有効に使えます。カーテンを開けて外の景色を楽しんだり、テラスで寛いだりが、いつでも出来ます。広いテラスなら、BBQや、おうちキャンプ、お子さんのプール遊びにも活用でき、その際も、洗濯物を汚す心配がありません。

・デメリット

●通気性が悪いと、臭いやカビの原因になる
●広いスペースを確保すると、ほかが狭くなる
●物干しスペースと日常の動線がぶつかると不便
●洗面所と併設すると、洗濯物を来客に見られてしまう

家づくりでは、日当たりの良い場所には、リビングなどを優先的に配置します。ランドリールームは日当たりを確保できない場合が多く、その分、通気性を重視する必要があります。通気性が確保できないと、洗濯物が乾きにくく、生乾き臭や、室内のカビの原因になります。

また、物干しスペースと日常の動線がぶつかると、不便でストレスになってしまいます。ランドリールームを洗面所と併設する場合は、来客時に洗濯物が丸見えにならないような対策が必要です。

・サンルームとの違い

ランドリールームと似たものに、サンルームがあります。サンルームとは、屋根や壁をガラス張りにして、日光をたくさん取り込むようにした部屋のことです。ガラス張りの温室のようなタイプだけでなく、部屋干しやくつろぎの空間として、窓際につくられた部屋のことも、サンルームと呼ばれています。 一方、ランドリールームでは、通気性が重視されます。サンルームが日当たりを重視するのに対し、ランドリールームは、効率的な動線や、通気性、除湿といった点に配慮して設計されている点に違いがあります。

ランドリールームの広さと間取り事例

次に、使いやすい広さと、おすすめの間取り事例を解説します。

・使いやすい広さとは

ランドリールームに適した広さは、1坪~2坪と言われています。家族の人数によっても変わり、4人家族では、1.5坪(約3帖)程度の広さが欲しいところです。狭すぎると不便で、使わなくなってしまう場合も。しかし、広く取りすぎて、ほかのスペースが狭くなってしまうと、理想の間取りが実現できません。独立した洗濯室として、使いやすい広さを確保することが難しい場合は、ほかの部屋と兼用するのがおすすめです。

・おすすめの間取り事例

●洗面脱衣室+ランドリールーム

もっとも人気で、便利なのが、洗面脱衣室と兼用する配置です。一体化させて広くとれば、お風呂に入る際に脱いだ衣類を、そのまま洗濯して干すことができ、動線にむだがありません。昨今、新型コロナウィルスの感染予防のために、帰宅後、すぐにお風呂に直行する人が増えています。脱いですぐに洗濯できれば、外出時に付いた汚れや雑菌を、リビングやキッチンに持ち込まずに済んで安心です。

注意すべき点は、来客も洗面所を使うことがあるため、丸見えにならないための対策を忘れないことです。洗面所と物干しスペースの間に『引き戸』をつけると良いでしょう。引き戸は、開けておいても扉が邪魔にならず、半開きにもできる点が便利です。来客がない時は、通風のために開けておきましょう。

●ファミリークローゼット+ランドリールーム

ランドリールームの隣に、家族で使えるクローゼットを配置する間取りもおすすめです。洗濯の工程の中で、意外と面倒なのが『しまう』こと。畳んだ衣類を、それぞれの部屋にしまうのは手間がかかり、ついリビングに置いてしまいがちです。

ファミリークローゼットが近くにあれば、『洗う』から『しまう』と『着る』までの一連の流れが集約でき、家族全員の時短になります。衣類が一箇所にまとまっているので、探す手間もいりません。脱いだ服が部屋に放置されてしまうことや、お風呂上りに、慌てて部屋まで服を取りに行くこともなくなります。

実用的なランドリールームをつくる方法

最後に、実用的なランドリールームをつくる方法をご紹介します。せっかく作ったのに、『使い勝手が悪かった』、『いらなかった』と後悔したくないですよね。ランドリールームを活用するために、必要なものと、注意するポイントを解説します。

・ランドリールームに必要なもの

ジメジメして洗濯物が乾きにくいと、いやな臭いが発生します。臭いの原因は、モラクセラ菌です。乾くまでに時間がかかると、増殖してしまいます。部屋干しでは、早く乾かすことが重要です。ランドリールームには、洗って干すための道具の他に、早く乾かすためのアイテムも、準備しなければなりません。ランドリールームに必要なものは、以下になります。

●洗濯機

洗濯機には、縦型とドラム型があります。それぞれに、洗濯から乾燥までできる製品があります。乾燥時の違いは、ドラムの方が、カラッと仕上がり、シワになりにくいと言われています。縦型は、乾燥には時間がかかり、シワになりやすいようです。しかし、縦型は十分な水を使ってしっかり洗える、という点から根強いファンも多く、衣類乾燥機などと組み合わせて使う人が多いようです。

