虫に負けない! ハーブとアロマの虫除け知識と活用術

キャンプやバーベキュー、アウトドアリビングでホームパーティーなどアウトドアで過ごすことが増えるシーズンでもあります。しかしそんな時気になるのは虫との戦い。また、家の中でも蚊やハエ、コバエなどが発生し同様に虫除け対策しないといけません。季節的に虫の活動が活発になるので、今回は虫を寄せ付けない対策をご紹介します。

そこで、おすすめしたいのが自然の力を借りて行うハーブとアロマの虫除け法です。市販の虫除け製品ではなく、古くから伝わる知恵と植物の持つ力で環境にも身体にも優しいナチュラルなもので虫に負けない快適な暮らしを手に入れましょう。

植物の持つ虫を寄せ付けない忌避作用

ハーブやアロマ精油には虫を寄せ付けない忌避作用があります。それは植物自身が昆虫や鳥などから自分を守るための自然な防御メカニズムを持っているからです。

まずハーブやアロマ精油に使われる芳香植物には、強い香りがあり、これは虫にとって不快な刺激となり、寄り付かないように働きます。例えば、ペパーミントやレモングラス、シトロネラなど刺激を感じる強い香りがそうです。 また、植物自身が持つ芳香物質には自らを食する虫や鳥を避けるよう、反対に虫や鳥を呼び寄せ受粉や種を運ぶように促す役割があると考えられています。その芳香物質の中でも虫が嫌う成分としてリナロール・メントール・カンファー・シトロネラール・シトラール・チモール・オイゲノールなどがあります。これらの成分を持つハーブやアロマ精油を使用することで蚊・ハエ・コバエ・蟻・ゴキブリ・蜂・ダニ・ノミなど厄介な虫たちを追い払うことができるのです。

効果的な虫除けハーブ8選

ゼラニウム…葉っぱに独特の香りがあるゼラニウムは古くから虫除けハーブとして知られており、ヨーロッパではベランダや玄関、窓辺に飾る風習があります。中でも「蚊連草」という種類は蚊が嫌いなシトロネラールという成分を含んでおり、虫除け最強のハーブと呼ばれています。

レモングラス…レモンの香りがするレモングラスにはシトラールという虫が嫌がる成分が含まれており、キッチン周りで発生するコバエに効果的です。

シトロネラ…鋭いレモンのような香りを持つシトロネラは世界中で虫除けハーブとして知られています。シトロネラールを含みアウトドアで使用する虫除けキャンドルやリストバンド、犬用のノミ除け首輪など多くの虫除けグッズに使われています。

ミント…スーッとしたメンソール系の香りは馴染みがあり気分も軽やかにしてくれますが、虫にとっては苦手なメントール成分を多く含んでいます。玄関やベランダ、キッチン周りに置くのがおすすめ。

ラベンダー…リラックス効果があることで知られるラベンダーには、リナロールという成分が含まれており、この成分は実は蚊・ハエ・蛾・ダニ・ノミなどの虫除けにも効果が期待できます。

ローズマリー…独特な鼻をつくツンとした香りにはカンファーという成分が含まれています。樟脳の香りにも似ているため、蚊だけでなく衣類の虫除けにも適しています。

タイム…古代ローマ・ギリシャ時代から紙類の虫食い防止に使われていたハーブ。チモールという成分が含まれており、蚊・ハエ・なめくじ・ゴキブリ・ダニを寄せ付けないと言われています。庭の虫に困っている方はタイムを植えてみては?

バジル…イタリア料理でもよく使われるバジルは、家庭菜園で育てている人も多いでしょう。食欲を刺激するこの香りにはリナロールやシネオールという成分が含まれており、蚊やハエを寄せ付けない効果が期待できます。

アロマテラピーの虫除け活用法

  • アロマディフューザーの使用

アロマ精油を微粒子にして直接空気中に広げるネプライザー式ディフューザーを使って虫除け効果のある精油をディフューズする。部屋中に香りを広げることで虫を遠ざける効果が期待できます。

