セカンドハウスと別荘の違いやメリット、魅力的な使い方4選
セカンドハウスは、近年テレワークが増加したことや、ワークライフバランスが重視されるようになったことで注目されています。しかし、どのような家なのかよく知らないという人も多いと思います。今回は、セカンドハウスがどんな家なのか、別荘との違いをご紹介し、メリット・デメリットと魅力的な使い方についても解説します。
セカンドハウスとは?別荘との違い3つ
そもそもセカンドハウスとはどんな家なのでしょうか。別荘との違いについても解説します。
・セカンドハウスとは
自宅のほかに生活の場として使う、第2の住まいのことです。利用目的は、週末に自然あふれる場所で過ごすためだったり、職場や学校に近い場所にも拠点を持つためだったり、様々な理由があります。家族のライフスタイルによっては、二拠点生活を送ることで利便性が上がったり、暮らしが豊かになったりすることから、セカンドハウスが注目されています。
・別荘との違い3つ
セカンドハウスは別荘とは異なります。どのような点が別荘と違うのか、3つのポイントを解説します。
●使用目的が違う
セカンドハウスは第2のマイホームとして使われます。一方で別荘は、避暑やレジャー、休養を目的とした家のことを指します。主にGWや夏休み、冬休みなどに利用され、家族で休暇をゆったりと過ごしたり、海水浴やスキーなどの拠点としたり、非日常を楽しむ場所として使われます。
●利用回数が違う
別荘との違いでは、利用される回数についても異なっています。セカンドハウスは、週末にリフレッシュで訪れたり、通勤や通学、介護などの拠点としたり、日常のなかで頻繁に利用されます。一方別荘は、年に何回か訪れる程度で、長い休暇を過ごす場所として利用されることが多いでしょう。
●立地が違う
別荘は、一般的にリゾート地や、森林や海、湖などの近くに立地していることが多いと言えます。長い休暇のときには、都会の喧騒を忘れて自然のなかで過ごしたいという人に向いています。一方セカンドハウスは、リゾート地や自然に囲まれた場所もあれば、都市部の場合もあり、立地は問われません。
セカンドハウスのメリット・デメリット
次に、メリットやデメリットにはどのようなことがあるのかご紹介します。
・セカンドハウスのメリット
●利便性アップ
セカンドハウスがあれば、郊外で暮らしながら職場や学校に近い場所にも拠点を持つことができ、利便性がアップします。近年、働き方が多様化し、テレワークやリモートワークが増加しました。テレワークで仕事ができると、住む場所を選ぶ際に通勤を考慮しないで済みます。子育ては自然に囲まれた場所でしたい、田舎暮らしに憧れていた、趣味のアウトドアや釣りにすぐ行ける場所で暮らしたい、などの夢を叶えることもできます。しかし、会議や打ち合わせで週に1、2回は出社しなければならない場合もあるでしょう。セカンドハウスがあれば二拠点生活が可能になり、利便性も向上できます。また、介護や孫のお世話など、家から離れた場所に頻繁に通う必要がある場合にも、無理のない生活が成り立つでしょう。
●リフレッシュできる
都市部で暮らす人も、郊外のセカンドハウスで週末をのんびり過ごすことで、心身のリフレッシュができます。近年、ワークライフバランスが重視されるようになっています。ワークライフバランスとは、健康で豊かな生活が送れるように、仕事もプライベートも充実させることを目指す動きです。郊外やリゾート地にセカンドハウスを建てれば、リフレッシュのために利用したり、ときには場所を変えて豊かに働くワーケーションの場として使ったり、多様な用途に活用できます。
●税制上の優遇が受けられる
要件を満たせば、税制上の優遇が受けられることもメリットと言えます。別荘は、レジャーを目的とした、言わば贅沢品です。それに対してセカンドハウスは、暮らしに必要な第2のマイホームであり、生活必需品だと言えます。申請をして認定されれば、固定資産税や不動産所得税の控除、住宅用土地にかかる税額の軽減などの措置が受けられます。要件には、生活の拠点として月に1日以上の利用があることや、自宅から一定以上離れていることなどがあります。また、物件購入後60日以内に申請しなければなりません。申請要件や必要書類は、自治体によって異なる場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。
・セカンドハウスのデメリット
●維持費用がかかる
初期費用だけでなく、維持費用もかかることがデメリットでしょう。リフレッシュで週末に訪れたり、仕事場にしたりするためには、水道や電気などのライフラインに加え、インターネットやWi-Fi設備も必要になります。毎月、自宅の水道光熱費に加えてセカンドハウス分も支払うことになり、思っていた以上の出費になってしまう場合があります。また修繕やメンテナンスも、2軒分の費用や手間がかかることを理解しておきましょう。
●住宅ローンが使えない
