【新築】壁紙の選び方、ポイントとおしゃれな壁紙4選を解説

壁紙は、インテリアの印象を決める重要なアイテムです。新築時の壁紙選びは、楽しい反面、どう選んで良いのか分からない人も多いと思います。壁は部屋の中でも大きな面積を占めるので、壁紙の色や柄で雰囲気が大きく変わります。今回は、壁紙の種類をご紹介し、おしゃれな壁紙4選と、新築で壁紙を選ぶ際のポイントを解説します。

新築で使われる壁紙の種類とメリット・デメリット

壁紙は、クロスとも呼ばれ、いくつもの種類があります。住宅の新築時に使われる主なものはビニールクロス、織物クロス、紙クロスの3種類で、その他にも木質系壁紙、無機質系壁紙、オレフィン壁紙などがあります。それぞれの壁紙のメリット・デメリットを見ていきましょう。

・ビニールクロス

ビニールクロスは、多くの住宅で使われているもっともポビュラーな壁紙です。ポリ塩化ビニール樹脂が主原料で、耐水性があります。

〈メリット〉

●色やプリント柄などバリエーションが豊富
●価格が安い
●耐久性に優れている
●汚れが拭き取れるなど、手入れがラク
●抗菌、消臭、汚れがつきにくいタイプなど、機能性が選べる

〈デメリット〉

●新築時はビニールの匂いがする
●通気性、調湿性が劣る
●テカリが出ると安っぽい見た目になる

ビニールクロスは、安価でバリエーション豊富なことが大きな魅力です。木目調、大理石調、凹凸があるエンボス加工されたタイプなど様々で、多くの住宅で壁や天井に使われています。特に、汚れが付きやすいキッチンや玄関、トイレなどにぴったりです。

一方で、ビニールという特性上、塗装材などと比べると、通気性や調湿性は劣ります。新築後1か月くらいは、独特の匂いが気になる人もいると思います。こまめに換気をして下さい。

また、ビニールクロスは、健康面への影響や、廃棄して焼却する際にダイオキシンが発生することを懸念する声もあります。現在では、建築基準法で厳しく規制され、抗アレルギー対策された製品などもあり、ほとんどの人にとって安全だと言えます。しかし、個人差もあるため、アレルギー対策をしたい人は、別の選択をしても良いでしょう。

・織物(布)クロス

織物クロスには、木綿、絹、麻などの自然素材を使用したタイプと、ポリエステルやレーヨンなどの化学繊維を組み合わせた、不織布タイプがあります。

〈メリット〉

●高級感、重厚感がある
●布素材ならではの、風合いや凹凸感が美しい
●破れにくく頑丈
●通気性に優れている

〈デメリット〉

●汚れが落としにくい
●防火性のある製品が限られる
●水拭きは避けた方が良い

織物クロスは表情豊かで、高級感があります。通気性も良く、湿気を吸収し、乾燥時には水分を放出してくれます。自然素材の製品は、化学物質が不安な人からも人気で、リビングや和室などで利用されます。

一方、ホコリが吸着しやすく、落としにくい面も。また、防火認定を受けている製品は限られており、キッチンへの利用は向きません。価格は、全体的にビニールクロスより高く、比較的安価なレーヨン素材から、高級シルクの製品まで幅広くなります。織物のため、伸縮して施工が難しいことから、施工費が高くなる場合もあります。

・紙クロス

紙クロスにはいくつかの種類があります。パルプを原料とした輸入物の洋紙や、和紙、ケナフなどの非木材紙を原料とした特殊紙、表面がフィルム加工された合成紙などがあります。

〈メリット〉

●音を吸収し、通気性も良い
●自然素材で安心
●輸入物の洋紙はデザイン性があり、おしゃれな雰囲気になる
●和紙クロスは柔らかい雰囲気になる

〈デメリット〉

●薄く、凹凸面への施工が難しい
●水や擦れに弱い
●時間経過で膨張や収縮しやすく、目地が目立ちやすい

紙素材の壁紙は、音を吸収して、空気を通してくれます。寝室や和室の床の間に適しています。欧米ではパルプを原料とした紙クロスが一般的で、大胆な柄がプリント加工されたものや、エンボス加工されたものなど、個性的な製品が多くあります。紙が原料なので、環境や健康面でも安心です。

また、紙クロスはとても薄いです。そのため、凹凸がある壁に張ることが難しく、下処理を怠ると目地が目立ってしまいます。紙クロスの施工が得意な業者に依頼しないと失敗する恐れがあり、施工費用が高くなる場合もあります。

・その他

壁紙の種類は、上記3つ以外にもあります。たとえば、「木質系壁紙」。薄くスライスした天然木やコルクなどに、紙やアルミが裏打ちされています。温もりのある雰囲気や、カントリー調にしたい場合に適しています。価格は、他の素材より高い場合が多く、腰壁やアクセントクロスとして、部分的な使用がおすすめです。

珪藻土や漆喰といった、無機質の素材から作られているのが「無機質系壁紙」。味わいのある風合いや質感が魅力で、手頃な値段で珪藻土風、漆喰風の壁が実現できます。ビニールクロスなどにはない、モダンで個性的な空間が演出できます。

「オレフィン壁紙」は、ポリエチレンやポリプロピレンといった合成樹脂を主原料としています。オレフィンはプラスチックの一種で、ビニールクロスと近い性質を持っています。汚れや傷に強く、ほこりや汚れが付いた際は水拭きできます。また、焼却する際も有毒ガスがほとんど発生しないことも魅力です。価格は、ビニールクロスよりやや高くなります。オレフィン壁紙は機能的で、地球環境に優しいことからも、子供部屋などに適しています。