●物干しユニット

物干しユニットには種類があります。天井に固定するタイプ、取り外し可能なポールに物干し竿を通すタイプ、また昇降式もあります。昇降式は、物干し竿ごと天井に埋め込んでおくことができ、使用時に昇降させるため、空間を有効利用できます。また、物干し竿を並べて設置する場合は、間隔を50㎝は開けるようにしてください。

●窓

ランドリールームでは、生乾き臭やカビの発生を防ぐために、風通しが重要になります。窓はできるだけ2箇所取り、風の通り道をしっかり確保してください。同じ室内に2箇所取れない場合は、隣接する部屋の窓を利用しても良いでしょう。

●換気扇

換気扇も、必須アイテムです。24時間換気システムにも使われるような換気扇のほか、天井埋め込み型のサーキュレーターや、浴室乾燥機としても使われる、暖房や送風機能のついたタイプなどがあります。お手入れのしやすさや、値段の違いもあるので、よく検討して選ぶようにしてください。

●除湿乾燥機

ランドリールームに窓があっても、雨や風が強い日などは、大きく開けられません。十分な風通しがないと、臭いやカビが発生してしまいます。洗濯物が臭う原因は、乾く速度が遅いことにあります。換気扇と除湿乾燥機を併用し、早く乾く環境を整えておくことが大切です。

●衣類乾燥機

衣類乾燥機は、清潔にカラッと乾かせるので、赤ちゃんやお子さんのいるご家庭には、特におすすめです。お子さんは、遊びや食べこぼしで衣類を汚すことも多く、洗濯の量も多いと思います。衣類乾燥機を使えば、干す手間が省けます。天気予報の確認も要らず、急な雨でも安心です。

衣類乾燥機には、電気式とガス式があります。ガス式には、乾燥時間が短い製品もあり、人気があります。除菌効果も高く、衛生面が気になる人にも向いています。洗濯物の量が多い場合は、部屋干しと衣類乾燥機を組み合わせて使うと良いでしょう。

●作業台

作業台では、衣類をたたんだり、アイロンをかけたりの作業ができます。スペースが取れない場合は、折り畳み式の作業台を壁に取り付けることもできます。

●収納

ランドリールームには収納も欠かせません。洗濯時に使う洗剤やハンガー、洗濯ネット、洗剤類のストックのほか、お風呂や脱衣所が近い場合は、タオルや下着、パジャマ類も置けると便利です。棚は可変式をおすすめします。

上記のほか、泥汚れや上履きなどを洗うためのスロップシンクや、サーキュレーター、エアコンなどを設置する場合もあります。

・ランドリールームをつくる際に注意するポイント4つ

①空気の通り道を確保する

ランドリールームでもっとも心配なのは、洗濯物の乾きにくさや、生乾き臭だと思います。換気扇に加え、除湿乾燥機やサーキュレーターの設置をおすすめします。窓はなるべく2箇所以上設置し、風の通り道を確保してください。お風呂や洗面脱衣室と隣接する場合は、隣室の窓を利用して空気の流れをつくっても良いでしょう。

②作業しやすい高さや位置にする

ランドリールームの設備は、作業しやすい高さと、位置であることが重要です。たとえば、物干し竿について。間隔が狭すぎると、洗濯物が乾かないことがあります。また、設置位置が日常の動線とぶつかると邪魔になり、高すぎたり、低すぎたりも、不便でストレスになります。

次に、作業台について。立って使うのか、座って使うのかで、使いやすい高さが変わります。どのように使いたいか、イメージしておくことが大切です。アイロン用のコンセントも、忘れずに配置してください。

③適切な内装材や、設備を選ぶ

内装材は、耐水性のあるタイルや、調湿効果や消臭効果のあるクロス(壁紙)、漆喰などを選ぶと良いでしょう。家具も、錆びに強いステンレスやプラスチックだと、長く使うことができます。

設備では、ご家庭によっては、スロップシンクを導入する場合もあります。スロップシンクとは、深さがあり、泥汚れを洗ったり、浸けおきしたりできる、大きめの流しです。雑巾や絵具・お習字道具など、洗面所やキッチンで洗う事をためらうものにも向いています。スロップシンクの周りは、水が跳ねることを想定し、タイルやキッチンパネルにするとお手入れがラクです。

④『しまう』場所も併設する

ランドリールームは、『しまう』場所も近くにあると、さらにラクになります。洗濯物を『干す→たたむ→しまう』という動線が短くなり、リビングなどに衣類が散乱することも防止できます。

ランドリールームが洗面脱衣室と一体の場合、タオルや下着、パジャマなど、湯上りに使うものは洗面脱衣室に、上着など他の衣類は、併設したファミリークローゼットに収納すると良いでしょう。ランドリールームの近くに、十分な収納量を確保することが大切です。

まとめ

ランドリールームは、日常に欠かせない洗濯をラクにしてくれます。とくに、夜に洗濯をすることが多い共働き世帯や、洗濯の量が多い子育て世帯から注目されています。メリット・デメリットを知って頂き、使いやすい広さや間取り事例、注意点も参考にしてください。ランドリールームを活用し、洗濯がラクな暮らしを叶えてみませんか。

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