一般的な住宅ローンは、本人が自宅として居住する家に限定されるため、セカンドハウスは対象外となります。取得時にローンを組みたい場合は、専用のセカンドハウスローンを利用しなければなりません。一般的な住宅ローンと比較して審査が厳しく、金利も高く設定されている場合が多いと言えます。また、住宅ローン控除を受けることもできません。
●防犯対策が必要
セカンドハウスは、常に居住している家ではないため、防犯対策が必要です。例えば、郵便受けがいっぱいになっていたり、雑草が伸び放題になっていたり、夜になっても家の周囲が真っ暗だったりといった家は、空き巣に狙われやすくなります。留守が多くなるため、管理やセキュリティ面の対策は怠らないようにしましょう。防犯対策には、防犯カメラやセンサーライトを設置したり、セキュリティ会社と契約したりといった方法があります。家づくりでは、防犯ガラスや防犯性の高い鍵の採用を検討すると良いでしょう。基本的なことですが、窓や玄関の施錠は徹底するようにして下さい。
セカンドハウスの魅力的な使い方4選
最後に、魅力的な使い方を4つご紹介します。
・趣味を満喫
セカンドハウスは、趣味を満喫する場所に適しています。都会で暮らしていると頻繁にはできないアウトドア体験を、月に何度も楽しむことができます。例えば、山登りやハイキングが好きな人は山の近くに、釣りやサーフィンが好きな人は川や海の近くの立地がおすすめです。道具はセカンドハウスに置いておけるので、自宅から身軽に移動してくることができます。土地が広ければ、畑仕事や庭づくりを楽しむのも良いでしょう。またDIYを楽しむ際も、自宅では近隣の家が近いため、騒音が気になってしまうという場合もあります。ゆったりとした立地にあるセカンドハウスなら、電動ドライバーなどを使ったDIYも、思い切り楽しむことができます。もちろん、どこに住んでいても周囲への配慮や、時間を考えて楽しむことは忘れないようにしましょう。
・ワーケーションに活用
セカンドハウスをワーケーションに活用する方法もあります。ワーケーションとは、『ワーク』と『バケーション』を合わせた造語です。生き方や働き方が多様化するなか、非日常の場所で仕事をして、生産性や心身の健康を向上させることを目的としています。近年テレワークが増加したことや、ワークライフバランスが重視されるようになったことで、二拠点や多拠点での生活が注目されています。とくにコロナ禍以降は、『仕事はオフィスに出社してやるもの』という常識が変わりました。好きな場所で働けるようになり、仕事をしながらバケーションを楽しむことも可能になりました。自然に囲まれた場所に身を置くことで、新しいアイデアや発想が生まれる場合もあります。
・リタイア後に移住できる
リタイア後の移住を前提に、まずは週末移住から始めるという使い方もあります。年に数回使うだけの別荘とは違い、セカンドハウスは、頻繁に訪れることで現地の人との交流も生まれます。リタイア後に急に移住すると、それまでの生活とのギャップに驚いたり、知り合いもいない慣れない土地では、孤独感を感じてしまったりという場合もあるでしょう。いくら窓辺から美しい海や山が見えても、話し相手や仲間がいないと寂しい思いをしてしまうかもしれません。その土地の天候や風習などにも慣れておく必要があります。少しずつ馴染んでいくことで、移住後の生活をイメージしやすくなるでしょう。
・バカンス気分を味わう
セカンドハウスでは、立地や家づくりにもこだわって、家にいながらバカンス気分を味わうのもおすすめです。都市部の暮らしでは、近隣の迷惑になってしまう心配から、自宅でバーベキューをしたり、庭でプール遊びをしたりが難しいという場合も多いでしょう。セカンドハウスは、リゾート地や景観の良い広い土地を選び、テラスや庭のある開放的な家にすることで、生活のなかでバカンス気分を味わうことができます。テラスには、屋外用のテーブルとチェア、ソファなどを置くと、アウトドアリビングが完成します。外での食事は、それだけで何倍もおいしく感じられるでしょう。夜には、星空を眺めながらお酒を楽しむのも素敵です。また、ホームシアターや、家庭用サウナなどの設備を導入すれば、特別感がアップして、遊びゴコロのある家になります。
まとめ
今回は、セカンドハウスの言葉の意味や別荘との違いをご紹介し、メリット・デメリットと魅力的な使い方についても解説しました。レジャーや保養を目的とした別荘に対し、セカンドハウスは第2のマイホームとして使われる、生活に必要な拠点のことです。メリットは、通勤や通学の利便性がアップすること、リフレッシュができること、税制上の優遇を受けられることなどです。趣味を満喫したり、ワーケーションに活用したり、バカンス気分を味わったりなどの使い方ができます。家が2つあるということは、手間や費用がかかるというデメリットもあります。メリット・デメリットをよく理解した上で、暮らしを豊かにしてくれる、セカンドハウスを検討してみてはいかがでしょうか。