おしゃれな壁紙4選

次は、おしゃれで、アクセントにもなる壁紙4選をご紹介します。新築時、ベースの壁紙はシンプルな色の織物風や、塗り壁風を選ぶ人が多いと思います。しかし、リビングやキッチンの一部や、子供部屋などには、おしゃれで遊び心ある壁紙を選ぶのも面白いでしょう。

・木目の壁紙

木目の壁紙は、どんな部屋にも使いやすく、おしゃれで人気です。木目にも色々な種類があります。例えば、白の木目柄はナチュラルで優しい雰囲気になります。グレージュはアウトドアな印象に。また、木目の方向にも種類があり、縦や横、斜めのものもあります。なかでも、ヘリンボーン柄は人気です。なめらかな木肌の風合いがリアルに表現され、ヴィンテージ感のある空間に仕上げてくれます。木目のクロスは、壁だけでなく、天井に貼るのもおすすめですよ。

・レンガ風壁紙

キッチンやリビングで人気なのは、レンガ風の壁紙です。おしゃれなカフェのような雰囲気が演出できます。色味によって雰囲気が変り、自然なあたたかみを感じさせる茶系のレンガ柄、経年変化のあじわいのある白レンガ柄、爽やかなブルーグレーのレンガ柄などがあります。ナチュラルテイストやブルックリンスタイルなど、色々なインテリアに合わせやすいことが魅力です。

・蓄光壁紙

光を蓄え、暗い中で柔らかな光を放つのが、畜光壁紙です。天井に貼って星空のようなロマンティックな雰囲気を楽しんだり、壁面に貼って宇宙空間気分を味わったりもできます。通常は白無地でベーシックな仕上がりになっていて、光ると天体が浮き出てきます。昼と夜で別の表情を楽しめる壁紙になっていて、子供部屋や寝室にぴったりです。

・黒板クロス

黒板のようにチョークで字や絵が書け、水拭きで簡単に消せるのが黒板クロスです。アクセントクロスとしても人気があり、おしゃれで遊び心ある壁紙です。黒板と言っても、カラーは黒だけではなく、ダークブルーやダークグレーもあり、どんなインテリアにも馴染みます。連絡ボードとしても、お子さまの落書き用としても活躍し、家族のコミュニケーションツールになります。

新築で壁紙を選ぶ際のポイント

最後に、新築の家づくりで壁紙を選ぶ際のポイントを解説します。壁紙選びは、好きな柄や色を選べてとても楽しい作業です。しかし、メーカーも種類も無数にあるため、迷わないはずがありません。ポイントをおさえ、ぜひ素敵な壁紙を選んでください。

・色や柄は大きなサンプルで確認する

壁紙を選ぶ際は、気に入ったものは、必ず大きなサンプルを取り寄せて確認するようにしてください。カタログだけで決めると、お部屋に貼った時に印象が変ってしまうことが多くあります。実際の仕上がりは、小さなサンプルで見るより、明るく淡い色に見えてしまいます。

大きなサンプルをもらったら、テーブルの上に置いて見るのではなく、壁面に使う場合は壁に立て掛けるなど、実際の状況に近づけて確認するようにして下さい。

・床・壁・天井のバランスを考える

壁紙は、全体のバランスを考えて選ぶようにしましょう。新築時は、床材や建具(ドア)の色や素材を先に決めている場合が多く、それらと色調が合う壁紙を選ぶと、お部屋に統一感が生まれます。

床→壁→天井と、下から順に明るい色を選んでいくと、開放感が生まれます。反対に、天井に少し暗い色や、木目調のクロスなどを選ぶと落ち着いた雰囲気の空間を演出できます。

・機能性から選ぶ

壁紙には色々な機能性を持つものがあります。たとえば、汚れ防止、消臭、抗菌、抗アレル、抗ウィルスなどの機能があります。

また、ペットと快適に暮らすための耐久性の高いタイプや、カビや結露を抑える調湿タイプ、光を反射・拡散する省エネタイプの製品もあります。壁紙には無数の選択肢があり、その中から選んでいくのは至難の業です。まずは機能面から選択肢を絞るのも良いでしょう。

・個性的な色や柄は、狭い面積の場所に使う

カタログを見ていると、おしゃれな輸入物の壁紙や大胆な柄や色に惹かれる人も多いと思います。でも、「飽きたらどうしよう」、「大きな面で見たら変じゃないかな」と不安になり、あきらめてしまうこともあるでしょう。しかし、狭い面やアクセントクロスとして一部に使えば、おしゃれで遊び心が感じられる空間になります。

寝室や子供部屋、トイレやパントリー、クローゼットの中など、その場所を使う時だけ目にする箇所なら、冒険してみても良いのではないでしょうか。アクセントクロスとして一部の色を変える場合、その部屋の壁の2~3割にするとバランスが良くなります。

まとめ

新築の壁紙選びは、自由に選べて楽しい作業です。しかし、数ある候補から選ぶのは、悩む人も多いと思います。どんなイメージにしたいかを家族で話し合い、ハウスメーカーや設計士さんに伝え、提案をもらうのも近道です。また、気に入った色や柄の壁紙は、大きなサンプルももらって確認し、狭い場所や壁の一部に使うと良いでしょう。ご紹介したおしゃれな壁紙や、選ぶ際のポイントを、ぜひ参考にして下さいね。