IHとガスコンロ、便利でお得はどちら?光熱費比較と向いている人を解説

新居のキッチン選びは楽しくて、同時にとっても迷いますよね。なかでも、IHとガスコンロで迷う人は多いと思います。便利でお得なのはどちらでしょうか。決めてから後悔しないよう、それぞれの特徴を知り、自分に合っている方を選べると良いですね。今回はIHとガスコンロのメリット・デメリットをご紹介し、光熱費の比較や、それぞれどんな人に向いているか解説します。

IHクッキングヒーター(IHコンロ)のメリット・デメリット

今までガスコンロを使っていた人にとっては、IHは分からないことが多いと思います。新居では、IHを導入してみたいけど不安もある、という人もいるでしょう。まずはIHクッキングヒーターとは何かと、メリット・デメリットをご紹介します。

・IHクッキングヒーターとは

IHとは、Induction Heatingの略で、電磁誘導加熱のことです。電力によって、調理器具そのものを加熱することで、火を使わずに調理ができます。トッププレートの下にあるコイルから発生した磁力線と、鍋やフライパンとの電気抵抗を利用して発熱する仕組みです。

IHクッキングヒーターは大きく分けると3種類あります。キッチンと一体化したビルトイン型、ガステーブルと同様にコンロ台に置ける据置型、テーブルでの調理に使う1口タイプの卓上型があります。

新築では、主にビルトイン型になります。システムキッチンに組み込んで使用し、グリルをはじめ、さまざまなオプションを搭載しているモデルが多く、機能性に優れています。冬に卓上で鍋料理をするために、卓上型も合わせて購入される方も多くいらっしゃいます。

・IHのメリット

● 安全性が高い

火を使わずに調理できる安全性の高さが大きな魅力です。忙しいご家庭や、お子さまやご高齢の家族がいる場合にも適しています。お子さんにお手伝いしてもらう際にも安心感がありますね。

● 掃除がラク

掃除やお手入れの簡単さも魅力です。トッププレートはガラス素材のため、汚れが付いてもすぐに拭けば取れるようになっています。使用後は、水か中性洗剤を使って柔らかい布で拭くようにしましょう。毎日サッと拭いておくことで、キレイな状態を保ち、長持ちします。

● キッチンが暑くならない

夏にキッチンが暑くならないのもIHのメリットと言えます。ガスコンロの場合、夏にお素麵やお蕎麦を食べようとお湯を沸かし、食べる前から汗だくになってしまったという経験はありませんか。IHなら、調理器具自体を発熱させる仕組みのため、まわりの温度はほとんど変わりません。

● 加熱管理がラク

安定した加熱管理が容易に行えるため、素材を均一に加熱する料理や、スープなどの煮込み料理に適しています。ワンプッシュで希望の火力に設定・維持してくれる手軽さも魅力です。消し忘れ防止センサーなど、細かい設定も可能で安心です。

● 見た目もおしゃれ

トッププレートが強化ガラスのため、美しくてスタイリッシュな見た目も魅力です。友人を招いてのパーティや、気分よく料理をするには、実用的かつ、おしゃれであることも大切です。掃除がラクなIHコンロなら、ズボラさんでもおしゃれで綺麗なキッチンを保つことができるでしょう。

● 高気密住宅にも適している

IHは、ガスの燃焼による二酸化炭素や水蒸気の排出が無いため、高気密住宅にも適しています。最近増えている高断熱・高気密の家でも、安全に使用できます。

・IHのデメリット

● 停電時に使えない

停電時には、特にオール電化だと家電が全て使用できません。もちろんIHも使えなくなります。災害時用には、カセットコンロを備えておくと良いでしょう。その際、全ての調理器具がIH専用だと使用できません。IHとガスのどちらにも使えるものを、1つは持っておくようにして下さい。

● 使える鍋やフライパンが限られる

標準的なIHコンロでは、使用できる鍋に制限があります。アルミや銅の鍋、土鍋は使えない場合が多く、IH用は、基本的には底が平らな形状をしています。

また、IHでも使える中華鍋などもありますが、底が丸いタイプは熱効率が悪くなりやすく、調理が難しいと感じるかもしれません。IHではチャーハンや餃子が上手く焼けない、という声を聞くこともあります。

● 油汚れと焦げは落ちにくい

油汚れと焦げは、こびりついてしまうと落ちにくいというデメリットがあります。油は水に溶けにくく、水拭きだけでは完全には落ちません。また、吹きこぼれなどの汁が鍋の下に入り込むと、焦げに変化して落ちにくくなってしまいます。

油や吹きこぼれなどの汚れは、おもに酸性です。アルカリ性の洗剤を使って中和させると落ちやすくなります。また、長期間放置してしまった汚れは、クリームタイプのクレンザーなどが有効です。

