家づくりで後悔しない色決め
新築の内装を決めるとき、「この色で後悔しないかな」と不安になることがありますよね。
そこで今回は新築住宅の内装で悩まないために、色決めとは何かと内装カラーコーディネートの決め方、基本知識についても解説します。
ぜひ家づくりの参考にしてください。
新築住宅の内装で重要な『色決め』とは
家づくりで住宅メーカーや設計事務所を選び、間取りや仕様が決まった後、いよいよ内装の『色決め』です。
床、壁、天井、建具(ドア)、などの仕上げ材を具体的に選んでいく作業で、インテリアのイメージが決まります。
・決める順番
最初に面積が大きくて家全体で統一する『床材』を決めます。
次は同じように全体で統一する『建具(ドア)』です。
そのあと各部屋の壁の仕上げ、天井の仕上げ、巾木や取手など、大きい部分から小さいところまで全て選んでいきます。
カラーコーディネートでもっとも大事なのはトータルバランスです。全体としてどんなイメージにしたいかで選ぶことが大切です。
・色の特性
色には視覚的な効果をもたらす特性があります。
それぞれの特性を知った上でコーディネートすることで、広く見せたい場合や落ち着いた印象が欲しい場合などにうまく利用できると思います。
まずは『膨張色』と『収縮色』について。
実際より大きく見えたり、小さく見えたりする錯視効果で、聞いたことがあるかもしれません。
膨張色は白やベージュ、淡いパステルカラーなど明るい色のことで、実際より広く大きく見せる効果があります。
収縮色は黒や紺、ダークグレー、ダークブラウンなどで、小さく、引き締まって見える効果があります。
また、『進出色』と『後退色』もあります。
進出色は暖色系といわれる赤やオレンジ、濃い黄色などです。実際よりも前に出て見えるため、大きな面で使うと実際よりも狭く見えてしまうことがあります。
注意を引くため、日常では信号や標識などでも使われています。
反対に後退色は寒色系の青、緑などや暗い色です。
実際よりも遠くに見えるため、部屋の奥の壁に使えば奥行きを演出する効果もあります。
内装カラーコーディネートの決め方
カラーコーディネートで大切なのはトータルバランスでしたね。
ここでは内装カラーコーディネートの決め方を解説していきます。
事前準備をすることや知っておくことで悩まずスムーズに選んで決めていくことができると思います。
①好きなテイストを選んでおく
打ち合わせの前に、事前準備として好きなインテリアのテイストを選んでおくことが大切です。
インターネットや雑誌で気に入った写真やデザインを集め、テイストについて家族で話し合っておくと良いでしょう。
たとえば、明るめの木目調のインテリアではナチュラル、北欧インテリア、フレンチカントリーなどがあります。
少し濃い色味になると、モダン、和風モダンがあり、ほかにもモノトーンを基調とした男前・塩系インテリアや海外をイメージした西海岸風やハワイアン、アジアンテイストなどもあります。
数あるテイストの中からイメージを絞っておくと、実際の色決めの際に選択肢が絞れてスムーズです。
②カラーコーディネートの黄金比を守る
インテリアにおけるカラーコーディネートの黄金比とは、プロも意識するバランスの良い配色割合のことです。
どの色をどれくらいの面積で使ったら素敵に見えるか、という配分のコツですね。
『ベースカラー』『メインカラー』『アクセントカラー』の3つを選び、それぞれ70%、25%、5%の割合にすれば、お部屋がセンス良く見えます。
好きなテイストに合わせたり、置きたい家具に合わせて選んだりすると良いでしょう。
ベースカラーなどは同系色であれば2、3色でも構いません。
③ベースカラーは求めるイメージで選ぼう!
『開放感が欲しい」、『奥行きを出したい』、『落ち着いた雰囲気にしたい』など、その部屋に求めるイメージからベースカラーを選びましょう。
たとえば開放感が欲しい場合、床→壁→天井の順に明るい色を選んでください。
床材=ブラウン系フローリング→壁=白→天井=白はポピュラーな組み合わせです。
奥行きを出したいときには奥の壁を後退色である青や緑にするのがおすすめ。
大きな面ではなく、小さい面積に使うのがコツです。
また、ある程度の広さがあって落ち着いた雰囲気を望む場合は、天井を濃いブラウンや木にすると雰囲気がグッと締まり、シックな印象になります。
④カーテンや家具、観葉植物もインテリアの大事な要素
カーテン類や家具、観葉植物は引き渡し後に選ぶこともできますが、インテリアの大事な要素になるので、打ち合わせ時に設計士やコーディネーターに相談しておくと良いでしょう。
特にカーテン類はメインカラーとなり、また既製品でぴったりのデザインやサイズを選ぶことが難しいため、内装と一緒に選んで発注することをおすすめします。
カーテン以外にもブランドやロールカーテンを選ぶこともできます。
⑤サンプルは必ず大きめサイズで確認しよう
壁材や床材はカタログだけで色決めすると、仕上がりがイメージと違ってしまうことがあります。
いくつか選んだら必ず大きめサイズのサンプルも取り寄せてください。
面積効果により、小さいと濃く見え、大きな面だと明るく見えるからです。
またカタログの台紙の色によっても見え方が変わってしまいます。
大きめなサンプルを手にしたら、壁紙なら垂直に立てたり、床材なら下に置いたりして見え方を確認してください。
オフィスの蛍光灯の下ではなく、昼間にお家の中で確認できればさらに良いと思います。
内装における色の基本
家づくりでは好きな色を使うのが一番ですが、取り入れる場所や分量によっては落ち着かない雰囲気になってしまうことも。
そこで内装でよく使われる色のイメージや心理的作用など、基本的な知識をご紹介したいと思います。
・白(ホワイト)
清潔感や純粋なイメージ。どの色との相性も良く、広々見せて開放感を与えてくれます。
・黒(ブラック)
クールで高級感あるイメージ。ポイントに使えば引き締め効果があり、また他の色を際立たせます。
・灰色(グレー)
モダンで洗練されたイメージ。柔らかく落ち着いた雰囲気で周囲と調和します。
・赤(レッド)
エネルギッシュで情熱的なイメージ。1点投入でも印象的でアクセントになります。
・青(ブルー)
爽やかで理知的なイメージ。空や水を連想して好感度が高いですが、暗めの青は気分を沈めてしまうこともあり、使う場所や分量には注意。
・緑(グリーン)
癒しや平和のイメージ。自然界にある色のため興奮を静めて穏やかな気持ちにさせてくれます。観葉植物を置き、アクセントカラーとして取り入れる方法は初心者でも挑戦しやすいですね。
・橙(オレンジ)
ポジティブで快活なイメージ。食欲を促進させる効果もあるためダイニング周りで使うと楽しい雰囲気になります。
・茶(ブラウン)
落ち着いて安心感のあるイメージ。アースカラーで大地や木々の豊かさなどを連想し、ほっとひと息つける雰囲気づくりができます。
まとめ
今回は家づくりの『色決め』とは何かをご説明し、内装カラーコーディネートの決め方や基本を解説しました。
コーディネートでもっとも大切なのはトータルバランスです。
求めるイメージや雰囲気になるように、色のもつ特性もうまく利用しながら居心地のよい空間をつくってくださいね。
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