  • 虫除けスプレーを作る

100mlのスプレーボトルに無水エタノール10mlと虫除け効果のある精油を10滴と精製水を90ml加えてよく混ぜ合わせて完成。2種類以上ブレンドするのがおすすめです。お肌に使用する場合、小さなお子様や敏感肌の方は精油を5滴にして作ってください。体や衣服に直接スプレーしたり、虫の侵入口や発生しやすい場所にスプレーをシュッシュッと吹きかけると効果的です。

  • 混ぜるだけで簡単に出来る虫除けポプリ・サシェを作る

紙コップの中にドライハーブ(ミント・シトロネラ・レモングラス・ラベンダー・ローズマリーなどあるものでO K)を大さじ2杯程度計り入れ、そこに虫除け効果のある精油を10滴ほど垂らしてよく混ぜ合わせる。それを100円ショップなどで売られているオーガンジーの巾着袋に入れて洋服ダンスやクローゼットに置いてみましょう。また、ゴキブリ対策にはお弁当用アルミカップに乾燥クローブ大さじ1杯程度入れて、そこにクローブ精油を10滴ほど染み込ませ、ゴキブリが出没しそうな場所に置いてください。

  • 虫除けキャンドルを使用

最近はアウトドアショップやホームセンターで天然精油を使用した虫除けキャンドルが購入できます。シトロネラやレモングラス、レモンマートルの爽やかか香りを楽しみながらアウトドアでのキャンプやバーベキューの際に試してみてください。もちろんお部屋での使用もおすすめです。

【注意点】 アロマテラピー精油を虫除けに使用する場合、精油の種類や使用量にご注意ください。肌に直接使用する場合はパッチテストを行なって刺激がないか確認しましょう。特に小さなお子様や妊娠中の方は十分にお気をつけください。

虫除けアロマブレンドレシピ

虫の種類別に効果的なおすすめのアロマブレンドレシピです。アロマディフューザーに入れて使用したり、スプレーやサシェ作りの時に参考にしてみてください。アロマの心地よい香りも楽しむことができるブレンドレシピです。

蚊対策①

レモンマートル 4滴
シトロネラ 3滴
レモングラス 4滴 

蚊対策②

ラベンダー 5滴
レモングラス 3滴
ゼラニウム 2滴

ハエ・コバエ対策①

ペパーミント 4滴
ラベンダー 3滴
レモングラス 3滴 

ハエ・コバエ対策②

バジル 4滴
タイム 2滴
レモングラス 4滴

ノミ・ダニ対策①

シトロネラ 4滴
タイム 2滴
ローズマリー 4滴

ノミ・ダニ対策②

シトロネラ 5滴
ラベンダー 5滴

蟻対策①

ゼラニウム 4滴
ペパーミント 6滴

蟻対策②

レモンユーカリ 4滴
ペパーミント 4滴
ラベンダー 2滴

ゴキブリ対策

クローブ 7滴
ベチバー 3滴

ご紹介したレシピはほんの一例なので、こちらを参考にしてご自身でアレンジして香りを作ってみるのも楽しい作業ですよ。

まとめ

世の中には様々な虫除け製品がありますが、環境や身体へ優しいナチュラルな方法で虫除けできるハーブやアロマを生活に取り入れてみるのも良いのではないでしょうか?

植物そのものの香りは癒しの空間やお部屋を演出することができますし、快適な環境を作り上げることができます。小さなお子様がいらっしゃるご家庭やペットにも刺激が少ないハーブやアロマもありますので、安全性に注意しながらご自身に合ったものを選んでみてください。

プロフィール

【荒石由紀恵】

中央大学を卒業後、山口放送に入社し、局アナウンサーとして勤務する。 T V番組内でアロマテラピーを取材したのをきっかけに学び始める。退社後、アロマが盛んなオーストラリアへ留学。生活の中で身近に使われるアロマに触れその魅力にはまり、帰国後に認定資格を取得する。1999年よりアロマ講師として活動を開始し2004年には、「心と身体の真の癒し」をコンセプトにした専門店「AROMADROPS」をオープン。介護施設でのアロマケア、クリニックでの産後ケアにも携わりセラピストとしても活動している。アロマテラピーの可能性を広げるため多方面で香りと他業種のコラボレーションを仕掛けている。

◇ アロマドロップス http://aromadrops.net/