しかし、IHコンロの表面の素材や仕様、掃除の仕方によっては、傷や曇り等につながる恐れがあります。事前に取扱説明書を確認の上で、目立たないところで試してから使用するようにしてください。

● 鍋底が焦げやすい

IHコンロは、調理器具の底が加熱される仕組みのため、鍋底が焦げやすくなります。茹でたり煮たりには適していますが、焼いたり炒めたりの時には注意が必要です。具材をこまめに返したり、煮汁を多くしたりするなどして、具材が鍋底で焦げないように工夫しましょう。

● うっかりヤケドの心配がある

使用後はプレートが熱くなっています。ガスほどの高熱ではありませんが、見た目には熱さが分からないので、うっかりヤケドに注意が必要です。

ガスコンロのメリット・デメリット

次にガスコンロのメリット・デメリットを見ていきましょう。ガスコンロは使ったことがある人がほとんどだと思いますので、簡単にご紹介していきます。

・ガスコンロのメリット

● 停電時にも使える

停電しても使えるのがガスコンロの大きなメリットです。いざという時のために、電気とガスが別になっていた方が、便利な場合もあります。

● ほとんどの鍋やフライパンが使用できる

ガスコンロでは、ほとんどの鍋やフライパンが使用できます。購入時も選択肢の幅が広がり、好きなデザインや価格を選ぶことができます。

● チャーハンや餃子が上手く作れる

ガスコンロでは、炎が鍋を包み込むように加熱し、全体をムラなく高温に加熱して短時間で調理ができます。チャーハンを作る際もお米がパラパラになります。IHだと浮かせて振ると加熱されないため、どうしてもベチャっとしがちです。

また餃子を焼く際も、IHだと中央部分だけ焦げてしまうなど、焼きムラが出来やすいという声があります。ガスコンロなら、広い範囲を温めながら調理ができ、炒め物を作るのに適しています。

・ガスコンロのデメリット

● 火事やヤケド、ガス漏れ等の心配がある

ガスコンロのデメリットは、やはり火を使うことでしょう。火を使うことで、火事のリスクやヤケドの心配が高まります。ガス漏れや一酸化炭素中毒にならないよう、気をつけて使用することが必要です。

● 凹凸があって掃除がしにくい

五徳や排気口など、ガスコンロには凹凸が多くあって掃除がしにくいこともデメリットです。

● 夏場はキッチンが暑くなる

火を使うことで夏場はキッチンが暑くなり、料理が億劫になってしまうこともあります。冷房効率も悪くなり、余計な光熱費がかかります。

『IHコンロvsガスコンロ』光熱費比較と向いている人

IHとガス、どちらにもメリットとデメリットがありました。『IHコンロvsガスコンロ』は、結局どちらが優れているとは言い切れず、判断するのが難しいですよね。そこで最後に、光熱費の比較と、それぞれに向いている人をご紹介します。

光熱費の比較

まず本体の価格を比較すると、IHよりガスコンロの方が安くなる場合が多いです。ただし、導入費用にはガス管工事も加算する必要があり、全体で比較しなければなりません。

次にランニングコストについて。1kWhあたりの光熱費を比較すると、都市ガスが利用できる地域では、ガスの方が安くなることが多いようです。しかし、節約しやすいのは電気を使うIHになります。ガスは料金が終日一定ですが、電気はプランによって安い時間帯があり、工夫すれば費用を抑えることができます。

また、オール電化や太陽光発電システムを導入すれば、IHの方が安くなる場合も。プロパンガス利用の地域でも、IHの方が光熱費を安く抑えられることが多いようです。

・IHコンロに向いている人

● 火を使わない安全性が大事
● オール電化にして光熱費を抑えたい 
● 掃除がラクな方が良い
● 夏に汗だくで料理をするのは嫌
● 煮込み料理、揚げ物・てんぷらをよく作る

・ガスコンロに向いている人

● 停電時にも使える安心感が欲しい
● 料理が好きで、どんな調理器具でも使える方が良い
● 長年ガスを使っているので変えたくない
● 中華料理、炒め物、土鍋料理をよく作る

まとめ

IHクッキングヒーターとガスコンロ、それぞれの特徴をご紹介しました。どちらにもデメリットはありますが、カバーするような機能を備えた製品も今はたくさん出ています。どちらが便利でお得とは言い切れず、自分に向いているのはどちらか、よく検討して決めることが大切です。実用的でおしゃれなキッチンにし、料理を楽しめる空間にして下さいね。

vacances(バカンス)の家では、どちらのキッチンでも標準で選択できるようにしています。
どんな暮らしをしたいか、ぜひモデルハウスでイメージしてみてください。