アメリカの暮らしとインテリア、おしゃれに取り入れるコツとは

アメリカのインテリアやライフスタイルは、日本でも人気です。アメリカンテイストを取り入れている家や、ショップがたくさんあります。一口にアメリカンインテリアと言っても、カントリー調からレトロポップ、西海岸風など、さまざまなスタイルがあります。今回は、アメリカの暮らしと、インテリアの種類や特徴についてご紹介し、アメリカンインテリアをおしゃれに取り入れるコツも解説します。

アメリカの暮らしとインテリア

まずは、アメリカの暮らしや、家とインテリアの特徴、日本との違いについて解説します。

●アメリカの暮らし

アメリカは移民が多い、他民族国家です。文化やインテリアにも、いろいろな国のエッセンスが取り込まれています。アメリカ大陸は、16世紀後半から18世紀頃まで、イギリスの植民地でした。そのため、ヨーロッパからの影響は特に大きいと言えます。国土は日本の26倍もあり、国内でも3時間の時差があります。国民性は、フレンドリーで社交的な人が多く、ホームパーティー文化が根付いています。また、自由の国とも言われ、個性をとても大切にしています。アメリカの暮らしで特徴的なことは、家の中でも土足のまま過ごせることです。しかし、近年は、靴を脱いで、室内用のサンダルなどを履く人も、増えているようです。

●アメリカの家とインテリア

アメリカでは、家は人が集まるところ、と考えられています。家に人を招く文化があり、誕生会やクリスマスはもちろん、スポーツ観戦などでも、家族や仲間で集まります。家は、個性を表現する手段でもあります。外観やインテリアは、カラフルな家が多く、庭の手入れもしっかりされています。トイレとバスルームは一体で、未使用時はドアを開けたままにする習慣があります。また、洗濯物は外に干さないことが一般的です。理由は、景観を損ねないためや、窃盗や放火を防ぐためです。アメリカでは、多くの人が、家にランドリールームや乾燥機を持ちます。

●日本の家との違い

日本の家との大きな違いは、玄関がないことです。土足のまま過ごす人も多いため、ドアを開けると、リビングやキッチンに繋がる間取りが一般的です。アメリカの大都市では、マンションやアパートが多く、大都市以外では、一軒家、それも平屋が多いようです。2階建てでも、2階は、物置や寝室としてだけ使われます。国土の広さの違いにより、日本の住宅は縦に、アメリカでは横に、空間を有効利用する傾向にあります。

アメリカンインテリアの種類と特徴

次に、アメリカンインテリアの種類と特徴を解説します。一口にアメリカンと言っても、時代や地域の違いで、カントリー調からポップなテイストまで様々あります。代表的なものを8つご紹介します。

●アーリーアメリカン 

アーリーアメリカンは、イギリスの植民地となり、開拓期とも呼ばれる時代をイメージした、カントリー調のインテリアです。ログハウスや木製の家具に、ギンガムチェックやパッチワークなどのファブリックが特徴的です。また、アメリカの片田舎の懐かしい雰囲気に、ヨーロッパのエッセンスが加わっているのもポイントです。この頃の建築は、コロニアル様式と呼ばれています。家の正面には、大きな屋根付きのポーチやデッキがあり、大きな窓と、板を横に貼った壁が特徴的です。内装では、イギリスを感じさせる、ガーリーな小花柄の壁紙やカーテン、ペンダントライトなども使われています。

●ヴィンテージスタイル

古き良きアメリカの雰囲気を味わえるのが、ヴィンテージスタイルです。ブラックやブラウンといった、落ち着いた色を基調にしています。素材では、レザーやデニムなどがポイントとして使われます。ウォールナットなど、落ち着いた色の木製の家具に、どっしりとした革製のソファーや、アイアンのアイテムが似合います。流木をディスプレイしてもおしゃれです。ポスターなどで、差し色を加えるのもおすすめ。渋くてレトロ感があり、でもどこか温かみを感じられるのが、ヴィンテージスタイルです。

●レトロポップ

レトロポップは、映画に出てくるアメリカンダイナーのような、カラフルでポップなインテリアです。床は、白×黒や白×赤などの、鮮やかな市松模様が印象的です。コカコーラのロゴ入りテーブルや、カラフルなチェア、ファイヤーキングの食器などを用いれば、アメリカンダイナー風のレトロポップインテリアの完成です。ネオンサインや、ブリキのオブジェなども雰囲気を盛り上げます。

●ミッドセンチュリー

ミッドセンチュリーは、1950年代頃をイメージした、インテリアのスタイルです。この時代は、第二次世界大戦が終わり、インテリアや家具に新しい素材が登場し、多くのデザイナーが活躍し始める頃です。家具や照明は、機能性やデザインが重視されます。名作家具として有名なイームズチェアは、この頃の代表作です。シンプルで、曲線を活かしたデザインの椅子です。また、内装には、木や石材、レンガなど、自然素材が多く使われています。色使いにも特徴があり、オレンジや茶色、くすんだイエローなどが用いられ、温かく、懐かしい雰囲気を演出しています。

●コンテンポラリー

コンテンポラリーは、『現代的』という意味で、シンプルで、直線的なデザインのインテリアです。ミッドセンチュリーが20世紀半ばをイメージしているのに対し、20世紀後半から現代まで、発展を続けているスタイルです。白などの単一色を基調とし、差し色や幾何学模様をアクセントに効かせます。大胆な絵柄のアートも映えます。最新設備を備えたセレブの住宅などにも見られる、すっきりとしておしゃれなインテリアです。

●西海岸風

西海岸風インテリアは、カルフォルニアのビーチリゾートをイメージした、日本でも人気のスタイルです。白や青といった爽やかな色使いと、アメリカらしい、カジュアルでリラックス感あるムードが漂います。内装や家具には、自然素材や無垢材が多く使われています。また、大型の観葉植物を置くのもおすすめ。海沿いのヤシを連想させます。シーリングファンや木製のブラインドなども、開放感ある雰囲気にぴったりです。

●ブルックリン

ブルックリンも日本で人気のスタイルです。日本では、男前インテリアなどとも呼ばれています。コンクリートむき出しの壁や、インダストリアルなテイストが特徴です。ブルックリンとは、地名です。ニューヨークのダウンタウンで、もともと工業地区です。1990年頃、若者やアーティストが、空き倉庫や使われなくなった工場をリノベーションして暮らし始めました。その後、インダストリアルでおしゃれな雰囲気のカフェやレストランも増え、ブルックリンスタイルと言われるようになりました。内装や家具には、ブラックのアイアンや、レンガなどが多く使われます。

●ニューヨークスタイル(マンハッタンスタイル) ニューヨークスタイルは、シンプルで機能的です。マンハッタンスタイルとも呼ばれています。同じニューヨーク州の中でも、ブルックリンは、下町の味わいがあるのに対し、マンハッタンは、都会的で洗練された印象があります。コンクリートやガラスの高層ビルが立ち並ぶビジネス街、というイメージがあるかもしれません。しかし実際は、レンガ造りの古い建物などもあり、多くの人が暮らす場所でもあります。マンハッタンスタイルは、モダンとレトロがうまく調和した、ラグジュアリーな雰囲気をもちます。白を基調とした、シンプルなデザインながらも、アクセントクロスに柄を入れたり、シャンデリアを取り入れたりと、ホテルライクな上質な空間が特徴です。

アメリカンインテリア、おしゃれに取り入れるコツとは

最後に、アメリカンインテリアをおしゃれに取り入れるコツを4つ解説します。

●ポップカラーを使う

アメリカンインテリアを楽しむには、ポップカラーを使うのが近道です。ビビットカラーでダイナー風の楽しい雰囲気にしたり、デニムカラーでナチュラルな西海岸風にしたり、オレンジや黄色でミッドセンチュリー風にしたりなど、色を使うことで、ポップなアメリカンインテリアを楽しめます。また、アメリカの国旗である星条旗や、星型のアイテムを取り入れるのも、簡単で、おすすめです。

●レンガやアイアンのアイテムをプラス

ブルックリンスタイルや、ヴィンテージスタイルでは、レンガやアイアンは欠かせません。コンクリート打ちっ放しの内装に、レンガやアイアンのアイテムをプラスすれば、インダストリアルで、無骨な印象になります。また、レンガに、落ち着いた色の木製の家具を合わせれば、ヴィンテージ感のある空間に仕上がります。コンクリート打ちっぱなしや、レンガは、本物でなくても大丈夫です。コンクリート風、レンガ風のクロスやシートで、十分に雰囲気を味わえます。

●ポスターやサインを飾る

ポップな柄のポスターや、ネオンサインなどを飾ることも、アメリカンな雰囲気にするコツです。USAのナンバープレートを飾っても、かっこいいですね。ディスプレイには、ブリキのオブジェや、アメリカで人気のキャラクターなど、雑貨をたくさん飾っても、楽しい雰囲気がつくれます。しかし、たくさんの雑貨をおしゃれに飾るのは、簡単ではありません。ポップでおしゃれなポスターは、1、2枚あれば、それだけでイメージがぐっとアメリカンになります。

●開放感のある空間にする

アメリカンインテリアでは、どのテイストでも、開放感のある空間にすることが大切です。自由の国アメリカらしい、リラックス感のあるインテリアを心掛けましょう。たとえば、アメリカでは、カーテンレールを窓枠のすぐ上ではなく、天井の近くに取付けます。理由は、天井を高く感じさせ、開放感ある空間を演出できるからです。ほかにも、明るく大きな窓にしたり、吹き抜けを採用したり、シーリングファンなどのアイテムを用いて、開放感を演出しましょう。

まとめ

今回は、アメリカの暮らしと、インテリアの種類や特徴についてご紹介し、おしゃれに取り入れるコツを解説しました。アメリカンインテリアには、さまざまなテイストがあります。楽しいレトロポップから、渋いヴィンテージスタイル、人気の西海岸風など、アメリカと一口に言っても、時代や地域によって異なります。しかし、どのインテリアも、レトロとモダンがうまく調和し、木やレンガなどの自然素材を活かしています。アメリカンインテリアは、日本でもなじみやすいデザインなので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。